日本でもっとも低い百名山「筑波山」に登ってきました。つつじヶ丘からおたつ石コース~白雲橋コースで女体山に登り、男体山と自然研究路を巡ったあと、御幸ヶ原コースで下山。下山後に蝋梅と梅が咲く筑波山梅林も見てきました。低山ながら山頂からの関東平野の眺めが素晴らしい山でした。筑波山神社の参拝や、筑波山梅林での観梅、温泉やグルメも楽しめて、とても充実した山旅を楽しめました。
日本でもっとも低い百名山「筑波山」へ
筑波山は、関東地方の東部に聳える日本百名山です。標高は877メートルと百名山の中ではもっとも低い山ですが、ほぼ平坦な関東平野に独立峰のように聳えるため、その存在感は抜群! 深田久弥は標高1,500メートルを百名山選定の基準として設けたそうですが、筑波山はいわば例外として百名山に選ばれています。それも、近くから筑波山を眺めてみればよくわかります。
今回は、以下のルートで歩いてきました。
筑波山ロープウェイの山麓駅がある「つつじヶ丘」からおたつ石コース~白雲橋コースを登って、双耳峰の山頂の一つ、女体山に登ります。女体山から山頂連絡路を通り、御幸ヶ原を経由して男体山にも登り、その後、男体山の山頂の周りに設けられた自然研究路を一周。御幸ヶ原で昼食休憩をとったあと、御幸ヶ原コースで筑波山神社に下山しました。
下山後、筑波山神社から徒歩10分ほどのところにある「筑波山梅林」へ。終わりかけの蝋梅(ロウバイ)と、咲き始めの梅を楽しめました。その後、日帰り温泉「つくばの湯」で温まってから帰宅しました。
今回の主な行程です。
- 09:00 つつじヶ丘 出発
- 09:55 女体山山頂 到着
- 10:05 女体山山頂 出発
- 10:20 御幸ヶ原
- 10:35 男体山山頂 到着
- 10:50 男体山山頂 出発
- 11:20 御幸ヶ原 到着(お昼休憩)
- 12:00 御幸ヶ原 出発
- 13:00 筑波山神社 下山
- 13:25 筑波山梅林
- 14:00 つくばの湯
つつじヶ丘から女体山までは標高差350メートル。コースタイムよりやや早めで1時間ほどでした。御幸ヶ原からの下山も1時間ほど。手軽に登れて、絶景を楽しめる良い山ですね。
筑波山登山口への公共交通機関でのアクセス
筑波山の主要な登山口となる筑波山神社とつつじヶ丘への、公共交通機関でのアクセス方法をまとめておきます。
- つくばエクスプレス つくば駅から「筑波山シャトルバス」に乗車
- 筑波山神社前まで約36分、740円
- つつじヶ丘まで約50分、900円
筑波山へは、つくばエクスプレスの終点「つくば駅」から、「筑波山シャトルバス」に乗車します。つくば駅のバスターミナルの1番乗り場から発車します。TX A4出口の階段を登ると目の前です。
「筑波山シャトルバス」は、平日は1時間間隔、土休日は30分間隔で発車しています。詳しい時刻表などは、関東鉄道バスのWebサイトをご覧ください。
つくばエクスプレスでつくば駅までアクセスする場合には、つくばエクスプレスの往復乗車券と筑波山へのバスの往復乗車券などがセットになった「筑波山きっぷ」「筑波山あるキップ」がお得です。つくばエクスプレスの各駅の券売機で購入できます。
- 筑波山きっぷ: つくばエクスプレス線+筑波山シャトルバス+ケーブルカー・ロープウェイがセットになったきっぷ
- 筑波山あるキップ: つくばエクスプレス線+筑波山シャトルバスがセットになったきっぷ
登山をするのであれば、鉄道とバスだけの「筑波山あるキップ」が良いでしょう。今回、「筑波山あるキップ」を利用しましたが650円もお得になりました。2日間有効なので、日帰り登山だけでなく、筑波山の中腹にあるホテルや温泉旅館に泊まる場合にも利用できます。
「筑波山きっぷ」「筑波山あるキップ」については、つくばエクスプレスのWebサイトをご覧ください。
【つつじヶ丘】つくば駅から筑波山シャトルバスでつつじヶ丘へ
自宅から電車を乗り継いで、午前8時前につくば駅に到着。平日の通勤時間帯で、たくさんのバスが発着する中、1番乗り場で「筑波山シャトルバス」を待ちます。やってきたのはふつうの路線バスタイプのバス。平日ということもあり、全員が着席できるくらいの乗車率でつくば駅を出発しました。
「筑波山シャトルバス」は、つくば駅を出ると、筑波山の麓にある沼田というバス停まで止まりません。完全に筑波山に登山や観光に出かける方の乗り物です。
筑波大学や高エネルギー加速器研究機構などの研究施設が立ち並ぶエリアを抜けると、右手に筑波山が見えてきます。独立峰のように堂々とした山容の山ですね。
沼田のバス停を過ぎると山道に入ってきます。筑波山神社前のバス停で大半が下車。その後も山道を登り、8時50分過ぎに終点のつつじヶ丘に到着しました。
つつじヶ丘には、筑波山ロープウェイの山麓駅がありますが、ちょうどこの日を含む5日間はメンテナンスのためにロープウェイが運休中でした。そのせいもあってか、ほとんど人がいません。
バス停の前にはトイレのほか、レストハウスなどもあります。トイレを済ませ、支度をして、出発します。
【女体山】おたつ石コース~白雲橋コースで女体山へ
つつじヶ丘からは「おたつ石コース」と「白雲橋コース」で女体山に登ります。途中のつつじヶ丘高原からは関東平野や富士山を眺められます。後半の白雲橋コースに入ると、やや傾斜が急になりますが、あちこちに奇岩があり飽きることがありません。山頂直下の急登を登ると、女体山山頂に到着です。
ガマガエルが鎮座するつつじヶ丘を出発!
つつじヶ丘の登山口から出発します。女体山の山頂までは1.8km、コースタイムでは約80分の行程です。
筑波山ロープウェイを利用すれば、女体山山頂のすぐ下にある女体山駅までわずか6分で運んでくれます。が、前述のように、今日はメンテナンスのために運休です。運休なのですが、試運転をしていたのか、ロープウェイが動いている様子が見えました。
少し登ると、巨大なガマガエルが鎮座する神社があります。筑波山といえばガマガエル。このつつじヶ丘の登山口周辺でも、いたるところにガマガエルがいます。
つつじヶ丘の標高は500メートルを超えているため、見晴らしもとても良いです。でも、山頂に行けば、もっと素晴らしい景色を眺めることができます。
見晴らしの良いつつじヶ丘高原を超えて弁慶茶屋跡へ
ガマガエルの神社を過ぎて階段が終わると、本格的な登りになります。岩や石が多めの、比較的急なところを登っていきます。大きな段差はないので、登るのに苦労することはありません。淡々と登っていくことができます。
少し登ると、周囲が開けてきました。このあたりからが「つつじヶ丘高原」のようです。
登山口から10分ほど登ると、開けたところに東屋がありました。ベンチもいくつかありますね。広々としていて良い感じです。休憩するにはまだ早すぎるので、景色を眺めて写真を撮るだけにしておきます。
つつじヶ丘高原からは関東平野の眺めがよく、富士山もきれいに見えます。筑波山から眺める富士山もいいですね。思ったよりも大きく見えて驚きました。「西の富士、東の筑波」と称されますが、日本一標高の高い百名山と、日本一標高の低い百名山の組み合わせが面白いですね。
つつじヶ丘高原を超えると、樹林帯に入り、登山道の雰囲気が一気に変わります。しばらくは、このような平坦か、緩いアップダウンの道が続きます。数日前に降った雪がところどころに残っていますが、滑り止めが必要なほどではありません。
登山口から30分ほどで、真新しい東屋が建つ「弁慶茶屋跡」に到着しました。おたつ石コースは、登山口からこの弁慶茶屋跡までのわずか1.0km。ここから先は、筑波山神社から女体山へ登る「白雲橋コース」に入ります。
奇岩が点在する白雲橋コースを登る
弁慶茶屋跡のすぐ近くに「弁慶七戻り」という岩があります。神々の世界と現世を分かつ石門だそうですが、頭上の岩が今にも落ちそうで、弁慶も七戻りしたという言い伝えのある岩です。
この先、このような奇岩があちこちにあります。岩の名称や由来を記した案内もあるので、それを見ながら登ると楽しいです。
「高天原」には、天照大神を祀る稲村神社があります。岩の上にへばりつくようなところに建っていました。
「母の胎内くぐり」。登山道ではたまに見かける名前の岩です。
見上げるほどの大きな岩が2つ立ち並ぶ「陰陽石」。それぞれの岩が「陰」と「陽」を現わしているのだそうです。
これまでとは雰囲気の違う平らで大きな岩。「国割り石」というそうです。神々がこの石の上に線を引いて納める国を割り振ったという話が由来になっているとか。
国割り石のところまでやってくると、前方に女体山が見えてきました。最後はかなり急登になりそうですね……
奇岩はまだまだ続きます。この岩は「出船入船」。港から出ていく船と入ってくる船がすれ違っているように見えることから名づけられたそうです。そういわれてみれば、そういう風に見えるかも?
この「裏面大黒」は、大黒様が大きな袋を背負っている後ろ姿に見えるということから名づけられました。うん、確かにそう見えなくもない…(笑)
迫力のあるこの大きな岩は「北斗岩」。北斗星のように決して動かないことを意味しているそうです。
急登を登って女体山山頂へ
ここまでは奇岩の眺めながらのんびり登ってきましたが、この先は道が狭く、そして急になるようです。通常は山頂まで20分のところ、混雑していると最大で80分もかかるのだとか。お天気の良い週末に登る場合には、時間に余裕を見ておいた方がよさそうです。今日は、ほとんど誰もいませんので、サクサク登れます。
大きな岩の急登が増えてきました。危険なところはありませんが、ここまでの登りとは様子が違います。
屏風のように見える大きな「屏風岩」。屏風岩という名前の岩も、あちこちの山で見かけますね。
大きな大仏のように見える「大仏岩」。これは一目見てそれだとわかりますね。見上げるほどの大きな岩で、迫力があります。
何か音がすると思ったら、ロープウェイが通過していきました。やはり試運転をしているようです。明日からはまた営業再開ですからね。
山頂への最後の登りです。ふだん山に登りなれていれば何ということはないレベルですが、そうでない人が大勢いると、確かに渋滞しそうではあります。小学校の遠足などでも登られる山ですが、スニーカーではなく、トレッキングシューズを履いて登ったほうが良さそうだと思いました。
女体山山頂から関東平野と霞ヶ浦を望む絶景を堪能!
登りきると、目の前に建物が現れました。これが筑波山神社の「女体山御本殿」です。筑波山神社は筑波山そのものを御神体として祀っていて、本殿が女体山と男体山の山頂にあるのです。
御本殿の横にある階段を登って山頂に向かいます。
標高877メートル、筑波山の最高峰「女体山」に登頂です!
女体山の山頂から東側を見ると、輝く湖のようなものが見えます。霞ヶ浦のようですね。北東側がY字型に分かれている部分が見えているようです。そのさらに奥、水平線がかすかに光って見えるところが太平洋かな? 霞ヶ浦の方向が見えるのは、双耳峰の東側にある女体山だけのようですので、ここでよく眺めておきます。
南~西側にはどーんと関東平野が広がります。町や田畑が広がる広大な関東平野の奥には、都心の高層ビル群も見えます。そして、西側には富士山も! いや、本当に素晴らしい眺めです。標高900メートルに満たない低山からの眺めとは思えません。
都心方向をよく見てみると、スカイツリーがひときわ目立ちますね。やや霞んでいますが、高層ビル群もよく見えます。
女体山山頂の御本殿と、その横に「天の浮橋」もあります。山頂は狭いので、大勢が登ってきたら順番待ちで渋滞しそうです。この日は、先客が1名のみ。ゆっくりと景色を堪能できました。
【男体山】関東平野と赤城山・日光連山・浅間山の眺めが素晴らしい男体山へ
女体山からは山頂連絡路を通って、お茶屋やお土産屋などが揃う御幸ヶ原へ。御幸ヶ原から男体山に登り返して、再び絶景を満喫します。その後、自然研究路を歩いて御幸ヶ原に戻りました。
山頂連絡路で御幸ヶ原へ
女体山の山頂下は、登山道の十字路になっています。ロープウェイの女体山駅へ下る道のほか、筑波高原キャンプ場などへ向かう道も分岐しています。双耳峰のもう片方、男体山に登るべく、山頂連絡路を通って御幸ヶ原へ向かいます。
山頂連絡路は、女体山と御幸ヶ原を結ぶ歩きやすい道です。登山装備がなくても、ロープウェイやケーブルカーで登ってくれば、この山頂連絡路を通じて、女体山と男体山の山頂に立つことができます。
山頂連絡路の真ん中付近には「せきれい茶屋」というお茶屋さんがありました。近くには、昔、鶺鴒が止まったという「セキレイ石」があります。
せきれい茶屋の脇には、大きな錨がありました。かつて、銚子の漁師は筑波山を目印に漁をしていましたが、その筑波山に錨を奉納したものがこの錨なのだそうです。海からも、とても目立つ山だということですね。
筑波山の山頂付近の岩は「斑レイ岩」という岩です。筑波山は火山ではなく、隆起した深成岩が風雨で風化して、今のような山体が形成された山です。この斑レイ岩、黒光りしていて、かなり滑りやすいので、岩の上を歩かざるを得ないときは注意しましょう。山頂近くの登山道の岩も、ほぼこの斑レイ岩でした。
山頂連絡路は、登山道というより遊歩道といった方が良いほど整備されています。登山客だけでなく、観光客が歩くことも考慮されているようです。
御幸ヶ原に到着しました。女体山と男体山の鞍部にある広場で、現在は、お茶屋やお土産屋、展望台などがあり、筑波山でも一番賑わっている場所です。筑波山神社からケーブルカーで登ってくると、この御幸ヶ原に到着しますので、登山者だけでなく、観光客も大勢やってきます。
お茶屋さんに惹かれましたが、まだお昼にはちょっと早いので、目の前に見える男体山に登ってからにしましょう。
御幸ヶ原から男体山山頂へ
御幸ヶ原からの眺めも素晴らしいです。特に北側が開けていて、この展望台からの眺めが見事です。
北側には、関東平野越しに日光連山がきれいに見えます。一番左側の男体山が目立ちます。このほか、写真には写っていませんが那須連山も見えました。
御幸ヶ原のケーブルカーの駅の奥に、男体山や自然研究路への入口があります。男体山へはこちらの入口から登っていきます。「凍結注意」の掲示がありますが、男体山山頂までの間、登山道に雪や氷はありませんでした。
途中までは階段ですが、上の方は岩が多い急坂になります。御幸ヶ原から山頂までは15分ほどと短いですが、足元に注意して登りましょう。観光でも、男体山や女体山の山頂に登るのであれば、トレッキングシューズがよいと思います。
男体山の御本殿が見えてくれば、そこが山頂です。標高は871メートルで、女体山よりも6メートル低いです。
男体山の山頂から絶景の関東平野を眺める!
男体山の山頂には展望台があり、そこからの関東平野の眺めが見事です。
やはりまず目が行くのは富士山。女体山では端っこのほうにしか見えませんでしたが、男体山からは正面に見ることができます。関東平野の広大さと、富士山の大きさを感じられます。
西側には日光連山(写真右側)と赤城山(左側)が見えています。筑波山から見ると、日光連山と赤城山が並んで見える位置関係になるのですね。両方とも雪をたたえていて目立ちます。
広角端で関東平野の広大さを表現してみました。私のカメラでは広角端が24mmなので、実際に現地で見た景色ほどの広大さは表現できないのですが……。
動画でも撮影してみました。
関東平野を一望できる山は、丹沢や高尾にもありますが、筑波山がNo.1ですね。さすがに、関東平野の真ん中にある山だけのことはあります。
筑波山の中でも、関東平野の眺望は男体山が一番ですね。展望台が整備されていることもありますが、方角的にも、都心方面と富士山が見やすく、その大きさをより一層感じることができます。
冬枯れの明るいブナ林が続く自然研究路を歩く
男体山の山頂で景色を十分に楽しんだら、自然研究路をぐるっと歩いて御幸ヶ原に戻ります。男体山の山頂横から細い道を下ると、自然研究路に出ることができます。ここから、男体山の北側をぐるっと周回します。
筑波山の山頂付近はブナ林が広がります。この時期、葉がすべて落ちてしまっているのが残念ですが、日差しが差し込んで明るい広葉樹の森を歩くのも悪くありません。新緑の時期がよさそうですけどね。
自然研究路の展望スポットからも、関東平野を一望できます。
冬枯れの森もなかなか良い雰囲気です。
男体山の北側に入ると、遊歩道にも雪が残っていました。ほぼ快晴でお昼近くのこの時間帯でも、登山道には日が当たらないようです。滑らないように気をつけて歩きます。
この時期、花が全く咲いていないのが残念ですね。筑波山は南方系と北方系の両方の植物が見られるそうですし、標高が低いながら植生の垂直分布も変化に富んでいるので、今度は新緑の時期や初夏の頃にも来てみたいと思います。
御幸ヶ原の「つくばうどん」でお昼休憩
午前11時過ぎに御幸ヶ原に戻ってきました。おなかも空いてきたので、さっそくお茶屋さんに入ってお昼にします。
夫婦茶屋さんに入り、名物の「つくばうどん」を注文。つくね、くろ野菜(根菜)、ばら肉で「つくば」なんだそうです。具沢山でとてもおいしいうどんでした。
夫婦茶屋の女将さんによると、今年は野鳥観察の人が少ないのだとか。秋の木の実がかなり少なかったようで、野鳥もあまりやってこないのではないかと仰っていました。
お昼をまわって御幸ヶ原にも観光客が増えてきました。ひととおり歩き、眺望も堪能したので、そろそろ下山しましょう。
【御幸ヶ原コース】御幸ヶ原コースを下って筑波山神社へ参拝
御幸ヶ原から筑波山神社へと下る「御幸ヶ原コース」で下山します。ケーブルカーのルートに沿った登山道で、途中、ケーブルカーを眺められるところもありました。下山後は筑波山神社に参拝しました。
御幸ヶ原コースで下山
下山は、筑波山神社へ下る「御幸ヶ原コース」を選択。今朝、筑波山神社入口のバス停で大勢下車した方々は、この御幸ヶ原コースを登ってきたのだと思います。
山頂直下は階段が整備されていますが、階段が終わると、ふつうの登山道になります。山頂の近くは常緑広葉樹がちらほら見られますね。真冬のこの時期でも緑が多めです。
少し下ると、スギ林になります。この時間でも、登ってくる方々とたくさんすれ違います。2時間かからずに登れて、下山にはケーブルカーも使えますから、多少、遅い時間のスタートでも楽しめそうです。
ところどころ、急なところや、岩が多めのところもあります。低山とはいえ、それなりの登山の準備をしてから登ったほうがよさそうです。
中間地点あたりに東屋があり、その横からケーブルカーの線路が見えました。20分間隔で運行されていますが、先ほど、少し前に登っていく姿を見たので、しばらくやってこないようです。
さらに黙々と下っていきます。下の方まで下ってくると、すれ違う人も減りました。
森の中を登っていく筑波山ケーブルカー pic.twitter.com/yKo64TW6I9
— ひさ@乗り鉄/登山ブログ (@kz_hisa) February 3, 2024
途中で、登っていくケーブルカーを見ることができました。これに乗れば、山麓の宮脇駅から御幸ヶ原までわずか6分で行くことができます。この時間でも、車内には観光客の姿がそれなりに見えました。
御幸ヶ原から1時間ほどで、ケーブルカーの宮脇駅まで下ってきました。筑波山神社はここから石段を下ったところにあります。
筑波山神社に参拝
宮脇駅から石段を下ると、筑波山神社の脇に出ました。本当は表の鳥居をくぐってから参拝するのが正しいお作法なのでしょうけれど、もう拝殿前に着いてしまったので、そのまま参拝しました。
前述のとおり、筑波山神社は、筑波山そのものをご神体(神体山)として祀る神社です。本殿は、これまで巡ってきた女体山御本殿、男体山御本殿の2つで、山麓の神社には拝殿があります。この筑波山神社から上のの筑波山全体が境内という扱いなのだそうで、とても広大な神社なのです。
拝殿前には立派な門がありました。「筑波山神社随神門」で、つくば市の文化財に指定されています。現在の門は、1811年に再建されたものだそうです。
鳥居のところまで下ってきました。本来はここを通ってから参拝をするんでしょうね……。
【筑波山梅林】蝋梅と咲き始めの梅を鑑賞
下山後は、徒歩で15分ほどのところにある「筑波山梅林」を訪ねます。数は少ないですが蝋梅(ロウバイ)が咲いている時期ですし、早い品種の梅はもう咲き始めています。梅林を散策したあとは、日帰り温泉「つくばの湯」で温まってから帰宅しました。
筑波山梅林で終わりかけの蝋梅の色と香りを楽しむ
筑波山神社から大鳥居を通って、車道沿いに15分ほど歩くと、「筑波山梅林」があります。筑波山梅林は、筑波山の中腹斜面に設けられた梅林で、梅の木が1,000本植えられています。
毎年、2月中旬~3月中旬には「筑波山梅まつり」が開催されます。
駐車場から少し登ったところに「筑波山おもてなし館」があります。カフェが併設されていましたので、歩き疲れたら休憩することもできそうです。
そのおもてなし館からすぐのところ、梅林の下のほうに、蝋梅が咲いていました。梅の木に比べると数はずっと少ないですが、見ごろをやや過ぎたくらいで、甘い香りが漂っていました。黄色の蝋梅越しに眺める筑波山もいいですね。
終わりかけの花も多かったですが、きれいに咲いている花もありました。黄色の花が青空にとてもよく映えます。
なかなか素晴らしい眺めです。
上の方から下ってきたご夫婦に聞くと、上の方では梅が咲いているとのこと。蝋梅だけ見られればよいかと思っていましたが、咲いているのならと、梅林内の散策路を歩いてみることにしました。
咲き始めの梅と素晴らしい眺望を楽しむ
1月下旬ですので、まだまったく咲いていない木が多いですが、その中でも、少し咲き始めている梅もあります。園内にはこのような散策路が設けられていますが、山の斜面にあるため、それなりに登っていくことになります。
少し登ると、咲いている梅が増えてきました。
早咲きの品種なのでしょうか。もうたくさんの花を咲かせている木もいくつかあります。
そして、筑波山梅林の醍醐味は、梅の花越しに眺めるこの景色! 山頂ほどではないにせよ、筑波山の中腹にありますので、関東平野の眺めが素晴らしいのです。
梅林の一番上のほうにはる「展望四阿」です。ここからの眺望は素晴らしいです。
満開になれば、さぞ見ごたえのある景色になるでしょう。梅の時期に筑波山に登られる方は、下山後に、ぜひ筑波山梅林を歩いてみてください。
日帰り温泉「つくばの湯」でほっこり
筑波山梅林から筑波山神社近くの駐車場まで、このような遊歩道が整備されています。駐車場までは10分ちょっとです。
その後、日帰り温泉「つくばの湯」へ。
筑波山神社入口バス停から、車道を歩いて10~15分ほどでしょうか。筑波山の眺めが素晴らしい日帰り温泉があります。
平日だったせいか、この時期はもともと空いているのか、先客はゼロ。露天風呂を独り占めして、筑波山を眺めながらゆっくりとお湯に浸かることができました。
湯上り後は、レストランに移動して、生ビールで乾杯!
おつまみにと注文した「とり串」は、ボリュームがあっておいしかったです。
その後、冬季ダイヤでの最終バスとなる16時10分の筑波山シャトルバスでつくば駅に戻って帰宅したのでした。
都心から気軽に日帰りできる筑波山は関東平野の絶景No.1の山!
ということで、筑波山に日帰りで登ってきました。
実は、筑波山に登ったのは今回が初めて。東京の自宅から余裕を持って日帰りできる山、しかも日本百名山。ですが、いつでも行けるとなると、なかなか行かないもので、今回、ようやく登ることができました。
筑波山山頂からの眺望は、写真などで目にしたことはありましたが、実際に体験してみると本当に素晴らしい! 関東平野を眺められる山は多くありますが、ここまで広大な関東平野を望む山は筑波山しかないでしょう。低山だから眺望はたかが知れているなどと侮ってはいけません。
今回は、上り下りともに歩きましたが、ケーブルカーやロープウェイもあるので、登山初心者の方も気軽に挑戦できる山だと思います。御幸ヶ原にはお茶屋さんが充実していてグルメも楽しめます。ぜひ、晴れている日に登ってほしい山です。
また、今回は筑波山梅林にも立ち寄りましたが、梅の季節であれば、観梅もおすすめです。日帰り温泉の「つくばの湯」も良かったです。日帰りでも、登山だけでなく、温泉やグルメも楽しめますので、充実した山旅になりますね。
今回の主な登山装備
- 長袖のメリノウールアンダーウェア(モンベル)
- 長袖の化繊ウェア(モンベル)
- フリース(クリマプラス100 ジャケット/モンベル)
- ソフトシェル(モンベル)
- トレッキングパンツ(モンベル)
- 登山靴(マウンテンクルーザー600)
- ザック(グレゴリー ZULE30)
- レインウェア(サンダーパスジャケット モンベル)
- 飲み物(ペットボトルの水500ml×2本)
- 行動食
- ファーストエイドキット
- ヘッドライト
ウェアは真冬の低山向けにしました。行動中は、フリースの上にソフトシェルを着ていましたが、上りは少し風があったので暑くはならずちょうどよいくらいでした。下りはソフトシェルを着ているとやや暑いかなと感じましたが、距離が短いので、途中で脱ぐまでもなく下山してしまいました。
お昼はお茶屋さんで、と思っていたので、食料は行動食のみ。飲み物も、登山口や御幸ヶ原で手軽に手に入るので、ペットボトル2本のみと、いつもより軽めの装備でした。
冬季は、寒波がやってくると、筑波山は強風になることが多いです。登る前に、お天気だけでなく、風の予報もチェックして、風が強そうなら防寒着を多めに持つなどした方がよいでしょう。
以上、「【筑波山】関東平野に聳える霊峰にして百名山、おたつ石コース~御幸ヶ原コースで日帰り登山!」でした。低山ではありますが、関東平野の眺めは抜群に良いです。軽めの登山計画にして、温泉やグルメ、梅林散策などをあわせると充実し山旅になりますね。
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