秋空の下、丹沢を歩きたくて、塔ノ岳へ登ってきました。ヤビツ峠から表尾根を登って塔ノ岳へ。下山はいつもの大倉尾根を下りました。富士山は雲に隠れたり出てきたりでしたが、全般的に良いお天気で、景色を眺めながらの気持ちの良い山歩きを楽しめました。やっぱり丹沢はいいですね。
眺望抜群! 変化に富んだ尾根歩きが楽しい丹沢表尾根で塔ノ岳へ
だいぶ涼しくなってきて、ヒルももういないだろうということで、久々に丹沢に行ってきました。
今回は、ヤビツ峠から丹沢表尾根を登って塔ノ岳へ。三ノ塔から塔ノ岳までの尾根歩きは、眺望が素晴らしいですし、岩場や鎖場もあり歩いていてとても楽しいです。いくつもの小ピークを越えていくためアップダウンはありますが、それを補って余りある、素晴らしいコースだと思います。
今年(2022年)の4月に、大倉から三ノ塔尾根で三ノ塔へ上がってから表尾根を歩きましたが、ヤビツ峠から登るのは初めてです。大倉に比べると、ヤビツ峠は標高がかなり高いため、だいぶ楽に三ノ塔まで登れます。
ちなみに、今年3回目の塔ノ岳です。1回目は1月上旬の雪の塔ノ岳に大倉からピストンで登りました。そのときの様子は、以下の記事をご覧ください。
今回のコースは以下のとおりです。
小田急線の秦野駅からヤビツ峠行きのバスに乗ってヤビツ峠へ。車道をしばらく歩いて三ノ塔への登山口から山道に入り、三ノ塔~烏尾山~行者ヶ岳~新大日を経て塔ノ岳に登ります。塔ノ岳の山頂で休憩したあとは、おなじみの階段地獄、大倉尾根を下って大倉バス停へ下山しました。
主な行程は以下のとおりです。
- 09:20 ヤビツ峠 出発
- 10:20 二ノ塔
- 10:35 三ノ塔 到着(小休止)
- 10:55 三ノ塔 出発
- 11:15 烏尾山
- 11:35 行者ヶ岳
- 11:50 政次郎ノ頭
- 12:05 新大日 到着(小休止)
- 12:15 新大日 出発
- 12:40 塔ノ岳 到着(お昼休憩)
- 13:25 塔ノ岳 出発
- 15:20 大倉バス停 下山
距離は14.8km、休憩込みで約6時間の山行でした。累積標高は上りが1,225メートルなのに対して、下りは1,701メートル。標高の高いヤビツ峠から出発して、標高の低い大倉へ下りたので、このようになりました。
塔ノ岳登山口(ヤビツ峠・大倉)への公共交通機関でのアクセス
ヤビツ峠へは、小田急線の秦野駅から神奈川中央交通の路線バスが出ています。ただし、本数は少なく、土休日の朝(7時~9時台)に4本、平日朝は8時台の1本のみです。(2022年時点)
また、土休日はどんどん臨時バスが出ますが、平日は臨時バスの台数が限られるようです。今回は平日(11月中旬の金曜日)でしたが、午前8時過ぎに秦野駅のバス停に到着した時点で約50人が並んでいました。最終的には100人以上となり、バス3台になりました。所要時間が45分と長いうえに、蓑毛からヤビツ峠まではかなりの山道ですので、座れないと疲れます。
冬季にヤビツ峠への路線バスを利用するときには注意が必要です。積雪や凍結がある場合、ヤビツ峠まで行かずに、手前の蓑毛バス停までしか行かないこともあります。蓑毛バス停からヤビツ峠までは1時間程度で歩けますが、かなり登ることになります。
大倉へは、小田急線の渋沢駅から、同じく神奈川中央交通の路線バス(大倉行き)が出ています。こちらは、土休日の朝は1時間に4本、平日でも1時間に2本あり、日中時間帯も30分に1本は運転されています。所要時間も15分ほどと、ヤビツ峠に比べるとアクセスはかなり良いです。
最新の時刻表については、神奈川中央交通のWebサイトをご確認ください。
【三ノ塔】ヤビツ峠から階段の急坂を登って三ノ塔へ
ヤビツ峠から車道をしばらく歩いて登山口へ。いきなり階段が続きます。いったん緩やかになっても、階段が何度も出てきて、それなりに登ります。二ノ塔から少し下って、階段で登り返すと、絶景が待つ三ノ塔に到着です。
平日なのに大混雑のバスでヤビツ峠へ
11月中旬の金曜日。平日だからそれほどバスは混んでいないだろうと思っていたらとんでもない! 午前8時25分のバスにまにあうよりも1本早い電車で到着したにもかかわらず、すでに50人ほどの列ができていました。ぎりぎり1台目のバスに乗車でき、何とかヤビツ峠に到着しました。
結局、3台もバスが出たようです。平日だというのにすごい人気ですね。トイレを済ませ、バス停の前で支度をして、出発します。
車道を歩いて登山口へ
ヤビツ峠のバス停から登山口までは、しばらく車道を歩きます。登山口までは約1.7km、20分くらいかかります。車道ではあるものの、車はほとんど通らないので歩きやすいです。
曲がりくねる車道はやや下り基調。ヤビツ峠の標高が約760メートルなのに、この公衆トイレがあるところは約700メートル。だいぶ下ってきてしまいました。まあ、その分、登り返すのですが。
公衆トイレから少し入ったところに登山口があります。いきなり階段が整備されていて、いかにも丹沢らしいです。
階段が点在する登山道を登る
登山口を入るとすぐに、比較的急な階段が続きます。登山道は非常によく整備されていますが、階段の1段がやや大きめな印象です。登りはじめで体も温まっていないので、意識的にゆっくり登ります。
ところどころに赤く色づいたモミジがあります。数は多くないですが、すでに落葉した木や常緑針葉樹の木が多い中ではとても目立ちます。
10分も登らないうちに、いったん林道に出ます。道標にあるように、この林道を左へ15メートル進むと……
再び登山道に入ります。傾斜はやや緩やかになりますが、相変わらず階段が続きます。
標高は上がっているはずですが、それでもたまに紅葉したモミジが出てきます。周りの木々はほとんど葉っぱが落ちてしまっているので、このモミジはとても目を引きます。
真新しい木の階段を登りきって二ノ塔へ
登山道にわずかに咲いていた青い花。リンドウでしょう。このあたりや表尾根にはリンドウ系の花が多いようですが、もう時期を過ぎてしまっていて、この1輪しか見つけられませんでした。
しばらく登ると、南側の眺望が開けたところがありました。よいお天気ですが、やや霞んでいます。神奈川県の町並みの向こうに相模湾が広がります。手前にススキがあって、秋らしい光景でした。
二ノ塔が近づいてくると、登りが再び急になってきます。最後はこの長い木の階段です。かなりきれいですので新しく設置したものなのでしょうか。これを登りきると……
「二ノ塔」に到着! 山頂には大きなベンチがいくつかあり、休憩するのに良い場所です。3名ほどの方が休憩をされていました。
休憩していこうかとも思ったのですが、今日はまだ先が長いですし、この先の三ノ塔まで30分もかからないはずなので、先を急ぐことにしました。
富士山は雲の中も、絶景を眺めながら三ノ塔で休憩!
二ノ塔から三ノ塔へはいったん階段を下ります。目の前には、三ノ塔が見えています。三ノ塔は表尾根のピークの中でも山体が大きくて立派ですね。どこから見ても目立ちます。
いったん下り切ると、すぐに登り返しが始まります。三ノ塔への登りも木の階段。二ノ塔の階段よりもやや急で、しんどいです……。
何とか階段を登りきって、三ノ塔に到着! 標高1,205メートルで、登山口から500メートルくらい登ったことになります。
三ノ塔の魅力は何といってもこの眺望! 丹沢の山並みが見事です。この方角に富士山が見えるはずなのですが、残念ながら手前の雲に遮られてしまって見えませんでした。このあとの尾根歩きの途中で晴れてくれるといいのですが……。
これから歩く丹沢表尾根の山々は良く見えました。いったん、左下に青い屋根の山小屋が見える烏尾山まで下って、写真右上につづく尾根を歩いていきます。そのあと、真ん中あたりに見える最も高い「塔ノ岳」を目指します。塔ノ岳までは4kmの道のりです。
ここまで休まずに歩いてきたので、この先のアップダウンが続く尾根歩きに備えて小休止。ベンチに腰かけて、行動食のカロリーメイトを食べました。
三ノ塔の山頂は広々としていて、景色も良いですので、ヤビツ峠から三ノ塔までのハイキングも良さそうです。避難小屋とトイレがあります。トイレは冬季閉鎖されてしまいますが、この日はまだ利用できました。
【表尾根】景色を眺めながらアップダウンのある尾根歩きを楽しんで塔ノ岳へ
三ノ塔から先は丹沢表尾根の尾根歩きになります。眺望が良いところが多いですし、行者ヶ岳前後を中心にちょっとした鎖場もあり、楽しく歩けます。
三ノ塔から一気に下って烏尾山へ
三ノ塔は台形のような形の山で、山頂が横に長くなっています。その山頂部分を横に歩いていきます。木道が整備されていて歩きやすいですし、景色がとても良くてお気に入りの道です。
端っこまでやってくると小さなお地蔵さんが鎮座しています。赤い毛糸にマフラーまでして完全に冬の装いになっていました。
お地蔵さんのところからは一気に下ります。写真左上に見えるのが烏尾山ですが、標高は1,136メートルで、三ノ塔よりも70メートルくらい低いのです。なので、かなり下ったあと少し登り返す、という感じになります。
最初は階段が整備されていますが、階段がなくなるとザレた急斜面が出てきます。かなり急なので滑らないように注意が必要です。そして、こんなハシゴのような階段も。
この木の橋がかかっているところが、三ノ塔と烏尾山の鞍部のようです。ここからは登り返しが始まります。といっても、この登りはそれほど長くはありません。
左側が開けたところからは、ススキの向こうに三ノ塔の特徴的な山容が見えました。せっかくあの山頂まで登ったのに、だいぶ下ってきてしまいました。まあ、縦走とはそういうものでしょう……。このあとは、ピーク毎に少しずつ標高が上がっていきます。
烏尾山への最後の登りは例によって階段です。ススキに囲まれた階段を登っていくと……
烏尾山のシンボル、烏尾山荘に到着しました。三角の青い屋根が特徴的な山小屋です。週末営業で素泊まりのみ宿泊できるそうです。
そして、雲が切れて、待望の富士山が見えてきました! このあとも雲に隠されたり、また出てきたりといった感じでしたが、やはり富士山が見えるといいですね。手前のススキに、山頂が少し冠雪した富士山。秋らしい風景を堪能できました。
烏尾山荘のすぐ上の広場が山頂ですが、ここで写真を撮りました。
楽しい尾根歩き&鎖場で行者ヶ岳へ
烏尾山から先は、眺望が開けた道が続きます。これから登る塔ノ岳の山頂が良く見えていて、山頂からの景色も期待できそうです。
西側が開けたところから富士山が見えます。この富士山を眺めながら歩けるのが、この表尾根の醍醐味の一つですね。
高山ではないので尾根道といっても木が全くないわけではないのですが、もう葉が落ちてしまっていて、眺望がとても良いです。
しばらく快適な尾根道を歩くと、行者ヶ岳への登りにかかります。このような鎖場がいくつか出てきますが、足場がしっかりしているので、ほとんどは鎖をつかまなくても登れるレベルです。もちろん、鎖をつかんで登ってもよいと思います。
2つ目の鎖場です。これも長くはないですし、苦労せずに登れました。
ということで、行者ヶ岳に到着! 「ここが山頂?」と思うほど狭いですが、鎖場を登ってきて、この先ですぐに下るので、ピークであることは間違いありません。
行者ヶ岳の山頂の横からは素晴らしい景色を眺めることができます。山頂に何もないと思って通り過ぎるともったいないです。景色を眺めてから先へ進みましょう。
表尾根の核心部、行者ヶ岳から政次郎ノ頭へ
行者ヶ岳からの下りも鎖場が続きます。それほど長い鎖はありませんので、慎重に下っていけば大丈夫です。
いくつか鎖場が続きます。この鎖場も、長くはありません。好天の週末にはこのあたりの鎖場で渋滞するそうですが、今日は誰もいないので、サクサク下れます。
最後の鎖場はやや長く、傾斜が最も急です。ここだけは、しっかり鎖をつかまないと下れませんでした。表尾根のルートの中で、ここが一番難しいところだと思います。ヤビツ峠から塔ノ岳へ登る場合には、この長い鎖場を下ることになります。
先ほどの長い鎖場を下ったところが行者ヶ岳と政次郎ノ頭の鞍部になり、ここからは登り返しになります。斜面が崩壊しつつある痩せ尾根のようなところを通過して、登り返していきます。
登り返す途中で振り返ってみると、手前には先ほどたくさんの鎖場を超えて通ってきた行者ヶ岳が、その右奥には三ノ塔が見えています。そして、写真左奥には大山が見えています。こういう景色があちこちで見られるのが、表尾根の良いところですね。
ここを登りきったところが政次郎ノ頭です。
急登を登って新大日へ
政次郎ノ頭から少し登ると、広場のような平坦なところに出ます。ベンチもあるので、ここで水分補給の休憩を取りました。
この広場からは、写真の右側に見えるところを登っていきます。見るからに急登です。これを登りきったところが新大日です。
右側のピーク新大日からは、尾根の向きが少し西向きに変わり、写真に見える稜線を歩いていきます。左奥、山小屋が少し見えているところが今日の目的地、塔ノ岳です。
新大日への登りは予想通りの急登。それほど長くはありませんが、ここまでアップダウンをいくつも超えてきたので、かなり堪えますね。ゆっくりと登っていきます。
急登を登りきると、新大日に到着! 標高は1,304メートルで、だいぶ登ってきました。三ノ塔から烏尾山へはかなり標高を落としますが、烏尾山から先は、ピークごとに少しずつ標高が上がっていきます。
ここでも軽く水分補給の休憩を取りました。
新大日茶屋跡があります。「跡」というよりは廃墟になってしまっています。こういった山小屋を建てるのも大変ですが、撤去するのも費用がかかるので大変なのでしょうね。登山をしていると、山小屋に限らず、廃墟のように打ち捨てられた建物をよく目にします。
最後の登りで塔ノ岳に到着!
新大日から先は、多少のアップダウンはありつつも、塔ノ岳の直下までは比較的平坦な道が続きます。樹林に囲まれていますが、ほとんど落葉してしまっているので、登山道はかなり明るいです。
木ノ又小屋です。小さな山小屋ですが、素泊まりで宿泊できるようです。ここまでくれば、あと一息です。
木道や木の階段が整備されていて、とても歩きやすいです。塔ノ岳まであと0.7km、ヤビツ峠からは7.1kmも歩いてきたようです。
少し開けたところからは相模湾を一望できます。やや霞んでいますが、真鶴半島は何とかわかりますね。真鶴半島の手前の街並みは小田原でしょうか。
いよいよ塔ノ岳山頂への最後の登りです。ここも長くはないですが、それなりに急登です。でも、すぐ目の前に、山頂にある尊仏山荘の建物が見えていますので、「あと一息!」と言い聞かせて頑張って登ります。
12時40分、ヤビツ峠から3時間ちょっとで塔ノ岳山頂に到着! ちょっと雲が多めですが、何とか富士山も見えています。
【塔ノ岳】富士山や丹沢主稜の山並みの絶景を堪能!
かなり頑張って登ってきたので、予定よりも1時間近く早く到着しました。ということで、ゆっくり休みながら景色を存分に楽しんでいきましょう。
富士山は、相変わらず雲に隠れたり出てきたりを繰り返しています。中腹にある雲はあまり動かず、山頂付近にある雲はかなり早く流れています。どうやらかなり手前にある雲のようです。
塔ノ岳から続く丹沢主脈の山々。右端の木に少し隠れているのが日本百名山の丹沢山、中央奥が神奈川県最高峰の蛭ヶ岳です。そういえば、ちょうど1年ほど前は、蛭ヶ岳山荘に泊まってこの稜線を歩いたのでした。丹沢山~蛭ヶ岳の稜線歩きは、これが標高1,500メートルそこそこの山かと思うほど素晴らしかったです。
蛭ヶ岳から西側には檜洞丸や大室山といった西丹沢の山々も良く見えています。檜洞丸までは昨年歩いたのですが、大室山にはまだ登ったことがないので、ぜひ登ってみたいと思っています。
塔ノ岳山頂の様子です。山頂には宿泊もできる山小屋「尊仏山荘」が建っています。2年前、大倉尾根から初めて塔ノ岳に登った時に泊まったことがあります。
塔ノ岳は日帰りで十分に登れてしまうので、あまり山頂に泊まる人はいないようなのですが、個人的には、初めての小屋泊にぜひおすすめしたい山小屋です。夕食のカレーがおいしいですし、山頂に泊まることで、夕陽、夜景、日の出を全て眺めることができます。日帰り登山だといずれも難しいのですよね。
山頂にはベンチやテーブルもいくつかありますが、この写真の手前側に見えるように、緩やかに傾斜した部分に長い木のベンチが設置されています。ここで大勢の人が休むことができます。
東側を見ると、手前に先ほど歩いてきた尾根、その奥(写真右奥)に大山、そして、その後ろには東京方面の町並みが広がります。夜になると夜景がとてもきれいです。
木の長いベンチに腰掛けてお昼タイム。持参したカップヌードルに、アルパインサーモボトルに入れてきた熱湯を注ぎます。自宅でお湯を沸かして入れてきてから6時間は経っていますが、まだ十分に熱く、カップヌードルを作るくらいなら十分です。
食後のコーヒーも! インスタントでも、山の上で飲むコーヒーは最高です。そして、富士山も顔を出してくれました。
風はさほど強くはないものの、とても冷たく、長時間休憩していると寒いです。温かい食べ物や飲み物が美味しい季節になりましたね。
山頂で45分ほど休憩しましたので、そろそろ下山を開始しましょう。
【大倉尾根】富士山に別れを告げて紅葉が始まった大倉尾根を下る
塔ノ岳からの下山は、おなじみの大倉尾根を下ります。中腹では紅葉している木がありましたが、モミジが多くある見晴茶屋の上あたりはまだまだ色づき始めという感じでした。
花立山荘で雲が取れてきた富士山とお別れ
山頂から大倉への登山口を下り始めると正面に富士山が見えます。心なしか、先ほどよりも雲が少なくなってきたようです。周囲の木々はすっかり葉を落としてしまい、冬の装いになっています。
花立山荘まで下ってきました。花立山荘の横からは富士山が見えますが、中腹の雲も取れてきたようです。だんだん日が傾いてきて逆光気味になってしまうので、くっきりと見ることはできませんが……。
花立山荘付近からの眺めといえば、富士山だけでなく、この相模湾方面の眺望も素晴らしいです。やや霞んでいますが、真鶴半島は何とか見えています。空気が澄んでいると伊豆諸島の島も見えるのですが、今日は良く見えませんね。
紅葉した木々が点在する堀山の家~駒止茶屋
花立山荘からしばらく下ると、樹林帯に入って眺望がなくなります。堀山の家までは急な下りが続くので、気を抜かないように下っていきます。
堀山の家の近くでは、樹木の間から富士山を見ることができます。上の方しか見えませんが、やはり雲が取れてきたようですね。ここで富士山とは本当にお別れです。
堀山の家からは、傾斜は比較的緩やかになりますので、どんどん下っていきます。ところどころに、色づいた木があります。残念ながら数はそれほど多くないのですが、眺望がない樹林帯の道では目立ちます。
駒止茶屋と紅葉した木。11月18日に登りましたが、紅葉していたのはこのあたりだけで、駒止茶屋から下はまだまだこれからという感じでした。
山頂から2時間で大倉バス停へ下山
大倉尾根で最も紅葉がきれいなのが、見晴茶屋から少し登ったところにあるモミジなのですが、このあたりはまだ色づき始め。たまに赤く色づいた木もありますが、全体としてはこれからです。
下の方ではこんな感じ。この木々は全て紅葉するはずなのですが、まだ緑色で、葉の先からわずかに色づき始めている木があるくらいでした。
11月下旬~12月上旬くらいが見ごろでしょうか。
というわけで、無事に大倉まで下ってきました。塔ノ岳の山頂から約2時間で下れました。
秦野天然温泉「さざんか」で温泉&ビール
大倉からバスで渋沢駅へ移動し、小田急線の電車で東海大学前へ。塔ノ岳に登ったあとは、この「秦野天然温泉 さざんか」に寄ることが多いです。
温泉で汗を流して温まったあとは食堂へ。「ちょい呑みセット」(生ビール、枝豆、串揚げ5本のセットで1,000円)で乾杯!
串揚げは小さめですが、揚げたてなのでとてもおいしいです。
ということで、リフレッシュして帰宅したのでした。
眺望はもちろん山歩きそのものが楽しい丹沢表尾根
ご紹介したように、ヤビツ峠から丹沢表尾根を歩いて塔ノ岳に登ってきました。
丹沢表尾根は、三ノ塔などからの眺望はもちろんのこと、尾根道ですので登山道からの眺望も素晴らしいです。そして、眺望が素晴らしいだけでなく、変化に富んだ山歩きを楽しむことができます。行者ヶ岳前後の岩場・鎖場をはじめ、樹林帯から稜線歩きのような尾根道まで、刻一刻と変わる登山道を歩いているだけで楽しいです。
たくさんのピークを通過していくためアップダウンがありますが、各ピークからは、これまで歩いてきた道のりと、これから歩く先の道を眺めることができて、「まだ先は長そう」とか「だいぶ登ってきた」といったように、直感的に自分の位置をつかむことができます。
ただ、大倉尾根をピストンするのに比べると、コースタイムは長めです。また、登り一辺倒でペースをつかみやすい大倉尾根に対して、表尾根はアップダウンがあるのでペース配分が難しいです。さらに、ヤビツ峠に路線バスが到着する時間がやや遅いこともあって、コースタイムどおりに歩くと、日の短い時期では明るいうちに下山できません。
日の長い時期に歩くか、尊仏山荘に1泊するとよいでしょう。私が初めて表尾根を歩いた時には、大倉尾根から登って尊仏山荘に1泊し、翌日、ゆっくりと表尾根を下りました。下の記事は、尊仏山荘に宿泊した翌日に、表尾根を蓑毛まで下った時の記録です。
今回の主な登山装備
- メリノウールの長袖アンダーシャツ(モンベル)
- 化繊の長袖シャツ(ワークマン)
- トレッキングパンツ(モンベル)
- 登山靴(モンベル アルパインクルーザー2300)
- ザック(グレゴリー ZULU30)
- レインウェア上下 ※利用せず
- ソフトシェル(モンベル)
- ウルトラライトダウンコンパクトジャケット(ユニクロ)※利用せず
- 膝サポーター(ザムスト EK-3)
- 飲み物(お湯750ml+ペットボトル500ml×2本)
- お昼ご飯(カップヌードル1個)、行動食
- ファーストエイドキット
- ヘッドライト
行動中はずっとメリノウールのアンダーシャツと化繊の長袖Tシャツの2枚だけでした。丹沢表尾根は尾根道で風を受けやすいので、ちょっと寒いかとも思ったのですが、日差しは暖かかったですし、風も弱かったので問題ありませんでした。
塔ノ岳の山頂は風が冷たかったので、ソフトシェルを羽織りましたが、それでも少し寒かったです。ダウンを着るほどではなかったですが……。
大倉尾根は樹林帯ですし、南側斜面で暖かかったので、やはり2枚のみで問題ありませんでした。
以上、「【丹沢】ヤビツ峠から丹沢表尾根を歩いて塔ノ岳へ! 眺望を楽しむ秋の山旅!」でした。紅葉にはやや早かったですが、それでも秋空の下、表尾根を歩くのは快適ですし楽しいですね。塔ノ岳登頂はこれで7回目。眺望が良いのはもちろんですが、さまざまなルートで楽しめるのも魅力的な山です。
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