2021年最後の登山は、ひさびさに高尾山へ。高尾山口駅から高尾山に登り、小仏城山、景信山と縦走して、陣馬山へ。陣馬山から藤野駅へと下りました。1年半ぶりの奥高尾縦走ですが、冬のキリっとした空気の中、景色もトレッキングも楽しむことができました。高尾山の山頂直下のシモバシラの氷華も見ることができました。
1年半ぶりの奥高尾縦走へ
2021年12月下旬、今年の登り納めをどこにしようか考えていましたが、寒波がきていて標高の高い山はすごく寒そうだったのと、今年は高尾方面の山に一度も登っていないことから、奥高尾縦走に決めました。
奥高尾を縦走したのは2020年6月。陣馬山から高尾山へと歩きました。
このとき以来の奥高尾ですが、今回は、逆方向、高尾山から陣馬山へと歩いてみることにしました。理由は特にないのです(笑)
ということで、以下のルートを歩いてきました。
高尾山口駅を出発、稲荷山コースで高尾山に登ったあとは、小仏城山、景信山を経由して、奥高尾縦走路を陣馬山まで歩きます。陣馬山からは、栃谷尾根を下りました。藤野駅行きのバスまで時間があったので、藤野駅まで歩いてしまいました。
結局、高尾山口駅から藤野駅まで21.6kmの山歩きになりました。
主な行程は以下のとおりです。
07:30 高尾山口駅 出発
08:40 高尾山 到着
09:05 高尾山 出発
09:50 小仏城山 到着
10:05 小仏城山 出発
10:45 景信山 到着
11:30 景信山 出発
12:45 陣馬山 到着
13:20 陣馬山 出発
14:50 藤野駅 到着
それでは、登山記をご覧ください。
【高尾山口駅~高尾山】冷え込む高尾山口駅を出発、稲荷山コースで高尾山へ
寒波がきていて冷え込む年末。早朝の高尾山口駅は-4℃と冷え込んでいました。まだ歩いたことのない稲荷山コース経由で高尾山へと登ります。
寒波で冷え込む高尾山口駅を出発
自宅から電車を乗り継いで、早朝の高尾山口駅に到着。さすがにこの時間、観光客はいませんが、登山者が数名、駅前のベンチで支度をしていました。
私も駅前のベンチで支度。ふだん、冬の低山は、メリノウールのアンダーに長袖のシャツ、やや厚手のフリースの3枚で登るのですが、この日は気温-4℃とかなり寒かったので、薄手のダウンを羽織ったまま出発。
少し歩いて清滝駅へ。まだケーブルカーは動いていませんが、これから試運転を開始するという旨のアナウンスがありました。始発は7時50分とのことです。
稲荷山コースの入口は、清滝駅のすぐ横にあります。いきなり階段ですが、それほど長くは続きません。
階段を登りきると、稲荷山コースの名称の由来にもなっている「旭稲荷」に到着。やはりダウンを着たまま登るのは暑かったので、ここでダウンを脱ぎました。
稲荷山を経由して高尾山山頂へ
旭稲荷から先は、やや急な登りになります。といっても、そこは高尾山。登山道としてみれば、とてもよく整備されていますし、危険箇所もないので歩きやすいです。ただ、登山道には、木の根っこや岩、石が多いので、トレッキングシューズくらいはあったほうが良いと思います。
階段も整備されていますが、それなりに急なので、登りなれていないとツラいかもしれません。
登山口から30分ほどで、稲荷山に到着。広場に屋根のない東屋があり、休憩に良い場所です。が、今日は先が長いので、休憩せずに進みます。
稲荷山から先は、少し傾斜が緩んできます。平坦なところと、登りを繰り返して標高を上げていく感じです。午前8時を過ぎて、登山道にも日が差すようになってきました。空気は冷たいですが、清々しい時間帯ですね。
高尾山山頂直下は、200段の階段があります。高尾山への最後の関門です!
高尾山口駅から1時間ちょっとで高尾山の山頂に到着! この時間、さすがに人は少なめです。
高尾山から眺める冬の富士山!
高尾山には何度も登っていますが、この時期はやはり富士山の眺めが素晴らしいです。先を急ごうと思っていましたが、しばらく富士山や景色を眺めることに。
西側が開けた展望台へ。冠雪した富士山がくっきり見えていました。空気が澄んでいるのか、手前の山並みもはっきりとしています。
富士山から少し左側へ目をやると、丹沢の稜線が見えます。左側に、どこから見ても目立つ大山、ヤビツ峠を挟んで、右側には表尾根から丹沢山、そして丹沢最高峰の蛭ヶ岳まで。1ヶ月ほど前に歩いてきた稜線を、別の山から見ると感慨深いものがありますね。
【高尾山~小仏城山】シモバシラの氷華を鑑賞して小仏城山へ
高尾山の山頂で絶景を満喫したあとは、いよいよ奥高尾縦走路へ。高尾山山頂直下でシモバシラの氷華を鑑賞したあと、一丁平を経由して、小仏城山へ向かいます。
もみじ台の北側の巻道で「シモバシラ」の氷の華を鑑賞!
高尾山の山頂から階段を下ると、奥高尾縦走路の入口の看板があります。ここからルートがいくつかに分かれていますが、今回は一番北のルートへ。
お目当てはこれ! 「シモバシラ」の氷の華です。「シモバシラ」というのは植物の名前です。このシモバシラの茎が枯れ、根がまだ生きているときに、根が吸い上げた水分が、茎から染み出て氷の華を咲かせるのです。茎が硬い「シモバシラ」だからこそ、このような氷の花が見られるのだそうです。
高尾山では、もみじ台の北側の巻道の両側に多く見られます。これを目当てに早朝から登ってきた方も多いようで、皆さん、盛んに写真を撮られていました。
とても美しい自然の芸術。本当にあちこちに花が咲いているようです。
こんなに群生しているところも。
高尾山で「シモバシラ」が見られるのは、12月~1月上旬頃だそうです。何度も氷華をつくるうちに茎の繊維が壊れてしまい、見ることができなくなってしまうそうです。
富士山を眺めるのに絶好の展望台!「一丁平園地展望デッキ」
もみじ台からのルートと合流して、先へと進みます。
少し登ると「一丁平」という広場があります。トイレやベンチが整備されていて、休憩している人も多く見かけるところです。
その一丁平から少し登ったところに「一丁平園地展望デッキ」があります。ここは、富士山を眺めるのにぴったりの展望台。
「一丁平園地展望デッキ」からの富士山です。高尾山から見る富士山とは少しだけ角度が違います。展望デッキに登らなくても先に進むことはできますが、多くの方はこの絶景を眺めに登ってきます。
小仏城山で小休止
高尾山から1時間もかからずに小仏城山に到着。シモバシラの氷華や、一丁平展望デッキからの景色を眺めながら歩けば、あっという間です。
お天気のよいお昼時は大勢の人で賑わう小仏城山ですが、この時間、まだ閑散としています。
小仏城山からも、富士山を眺めることができます。少し標高が上がったせいか、見る角度のせいか、少し下のほうまで見えるようになってきました。
関東平野の街並みもきれいに見えていました。都心方向は、冬でも霞んでいることが多いのですが、この日は空気が澄んでいたせいか、くっきりと見えました。
小仏城山のベンチで小休止。行動食にソイジョイを食べました。歩いているとそうでもないのですが、休んでいると風が冷たくて寒いですね。
小仏城山の山頂標柱の近くにあった天狗の像ですが、朽ち果てて倒壊してしまったそうで、新しい像が広場の中央付近にありました。小仏城山といえば、この天狗なんですよね。
【小仏城山~景信山】関東平野の眺めが素晴らしい景信山へ!
小仏城山からは、小仏峠までいったん下り、景信山へと登り返します。奥高尾縦走路でも、比較的アップダウンが多い区間ですが、登り切った景信山山頂からの景色は最高です。
相模湖を眺めて小仏峠まで下る
小仏城山を出て少し下ると、相模湖を眺められるポイントがあります。ベンチもありましたが、先ほど休憩したばかりなので、ここはスルー。
やはり昨夜は冷え込んだのか、この時間でもまだ日陰には霜柱が多く残っていました。
ひとしきり下ると小仏峠に到着。小さな広場の真ん中でタヌキの置物がお出迎えしてくれます。小仏トンネルの上にある峠ですが、地図を見ると、中央本線の小仏トンネルの真上のようです。中央道の小仏トンネルはもう少し北側のようです。
小仏峠の案内図と道標です。小仏峠は、小仏城山と景信山のだいたい中間点くらいにあります。ここから先は、どちらへ向かうにしても登りですね。小仏バス停に下ることもできます。
登り返して景信山へ! 景信山でお昼休憩
小仏峠から景信山方面へは、すぐに登りになりますが、それほど長くは続きません。
途中には、このような平坦で歩きやすい道もあります。小仏峠からすぐのところと、景信山山頂直下に急な登りがある感じですね。
景信山に到着しました。小仏峠から登ってくると、景信山の下の方にある広場に出ます。ここは、富士山を眺められるポイントでもあります。富士山と相模湖を同時に眺められますね。
空いているベンチに陣取って、ここでお昼休憩にします。持参したカップヌードルに、熱湯を入れてきたサーモボトルのお湯を注いで食べます。この時期でも、アツアツとはいかなくとも、十分カップヌードルを作れるくらいの温度を保ってくれます。
カップヌードルのあとはコーヒーをいただきます。富士山を眺めながらの山頂コーヒー、何度やっても最高です。
この景信山、2年前に登山を始めたときに、初めて登った思い出の山なんですよね。小仏バス停から1時間くらいで登れたと思いますが、登りきったときに見たこの富士山の景色が目に焼き付いています。そのあとは、高尾山まで歩いて、1号路からケーブルカーで下山したのでした。
景信山は、奥高尾縦走路の中でも、関東平野の眺めが一番だと思います。この日も素晴らしい景色を眺めることができました。
都心方面もくっきり! 林立する高層ビル群やスカイツリーまでバッチリ見えました。富士山の眺めなら陣馬山が良いのですが、関東平野の眺めなら景信山ですね。
【景信山~陣馬山】歩きやすい平坦な道で陣馬山へ
景信山から陣馬山までは約5.7km。距離はそこそこありますが、途中にある小ピークを巻くことができるので、アップダウンのない、平坦な道を歩くことができます。道幅も広いところが多く、快適なトレッキングを楽しめます。
気持ちの良い歩きやすい道をトレッキング
景信山の山頂標柱は、陣馬山のほうへ向かう登山道の近くにありますので、休憩を終えて出発するときに写真を撮りました。
景信山から陣馬山までは5.7km。距離だけ見ると、高尾山~景信山の4.4kmよりもだいぶ長いのですが、景信山~陣馬山は、アップダウンが少ないので、こちらのほうが楽に歩けると思います。
景信山山頂直下の急な下りを過ぎると、平坦で歩きやすいトレイルが続きます。道幅も広め、比較的明るくて、歩いていて楽しくなるような道です。
途中に小さなピークがいくつかありますが、すべて巻道があります。登ってもたいしたことはないのですが、この先の距離を考えて、巻道を進みます。
もちろん、多少のアップダウンはありますが、いずれも緩やかですし、すぐに終わるので、ほとんど平坦といってもよいと思います。
明王峠から最後の登りで陣馬山山頂へ
あっという間に明王峠に到着。景信山から3.8kmありますが、1時間弱で到着しました。ほとんど平地を歩くのと変わらないスピードですね。それだけ道が平坦で歩きやすいということです。
明王峠からは富士山を眺めることができます。景信山から陣馬山への道は、非常に歩きやすいのですが、眺望があまりないのが難点。この明王峠は貴重な富士山ビューポイントです。少し雲が出てきましたが、まだしっかりと見えています。
明王峠を過ぎてしばらく歩くと、陣馬山への登りが始まります。この登りも、それほど急ではありません。階段が整備されているので歩きやすいです。
陣馬山山頂で富士山を眺めながら休憩!
景信山から1時間半弱で陣馬山に到着! 澄んだ青空の下、陣馬山名物の白い馬の像が映えます。
陣馬山山頂から北側を眺めると、奥多摩の山々を一望できます。右側の三角に突き出ているのが大岳山で、そこから左側へ向けて奥多摩の山並みが続いています。
西側には奥秩父の山々。
そして富士山! やはり、奥高尾縦走路の中では、陣馬山から眺める富士山が一番きれいです。
山頂で景色を眺めたあとは、山頂下の草原になっているところで休憩します。敷物を敷いて、富士山を眺めながら休憩できる最高の場所です。
富士山を眺めながら、カロリーメイトを食べて、これから下山するためのエネルギーを補給します。
【陣馬山~藤野駅】栃谷尾根を下って藤野駅へ下山
陣馬山からは栃谷尾根を通るルートで下山します。途中、「陣馬登山口」というバス停がありますが、バスの時間まで30分以上あったので、藤野駅まで道路を歩いてしまいました。
栃谷尾根経由で下山
とても気持ちの良い陣馬山山頂から下山するのは名残惜しいのですが、このあとは温泉に行く予定なので、そろそろ下山しましょう。
栃谷尾根経由で陣馬登山口バス停に下りる予定ですが、山頂からのルートが少々わかりにくかったです。少し景信山方面へ戻ります。
すぐに「栃谷」「藤野駅」方面への道標があるので、それに従って下ります。
最初は広めの階段を下っていきます。このあたりは、奥高尾縦走路の道と同じく歩きやすいですね。
階段が終わると、ザレた道をジグザグに下っていくようになります。このあたりはかなり急なので、滑らないように注意して下ります。陣馬山をこのルートで登る場合は、このあたりが最もきつそうです。
陣馬山山頂から栃谷の集落へ下る途中にも、少しだけですがシモバシラの氷華がありました。日陰になっているせいか、午後になってもきれいに残っていました。
少し傾斜がゆるくなり、道幅も広くなりますが、落ち葉が地面を隠してしまっていて歩きづらかったです。慎重に下っていきます。
栃谷集落から車道を歩いて藤野駅へ
山頂から30分も下ると、登山道が終わり、斜面に畑が広がる集落に出ます。このあたりが栃谷の集落なのでしょうか。
車道に出ました。ここから先は、バス停まで車道を歩いていきます。車道といっても、かなり傾斜が急で、道はジグザグになっています。
車道を30分ほど下ると、陣馬登山口のバス停に出ました。次のバスまで30分ほどあったので、藤野駅まで歩いてしまうことにします。藤野駅までは約2km、ゆっくり歩いて30分程度でしょう。
多少のアップダウンがありつつも、車道をのんびり歩いていきます。最後の難所(?)は、藤野駅の少し手前のこのトンネル。一応、歩道があるのですが、ガードレールや段差がないので、車が通るとちょっと怖いです。ささっと抜けてしまいましょう。
15時少し前、無事に藤野駅に到着! 高尾山口駅から21.6km、所要時間は休憩込みで7時間半ほどでした。
藤野やまなみ温泉で温泉とビール!
登山はここで終わりですが、その後、藤野駅から路線バスで「藤野やまなみ温泉」へ向かいました。路線バスにゆられること20分ほどで、「 藤野やまなみ温泉」に到着です。
陣馬山の帰りに立ち寄りたいと思っていたのですが、なかなか機会がなく。令和4年に施設修繕工事を実施するために長期休館になるとのことで、この機会に訪問したというわけです。
まずは汗を流す、というより、冷えた体を温めるために温泉へ。ナトリウム・カルシウム-塩化物・硫酸塩泉で、100%源泉のみを利用しているとのことで、しっかり温まることができました。
温泉のあとはビールで乾杯! 最高の瞬間です(笑)
たくさん歩いておなかが空いたので、生姜焼き定食も注文。おいしくいただきました。
このあとは、再び路線バスで藤野駅に戻り、中央線の普通列車を乗り継いで帰宅しました。
奥高尾縦走路は長距離をのんびり歩きたいときにおすすめのコース
1年半ぶりに奥高尾縦走路を歩いてきました。登り始めはかなり寒かったですが、歩き始めればそれほど寒さを感じませんでした。冬の澄んだ空気の中を歩くのは清々しくて良いですね。
奥高尾縦走路は、登山道が非常によく整備されていますし、途中にトイレや茶屋もあるので、登山初心者でも安心して歩くことのできるコースです。
とはいえ、すべて歩くと20km近くなるので、何度かに分けて歩くのがよいと思います。私も、最初は景信山~高尾山、その次に陣馬山~景信山と歩いてから、陣馬山~高尾山の縦走に挑戦しました。朝早めに登り初めて、ルート上のエスケープルートとバスの時刻をチェックしておいて、歩けるところまで歩いてみる、というのでもよいと思います。
高尾山から小仏城山や景信山まで歩く人が多いのですが、静かな山歩きを楽しみたければ、景信山~陣馬山の区間がおすすめです。上の登山記でも紹介したように、アップダウンが少なくてとても歩きやすいです。陣馬山の登りは少しキツいので、その点だけ注意です。景信山から陣馬山へと歩けば、陣馬山からは下りになるので楽だと思います。
今回の登山装備
- メリノウールの長袖シャツ(モンベル)
- 化繊の長袖Tシャツ(ワークマン)
- フリース(モンベル)
- コンパクトダウン(ユニクロ)
- トレッキングパンツ(モンベル)
- メリノウールのタイツ(ワークマン)
- 登山用靴下(FITS)
- 登山靴(AKU)
- ザック(グレゴリー ZULU30)
- レインウェア上下 ※利用せず
- 膝サポーター(ザムスト EK-3)
- トレッキングポール(シナノ) ※利用せず
- 飲み物(アルパインサーモボトルに入れた熱湯750ml+ペットボトル600ml)
- 行動食
- ランチ(カップヌードル)
- ファーストエイドキット
- ヘッドライト
登山開始前は、-4℃まで冷え込んでかなり寒かったのですが、歩き始めてからは、メリノウールの長袖シャツ、化繊の長袖シャツ、フリースの3枚で十分でした。ダウンを着たのは、電車での移動中と、登り始めの30分ほどでした。
高尾山や景信山、陣馬山の山頂は、風がほとんどなかったので、思ったほど寒くはありませんでした。陣馬山の山頂は、お昼過ぎということもあってぽかぽか陽気でした。
各ピークの山頂以外は、基本的に樹林帯を歩くので、風の影響はそれほど受けないと思います。とはいえ、山頂での休憩時に風があると寒いので、防寒着を持っていくとよいと思います。
以上、「【奥高尾縦走】シモバシラの氷華と富士山の絶景を眺める山旅! 高尾山口駅から藤野駅へ21kmの長距離ハイク!」でした。2021年の登り納めにふさわしい好天に恵まれて、楽しい登山になりました。
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