6月上旬、外出自粛が解除されたあと、久々のハイキングに選んだのは陣馬山~高尾山の奥高尾縦走路。尾根筋の道なので、いったん登ってしまえばアップダウンも少なく、快適な山歩きができるコースです。とはいえ、すべて歩くと18km以上と、かなり歩きごたえがありました。
奥高尾縦走路とは?
奥高尾縦走路は、高尾山から西側に続く尾根道のことで、小仏城山、景信山、陣馬山などのピークが連なります。いずれも標高600~800メートル程度の低山で、登山道も整備されていますので、登山初心者にも安心のコースです。
途中でバス停などへ下山できるコースも多いので、その日の体調や疲れ具合によって柔軟にコースを変更できるのも安心です。
今回歩いてきたのは、高尾山の西側にある陣馬山に登り、景信山、小仏城山などのピークを経由して、高尾山まで。陣馬山への登りと、高尾山から高尾山口駅までの下山を含めると、18km以上にもなるロングコースでした。
陣馬山~高尾山 奥高尾縦走のルートと行程
今回の登山コースと行程は以下の通りです。
- 06:55 高尾駅から陣馬高原下行きのバスに乗車
- 07:30 陣馬高原下バス停に到着
- 07:40 登山開始
- 08:00 陣馬山登山口
- 08:50 陣馬山山頂
- 09:20 陣馬山 出発
- 10:00 明王峠 通過
- 11:00 景信山 到着(ランチ)
- 12:00 景信山 出発
- 12:30 小仏峠 通過
- 12:50 小仏城山 到着(小休憩)
- 13:05 小仏城山 出発
- 13:50 高尾山 到着
- 14:20 高尾山 出発
- 15:20 高尾山口駅 到着
今回は距離優先で、景信山や小仏城山などの主要なピーク以外は、すべて巻き道を通りピークはスルーしました。それもあってか、累積標高は登り下りともに約1,300メートル。距離のわりにはアップダウンの少ない行程でした。
陣馬高原下バス停からスタート!
6時55分の陣馬高原下バス停行きのバスに乗車。登山客10名程度に、高校生数名など、座席がほぼ埋まるくらいの乗客。30分ちょっとで陣馬高原下バス停に到着しました。
陣馬高原下バス停にはトイレや自販機もあり、みなさん登山支度を整えています。6月上旬のこの日は、最高気温が30℃との予想でしたが、午前7時台でも日差しがかなりキツイ感じでした。日焼け止めを塗って、準備運動もして、出発です。
しばらく沢沿いの車道を登っていくと、左手に陣馬山への登山口が現れます。バス停から登山口までは20分ちょっとといったところでしょうか。
【陣馬山】沢沿いの緩やかな登り坂のあとはいきなりの急登へ
最初は沢沿いの緩やかな道を歩いていきます。直射日光は暑かったですが、登山道は緑に覆われて日陰になっていることや、沢沿いで空気がひんやりとしていることもあって、快適に歩いていきます……
が、10分もしないうちに沢から離れ、急登へ。外出自粛明け、3か月ぶりの登山でいきなりこの急登はキツイ…
木の根っこがすごいですね。根っこの間に一歩一歩足を置きながら、ゆっくり登っていきます。汗が噴き出してきますので、適宜水分を取りながら。
陣馬山ヘは、昨年の12月にも登っていますが、そのときは神奈川県側の藤野駅からアクセスする「一ノ尾根コース」を登りました。こちらは距離が長いものの、急登は山頂直下のみでした。それに比べると、陣馬高原下からのコースは、距離も所要時間も短いですが、ずっとこのような急登の連続です。
とはいえ、これはキツイと思い始めたころに山頂に到着するのが低山の良いところ(笑) 陣馬山の登山口から約1時間で、陣馬山山頂に到着しました。
この日は雲が多め、湿度も高めで、全体的に霞んでいる感じで眺望は良くなかったです。時期的に仕方がないかもしれませんね。
これは12月に登った時の写真。富士山までバッチリ見えます。眺望を期待するなら、秋~冬の空気が澄んだ時期がおすすめです。
平日ということもあってか、山頂は人が少なめ。それほど数が多くないテーブルを難なく確保して、おやつに持ってきた羊羹を食べました。
周りを見ると、2~3名のグループで登ってきた方々は、料理をして乾杯していました。まだ午前9時なのに(笑) まあ、それも山登りの良いところ。
【陣馬山~景信山】平坦な気持ちの良い樹林帯の山歩き!
トイレを済ませて、午前9時20分、景信山へ向けて出発します。
陣馬山から景信山へは約5.7km。かなり長い区間ですが、今回の縦走路では陣馬山の標高が最も高いので、基本的には下り基調です。陣馬山~景信山の尾根道は、眺望こそあまりないものの、アップダウンも少なくて歩きやすい道が整備されているため、登山初心者にはおすすめです。
こんな快適な道が続いていきます。新緑から深緑への移り変わる初夏。木漏れ日がきれいでした。ほぼ平坦な道なので、汗もかかず、風が吹くと爽やかです。
登山道の脇にはヤマツツジが咲いていました。もう終わりかけでしょうか。他ではあまり見かけませんでした。
陣馬山から40分ほどで明王峠に到着。お茶屋さんやテーブルとベンチがあるので、休憩するにはよいところですが、先ほど休憩したばかりなので今回はスルー。平日だからなのか、お茶屋さんは営業していないみたいでした。
途中、少し開けたところもありますが、直射日光が当たると途端に暑くなりますね。ささっと通り抜けて、快適な樹林帯へ。
陣馬山と景信山の間には「堂所山」(どうどころやま)というピークがありますが、今回はスルーして巻き道へ。前回、陣馬山~景信山を歩いたときは堂所山へも登りましたが、眺望はあまりなかったはず。頂上にはベンチがあるだけです。
このコースには巻き道が多くあるので、アップダウンが少ないほうがよければ巻き道を行くのがよいでしょう。
ちなみに、堂所山からの道を振り返ってみるとこんな急坂! 今回は体力温存のために回避しました。
どんどん巻いていきます(笑) 巻き道には、たいていこのような道標があるので、積極的に利用したいです。
景信山直前は階段など急な登り坂がありますが、登り切れば山頂です。陣馬山から約1時間40分ほど、ほとんど休憩を取らずに歩き続けてきました。
【景信山】風が吹き抜ける頂上でランチ! 眺望はイマイチでした
景信山からは、関東平野の街並みと富士山を眺めることができるのですが、この日はやはり眺望はイマイチ。東京方面の街並み、かろうじて見えるものの、かなり霞んでいました。富士山は残念ながら雲の中。
おなかもすいてきたので、ここでカップヌードルのランチにします。日差しが強いので、日陰になっているテーブルに陣取って、1時間ほど休憩しました。
ちょうどお昼時でしたが、人出はまばら。緊急事態宣言が出てから営業を休止していたお茶屋さんも、まだ営業再開していないようでした。
景信山へは小仏バス停から登るのが一般的です。小仏バス停までは1時間もあれば着きますし、バスに乗ればすぐに高尾駅へ。とはいえ、今日はまだ時間もあるので、高尾山まで歩きます。
高尾山の山頂までは4.4km。陣馬山~景信山よりも距離は短いのですが、若干のアップダウンがあります。
【景信山~高尾山】アップダウンのある尾根道を歩く
景信山山頂からは急な下り坂へ。陣馬山~景信山の登山道と比べると、道幅も狭めなので、注意していきましょう。
30分ほどで小仏峠に到着。中央自動車道の渋滞の名所?「小仏トンネル」の上にある峠です。JR中央本線の小仏トンネルもこの峠の下を通っています。
小仏峠はちょっとした広場のようになっています。広場の真ん中では、タヌキの置物が出迎えてくれます。
ベンチもありますが、まだ景信山から30分しか歩いていないので、休憩せずに先を急ぎます。
小仏峠から少し歩くと、眺望の開けたところへ出ます。相模湖を見渡すことができます。ちょっと霞んでいましたが、何とか見ることができました。右側の道路は中央自動車道ですね。
さらに15分ほど歩くと、小仏城山への階段が現れます。頑張ってここを登り切れば山頂です。
小仏城山の山頂には、ベンチやテーブルがたくさんあります。お茶屋さんもありますが、この日は営業していませんでした。
景信山~高尾山のほぼ中間にあるので、高尾山から小仏城山まであるいて往復する方も多いようです。
ちょっとだけ休憩して、先を急ぎます。
登山道の脇にはアヤメが咲いていました。何か所かで見かけましたが、この時期の花ですね。鮮やかな紫色が、緑の多いこの時期の登山道ではひときわ目立ちます。
少し歩くと見晴らしの良い一丁平へ。やはり霞んでいて眺望はイマイチでした。空気が澄んでいれば、富士山も見えるはずなんですが…
アップダウンがそれなりにある景信山から高尾山へのコースですが、最後の山場が、高尾山山頂直前にあるこの石段。ここまでかなり歩いてきて疲れているうえに、この石段、結構急で長いんですよね。息も絶え絶えに登っていきます。
午後2時ちょっと前に、ようやく高尾山に到着しました。ビジターセンターやお店が多くあって、観光地になっている山頂ですが、この日はさすがに人もまばらでした。それでも、登山装備のない観光客の方々も見かけます。
【高尾山】沢沿いの登山道、6号路で下山
人もまばらな高尾山山頂。普段の賑わいからは想像できませんね。天気もそこそこ良いのに、こんなに空いている高尾山は、なかなか見られるものではありません。
小休止もかねて、売店でソフトクリームを購入。ここまでで15キロ近く歩いてきましたが、疲れた体に糖分補給です。
高尾山山頂からの風景。街に近いだけあって、霞んでいてもそれなりに街並みが見えました。八王子~相模原あたりの風景でしょうか。
一方、富士山は相変わらず見えず。
下山は6号路から。最初は木の階段をどんどん降りていきます。若干、膝が怪しくなってきたので慎重に下っていきます。
木の階段を降り切ると、沢沿いの登山道へ。沢沿いというか、ほぼ沢の中を歩くようなところもあり、岩が湿っているのでとても滑りやすいです。慎重に進んでいきます。
勾配は緩やかなので、沢のせせらぎを聞きながらゆっくりと下っていきます。
さすがに高尾山だけあって、途中で多くの観光客とすれ違いました。登山装備がなくても登れますが、足元が滑るので、トレッキングシューズくらいはあったほうがよさそうです。
1時間ほどで6号路の登山道の入口まで下山しました。このあとは車道を少し歩いていきます。
午後3時20分、陣馬高原下のバス停を出発してから7時間40分かけて、陣馬山から高尾山までの縦走路を完歩しました。
汗だくになったので、高尾山口駅前の「京王高尾山温泉 極楽湯」へ。温泉で汗を流してから、座敷でビールと天ざるで〆ました。
登山初心者でも歩きやすい陣馬山~高尾山の奥高尾縦走路、アクセスのしやすさも魅力的!
ということで、一度歩き通してみたかった陣馬山から高尾山までの奥高尾縦走路を歩いてきました。
新型コロナウイルスの影響で、3ヵ月以上、ハイキングや登山から遠ざかっていましたので、リハビリもかねて都内の山へ、と思って行ってきました。疲れたら景信山あたりで下山してもいいかな、考えていましたが、天気も良く、調子も比較的良かったので、高尾山まで歩くことができました。
尾根道とはいえ、基本的には樹林帯の中なので、眺望がきくところは多くありません。ただ、陣馬山、景信山、小仏城山など、主要なピークでは、関東平野や富士山を一望することができます。
陣馬山~高尾山を全部歩くとかなりのロングコースになりますが、陣馬山~景信山や、景信山~高尾山であれば、登山初心者にもちょうど良い距離と難易度です。高尾山だけでは歩き足りない方におすすめです。
今回の登山装備
- 長袖Tシャツ(モンベル)
- ポケッタブルパーカー(ユニクロ)
- トレッキングパンツ(モンベル)
- スキー用靴下
- トレッキングシューズ(AKU)
- ザック(グレゴリー ZULU30)
- レインウェア上下
- トレッキングポール(シナノ)
- 膝サポーター(ザムスト EK-3)
- アルパイン サーモボトル 0.75L(モンベル)
- 500mlペットボトル3本
今回はとにかく暑かったです。陣馬山の急登は汗だくになり、水を大量に飲みました。途中のお茶屋さんは閉まっているところが多かったので、飲み物をたくさん持って行ったほうがいいですね。
ここ何回かの登山で膝痛に悩まされていたので、ザムストの膝サポーター(EK-3)を購入しました。よく膝痛になる右ひざにだけ付けていましたが、かなり効果があったようで、ほとんど膝痛にはなりませんでした。むしろ、サポーターを付けていなかった左膝が怪しくなり、途中でサポーターを左膝に付け替えたら、だいぶ楽になりました。もう一つ買おうかしら。
以上、「【高尾】陣馬山~高尾山 初夏の奥高尾縦走! 低山ながら18km以上の歩きごたえのあるコースです!」でした。3か月以上のブランクのあとのハイキングとしてはかなりの長距離でしたが、何とか歩ききることができました。高尾山だけでは物足りない方には、奥高尾縦走路の一部だけでも歩いてみることをおすすめします。
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