東京からの日帰り登山で、秋冬の楽しみが山頂からの富士山の眺め。特に空気が澄んでいる冬は、富士山を眺めることを目的に登る山を選んでいます。この記事では、東京から公共交通機関利用で日帰りで登れる富士山ビューのおすすめの山を紹介します。いずれも、私が登ったことのある山ばかりで、自信をもっておすすめできます。
※体力度、技術度は私の個人的な主観でつけていますので、参考程度してください。
【金時山】手軽に登れる富士山ビューの山! 下山後は温泉も!
金時山は、箱根火山の外輪山の最高峰。最高峰と聞くと登るのが大変そうですが、標高は1,212メートル。登山口の一つ「金時神社入口バス停」からのコースタイムは約1時間半。危険なところもないため、登山を始めたばかりの初心者にもおすすめです。
金時山の山頂から富士山までは、遮るものが何もないため、すそ野まできれいな富士山を眺めることができます。
登山口は箱根の仙石原に近いため、下山後は温泉に入ることもできます。
登山口はいくつかありますが、都心からアクセスしやすいのは、高速バスのバス停がある「金時神社入口」または「乙女口」です。どの登山口から登っても、コースタイムに大差はありません。都心からは、バスタ新宿から小田急箱根高速バスの「桃源台行き」に乗車すれば、上記のバス停まで直行できます。
- 登山コース: 金時神社入口バス停~金時山~金時神社入口バス停
- コースタイム: 約2時間50分
- 距離: 約4km
- 累積標高: 520メートル
- 体力度: ★☆☆☆☆
- 技術度: ★☆☆☆☆
乙女口の登山口から金時山に登り、足柄峠方面へ下るコースで歩いた時の記録です。
金時神社入口バス停から金時山に登り、明神ヶ岳まで縦走。その後、強羅へと下山したときの記録です。かなり距離がありますので、少し登山に慣れてから挑戦することをおすすめします。
【大平山・石割山】山中湖畔の富士山絶景ルート!
山中湖の北岸に並ぶ大平山と石割山からは、山中湖越しにすそ野まできれいに富士山を眺めることができます。富士山から近いだけに、迫力のある富士山を眺めることができます。
大平山は標高1,295メートル、石割山は1,413メートルと、それなりに標高がありますが、山中湖畔の登山口の標高が980メートルなので、標高差は400メートル程度。ふたつの山を縦走するコースを歩いても4時間程度ですので、登山初心者にもおすすめです。
都心からは、山中湖行きの高速バスが便利です。私が登った時は、バスタ新宿から山中湖行きの高速バスに乗り、約2時間の「富士山山中湖バス停」で下車しました。山中湖畔を歩いて登山口まで行けます。
- 登山コース: 大出山登山口~大平山~石割山~平野
- コースタイム: 約4時間
- 距離: 約10km
- 累積標高: 720メートル
- 体力度: ★★☆☆☆
- 技術度: ★★☆☆☆
大平山~石割山登山の様子は、以下の記事で詳しく紹介しています。ぜひご覧ください。
【陣馬山】奥高尾縦走路の最高峰、陣馬山頂からの富士山の眺めは絶景!
陣馬山は、神奈川県と東京都の都県境にある標高855メートルの山です。JR中央本線の高尾駅または藤野駅からバスで登山口までアクセスできます。都心から近いにもかかわらず、山頂からの眺めが素晴らしいので人気の山です。
陣馬山を単独で登ってもいいですし、奥高尾縦走路を歩いて、景信山~高尾山とつなげて歩くのもおすすめです。高尾山から陣馬山まで歩くと約18kmとかなりの距離がありますが、アップダウンはそれほど多くないので、快適に歩けます。
山頂は広々としています。名物の白馬のモニュメントがあるところにはテーブルやベンチがありますし、階段を下りたところは芝生になっていて、敷物を敷いてのんびりできます。売店やお茶屋さんもあります。
- 登山コース: 陣馬新新道登山口~陣馬山~陣馬新道登山口
- コースタイム: 約2時間50分
- 距離: 約6km
- 累積標高: 650メートル
- 体力度: ★★☆☆☆
- 技術度: ★☆☆☆☆
以下の記事は高尾山口駅から高尾山~景信山~陣馬山~藤野駅と歩いた時の記録です。12月末のお天気の良い日に歩いたので、それぞれの山から富士山がとても良く見えました。
【扇山・百蔵山】秀麗富嶽十二景の入門コース、駅から直接登れる富士山ビューの山!
富士山がよく見える山として大月市が定めた「秀麗富嶽十二景」という山(山域)があります。富士山に近い大月市のお墨付きがある山々ですので、お天気の良い日に登れば、山頂から素晴らしい富士山を眺められることは間違いありません。
そんな秀麗富嶽十二景の中でも、比較的歩きやすく、アクセスも良い山としておすすめなのが、秀麗富嶽十二景の六番「扇山」(おうぎやま)と七番「百蔵山」(ももくらやま)です。ふたつの山はお隣同士ですので、日帰りで両方の山を縦走することができます。
扇山はJR中央本線の鳥沢駅から、百蔵山は同じく猿橋駅から歩いて登ることができます。鳥沢駅からスタートして、扇山~百蔵山と縦走して、猿橋駅へ下りるコースがおすすめです。
扇山は1,138メートル、百蔵山は1,003メートルの山ですが、鳥沢駅、猿橋駅の標高は300メートルほど。標高差が700~800メートルありますし、ふたつの山を縦走するためにアップダウンもあります。距離も比較的長いため、少し登山に慣れてから登ることをおすすめします。
- 登山コース: 鳥沢駅~扇山~百蔵山~猿橋駅
- コースタイム: 約7時間
- 距離: 約14km
- 累積標高: 1,200メートル
- 体力度: ★★★☆☆
- 技術度: ★☆☆☆☆
このコースを12月下旬に歩いてきた時の記録を、以下の記事で公開しています。お天気に恵まれて、扇山、百蔵山の山頂から素晴らしい富士山を眺めることができました。
【塔ノ岳】山並みの向こうに堂々とした富士山を望む!
表丹沢の人気の山、塔ノ岳。これまでに紹介した山と比べると、富士山からは少し距離がありますので、迫力のある富士山を眺めることはできません。それでも、塔ノ岳をおすすめするのは、上の写真のように、丹沢の山並みの向こうに、きれいな富士山を眺めることができるからです。手前の山並みも含めて、この景色は私のお気に入りの一つです。
塔ノ岳は都心からのアクセスが良いため、お天気の良い週末は大勢の登山客で混雑します。ただ、山頂はとても広いため、座る場所がないということはありません。
アクセスのよい大倉バス停(小田急線の渋沢駅からバスで約15分)から、大倉尾根を登るのがおすすめです。が、登山口と山頂の標高差は1,200メートル。階段がひたすら続くため、技術的には難しくはありませんが、体力がかなり必要になります。
- 登山コース: 大倉バス停~塔ノ岳~大倉バス停
- コースタイム: 約6時間
- 距離: 約14km
- 累積標高: 1,320メートル
- 体力度: ★★★★☆
- 技術度: ★★☆☆☆
塔ノ岳山頂にある尊仏山荘に宿泊したときの記録です。大倉尾根の様子を写真入りで詳しく紹介しています。
東京に雪が降った翌日、大倉尾根から塔ノ岳に登った時の記録です。
他にも、鍋焼きうどんで有名な鍋割山へと縦走したり、日本百名山の丹沢山、神奈川県最高峰の蛭ヶ岳へと縦走したりと、体力や経験に応じたさまざまなルートを楽しむことができます。
【三ツ峠山】河口湖畔にそびえる富士山ビューの山! 三つ峠駅からのルートは急登続き!
河口湖のすぐ東側にある三ツ峠山。富士山との間に遮るものがない、富士山ビューの山です。富士山からも近いため、山頂からは迫力のある富士山を眺めることができます。
三ツ峠山は、その名のとおり、木無山、御巣鷹山、開運山という3つのピークから成り立っています。写真の山頂は、3つのピークのうちの最高峰「開運山」です。
三ツ峠山は、さまざまなコースで登ることができます。もっとも楽なのは、三ツ峠山の北西側にある「三ッ峠登山口」のバス停からのピストンです。コースタイムは2時間半ほどで、累積標高も530メートル。登山口から山頂までは1時間半もかかりません。
一方、三ツ峠山の南側にある富士急行線の三つ峠駅からも登ることができます。こちらは標高差1,200メートル、コースタイムは8時間以上と、健脚向けのコースとなります。
以下のデータは、三つ峠駅からのピストンで登った場合です。
- 登山コース: 三つ峠駅~三ッ峠山(開運山)~三つ峠駅
- コースタイム: 約8時間
- 距離: 約15km
- 累積標高: 1,430メートル
- 体力度: ★★★★☆
- 技術度: ★★☆☆☆
11月中旬に、河口湖の近くの新倉山浅間公園から三ツ峠山に登り、三つ峠駅に下山するコースで歩いた時の記録です。新倉山浅間公園は紅葉の名所で、11月に見ごろを迎えます。
【小金沢連嶺】富士山を見ながら2000メートル級の稜線歩きを楽しめる!
大菩薩嶺の南側から南北に連なる小金沢連嶺は、2000メートル級の稜線歩きを楽しめる山並みです。小金沢山、牛奥ノ雁ガ腹摺山、大蔵高丸、ハマイバ丸、滝子山と秀麗富嶽十二景の山が実に5つもあります。
小金沢連嶺は富士山のちょうど真北に位置します。つまり、もっとも北側の小金沢山から(あるいは大菩薩嶺から)南へ向かって歩くと、目の前に富士山を眺めながら歩けるというわけです。
小金沢山から滝子山まで歩くとかなりの距離になりますが、林道を経由してエスケープできるルートがありますので、小金沢山~牛奥ノ雁ガ腹摺山、大蔵高丸~ハマイバ丸などに分けて歩くこともできます。体力や時間にあわせてコースをプランニングできます。
- 登山コース: 小屋平バス停~小金沢山~ハマイバ丸~やまと天目山温泉
- コースタイム: 10時間以上
- 距離: 約20km
- 累積標高: 1,400メートル
- 体力度: ★★★★☆
- 技術度: ★★☆☆☆
4月下旬に、小屋平バス停から小金沢山に登り、牛奥ノ雁ガ腹摺山、大蔵高丸、ハマイバ丸と稜線を歩いたあと、やまと天目山温泉に下ったときの記録です。
以上、「【富士山ビューの山】東京から公共交通機関で日帰り可能! 富士山ビューのおすすめの山!」でした。冬の好天を狙って、日帰りで富士山を眺められる山に登ってみてはいかがでしょうか。
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