奥多摩三山の一つ、大岳山に登ってきました。御岳山からアクセスすれば2時間ほどで登れる山ですが、今回はがっつり歩きたかったので、奥多摩駅から鋸尾根を登りました。下山は、馬頭刈尾根を延々と歩き、瀬音の湯へ。登りも下りもかなり長くて疲れましたが、お天気に恵まれて良い山歩きになりました。
鋸尾根~大岳山~馬頭刈尾根のロングコース!
大岳山は、標高1,266メートルの山。御前山、三頭山と並ぶ「奥多摩三山」の一つですが、奥多摩三山の中ではもっとも標高が低く、登りやすい山です。
大岳山は、山頂がぼこっと飛び出た形をしていて、どこからでもよく目立ちます。山頂は西側~南側が開けていて、奥多摩三山の三頭山や御前山、そして、富士山を望むことができます。
大岳山には、御岳山から登るコースが最もコースタイムが短くて楽なのですが、今回は奥多摩駅から直接登れる鋸尾根を登りに使いました。下山は、南東側へと続く馬頭刈(まずかり)尾根を経由して、秋川渓谷の近くにある日帰り温泉「瀬音の湯」まで下ります。
ということで、今回のコースは以下のとおりです。
YAMAPの記録によると、奥多摩駅から大岳山山頂までは約7km、標高差は900メートル強。大岳山山頂から瀬音の湯までは9km弱。全長16kmを超えるロングコースとなりました。
今回の主な行程は以下のようになりました。
- 07:45 奥多摩駅 出発
- 08:10 愛宕山(愛宕神社)
- 09:45 鋸山 到着(小休止)
- 10:00 鋸山 出発
- 11:00 大岳山 到着(お昼休憩)
- 12:05 大岳山 出発
- 12:15 大岳神社・大岳山荘(トイレ)
- 14:00 鶴脚山
- 14:15 馬頭刈山 到着(小休止)
- 14:25 馬頭刈山 出発
- 15:40 瀬音の湯 下山
YAMAPのコースタイム×0.9で計画すると、下山が17時過ぎになってしまいます。大岳山に到着した時点で、瀬音の湯の到着が16時を大幅に過ぎるようであれば、別ルートで下山することも考えていました。馬頭刈尾根には、いくつかエスケープルートがあり、払沢の滝などへ下ることもできます。
結果的には、登りでかなり時間を稼いだおかげで、無事に瀬音の湯まで歩きとおすことができました。YAMAPの記録では、上記の行程でペースが150~170%でした。日の短い時期でしたので、これでも暗くなる前、ギリギリに下山できたという感じですね。
大岳山登山口への公共交通機関でのアクセス
大岳山の登山口への公共交通機関でのアクセス方法を紹介します。
最もメジャーなのは、ケーブルカーの御岳山駅から歩くコースです。大岳山の山頂までコースタイムで2時間~2時間半ほどです。
- 御岳山駅
- JR青梅線 御嶽駅から西東京バス「ケーブル下」行きで約15分
- 御岳登山鉄道(ケーブルカー)で「御岳山駅」へ
今回、登りに使った鋸尾根を経由するルートは、奥多摩駅から徒歩5分ほどのところにある愛宕神社の入口から登っていきます。駅から直接スタートできるのでアクセスは抜群ですが、鋸尾根は結構長いですし、標高差も大きいです。
- 奥多摩駅(鋸尾根)
- JR青梅線 奥多摩駅から徒歩5分 愛宕神社入口
瀬音の湯は秋川渓谷にある温泉です。日帰り入浴のほかに宿泊もできます。「瀬音の湯」を経由するバスは本数が少ないので、近くにある「十里木」バス停も利用しましょう。
- 秋川渓谷 瀬音の湯
- JR五日市線 武蔵五日市駅から西東京バス「瀬音の湯経由上養沢」行き(檜52系統)
- または、武蔵五日市経由から西東京バス「数馬」「払沢の滝入口」「藤倉」行きなどに乗車して「十里木」バス停で下車、徒歩10分
路線バスの時刻表、運賃等については、西東京バスのWebサイトをご確認ください。
【鋸尾根】愛宕神社から鋸山を経由して大岳山へ!
登りは、奥多摩駅から南側に伸びる鋸尾根を登ります。序盤は樹林帯、中盤は尾根らしいアップダウンのあるところを登っていきます。鋸山から大岳山までは快適な尾根道。大岳山山頂への急登を登り切れば、山頂に到着です。
奥多摩駅をスタートして愛宕神社へ
始発電車から4本の電車を乗り継いで奥多摩駅に7時半に到着。奥多摩駅で支度を済ませて、7時45分頃に出発します。
奥多摩駅からは、下の地図のとおり、駅前の道を左へ下り、すぐの交差点を直進します。「昭和橋」で多摩川を渡ると、すぐ右側に愛宕神社の入口があります。
奥多摩駅から5分もあれば登山口に到着します。
登山口はこんな感じのところです。この階段を登り、まずは愛宕山にある愛宕神社を目指します。
木の階段が整備されて歩きやすいところを登っていくと、突然、目の前に断崖絶壁のような急な石段が現れます。188段あるそうですが、段数よりも、傾斜がすごい! 下の方はそうでもないですが、上半分はかなり急です。石段の幅も狭いので、手すりをつかみながら慎重に登っていきます。
登りきったところから石段を見下ろすとこんな感じです。これまで、鋸尾根を2回ほど下りに使いましたが、ここを下るのはさらに怖いです……。
先ほどの石段から少し登ると、境内に出ます。ここには戦没者を供養するための五重塔と平和の鐘があります。神社はもう少し先、愛宕山の山頂です。
五重塔のある広場から少し階段を登ると、そこに愛宕神社があります。ここで登山の無事を祈ってお参りをしていきます。
愛宕神社がある下の登山道は崩落があるらしく、左側へと迂回路が設けられていました。2、3年ほど前にはなかったと思うのですが、その後の大雨で崩落したのでしょうか。迂回路を通って先に進みます。
階段を下ると、愛宕神社の南側に出ます。こちら側は道路が通じていて、ここまでクルマで来ることができるようです。
先ほどの広場から少し林道のような道を進むと、登山道の入口があります。ここまではウォーミングアップのようなものでしょう。ここから本格的な登山道が始まります。
植林帯の斜面をジグザグに登り尾根へ
登山口からしばらくは、植林帯の中を歩きます。奥多摩の低山らしい植林帯の道ですね。傾斜は比較的緩やかで歩きやすいです。登りの部分には木の階段が設けられています。
すぐに斜面に付けられたジグザグな道を登っていくことになります。このあたりから、本格的な登りに差し掛かる感じです。急登というほどではないですが、それなりに登っていきます。
メリノウールのアンダーに、化繊の長袖シャツ、その上にソフトシェルを着ていましたが、だんだんと暑くなってきました。ただ、空気が冷たいので、ソフトシェルを脱いでしまうと寒いのですよね。ファスナーを開けたり、腕まくしをしたりして、温度調節をします。
ジグザグの道を10分ほど登ったでしょうか。周囲が明るくなり、登山道の様子が変わってきました。どうやら尾根に乗ったようで、ここからはアップダウンのある尾根道になるようです。ところどころ、このような岩がゴツゴツとした急登もあります。
鋸尾根が本領を発揮! 岩場・ハシゴが点在する尾根を登る
しばらく、このような岩が多いアップダウンが続きます。それほど危険なところはありませんが、急なところもありますね。
西側の木々のあい間から、お隣の山、御前山が見えました。
御前山には、奥多摩湖から登り、この鋸尾根を下ったことがあります。ずっと急登が続くルートで、かなりしんどかった覚えがあります。
そんなことを思い出しながら、先へ進みます。
傾斜が急なところには、このような階段が設置されています。そして、この階段を登ると……
少し開けた小さなピークのようなところに、天狗様が描かれた石仏が建てられていました。商売繁盛の御利益があると言われている天聖神社の奥宮のようです。お社の代わりなのか、コンクリートブロックの囲いがありました。
天聖神社の本宮は、先ほど通ってきた愛宕神社の近くにあるようですね。
後ろを振り返るような形で北側を見ると、奥多摩駅から東側へと伸びる石尾根が見えました。真ん中の山は六ツ石山のようです。鷹ノ巣山に登ったとき、奥多摩駅への下山の途中で立ち寄ったことがあります。
天聖神社の奥宮からは急な下りです。
このような短い階段を下りていきます。階段の形をしていますが、傾斜からするとハシゴです。後ろ向きで下りた方が安全です。天聖神社の奥宮は大きな岩の上にあるようで、その岩が切り立ったところを、このハシゴで下っていきます。
天聖神社の奥宮からの下りがひと段落すると、木の根っこがうねうねとした道になりました。
木の根っこエリアを過ぎると分岐があります。どちらから行ってもすぐに合流しますが、右側には「鎖場コース 足場悪し」とあります。
そういえば、以前下った時に鎖場があるのを思い出しました。その時は下りだったこともあって鎖場を避けたのですが、今回は登りなので挑戦してみることにします。
すぐにこのような鎖場があります。そこそこの高さがあり、傾斜も急です。木の根っこに足を掛けていけば登れそうだなと判断して挑戦してみます。
思ったよりも足場が悪く、かなり鎖に頼ってしまいました。木の根っこが濡れていたら止めた方がいいかもしれません。何はともあれ、無事に鎖場を登りきりました。この鎖場があるところを超えると、登山道はだいぶ落ち着いてきます。
偽ピークを超えて鋸山へ
先ほどの鎖場を超えたあとは、しばらく木の階段などが整備された、比較的歩きやすい道が続きます。ほっと一息つけるところですね。まあ、登りには変わりはないのですが。
奥多摩駅を出発してから約1時間半で、鋸山まで1.5kmの道標を通過。愛宕神社から2.5kmほど登ってきましたが、大岳山まではまだ4.8kmもあります。やはり鋸尾根は長いですね……。
先ほども道標を過ぎたあたりから、再びこのような岩が多めのアップダウンが多くなります。これを登り切れば鋸山かな? と思いつつ、まださっきの道標から1.5kmも歩いてないよなぁと思っていると……。
やはり鋸山ではありませんでした。先ほどの急登を登り切り、少し下るとまた登りへ。
登りきったところは小さな広場になっていて、三角点がありました。三角点……というより、その残骸と言った方がよさそうな感じではありますが。
このピークも鋸山ではなく、まだ先に続きます。
何度か偽ピークを超えていくと、このような分岐があります。この分岐の次のピークが本物の鋸山です。
道標の裏側には鋸山林道が通行止めとの注意書きがありました。この分岐を曲がると、林道と交差する「大ダワ」に出ます。その林道が、現在は通行止めということのようです。
この分岐から鋸山を巻くこともできますが、何度も偽ピークに騙されたので、ここまで来たら山頂を踏んでいきましょう。たしかベンチがあるので、休憩にも良さそうですし。
先ほどの分岐からは5分としないうちに、鋸山の山頂に到着! 眺望はありませんが、小さな広場になっていて、ベンチがいくつかあります。先客が3名ほどいましたので、軽く挨拶をして、空いているベンチに腰を下ろしました。
鋸山の標高は1,109メートル。奥多摩駅から800メートルほど、ほとんど休憩なしで登ってきたので、ここで少し休んでいきます。
鋸山直前の偽ピークの連続、おそらく横から見るとギザギザになっているのでしょう。それが「鋸山」の名前の由来かな?
持参したカロリーメイトを食べて、しばし休憩。鋸山から大岳山までは3kmほどありますが、標高でいえばだいぶゴールに近づいています。
快適な尾根道のあとは最後の急登を登りきって大岳山へ!
大岳山に向けて出発します。鋸山からは、いったん急坂で下ります。こればかりは仕方がないですね。周りより高いから「山」なわけで……。
5,6分ほど下ると分岐があります。鋸山を巻くと、ここで合流します。ちなみに、この分岐から御前山へも行くことができます。御前山までのコースタイムは約1時間半です。もう少し日が長い時期になったら、御前山~大岳山の縦走にも挑戦してみたいですね。
鋸山から下った後は、比較的平坦な道が続きます。西側の木々のあい間から、大きな笠をかぶった富士山が見えました。お天気が下り坂のようで、このあと、富士山は雲に覆われて見えなくなってしまいました。
鋸山から大岳山への道は明るくて快適です。以前、大岳山から下ったときに歩いたことがあるはずなのですが、その時は曇っていて、ガスも出ていたので、薄暗かったのです。お天気によってだいぶ印象が変わりますね。
ほぼ平坦なので、地上を歩くのと同じくらいの速度で歩けます。
大岳山が右前方に見えてきました。木があってわかりづらいですが、三角の特徴的な山頂が目立ちます。
大岳山まであと0.5kmのところにやってきました。ここは分岐になっていて、右へ行くと馬頭刈尾根へと抜けることができます。まあ、ここまできて山頂を踏まないなんてことはありえないので、左へ進みます。
このあたりから、登山道にわずかに雪が出てきましたね。
大岳山山頂への最後の登りが始まります。真新しい階段が整備されていて歩きやすいのですが、階段の面に雪がうっすらと付いていて滑りやすそうなので、慎重に登っていくことにします。
山頂直下はかなりの急登で、岩場のようなところもいくつか出てきます。あの山頂のぽこっと出っ張ったところをよじ登っているのでしょう。
「滑落注意」の看板があちこちにありました。急斜面なので、登山道を外れると確かに滑落しそうではあります。
山頂まで急登が続きます。ここまでひたすら鋸尾根を登ってきたあとなので、なかなかにキツイですが、山頂まではあとちょっと!
【大岳山】好天の山頂からの絶景を満喫!
午前11時ちょうどに、大岳山の山頂に到着! 奥多摩駅から3時間以上もかかりましたが、コースタイムよりもだいぶ巻いたので、山頂でゆっくりできそうです。
大岳山の山頂は西側~南側の眺望が開けています。西側には、鋸尾根の途中からも良く見えた御前山と、その左奥に三頭山も見えます。御前山と三頭山の間には、大菩薩嶺が見えています。
富士山はだいぶ雲に覆われてしまいましたが、まだうっすらと輪郭が見えていました。このあと、完全に雲に隠されてしまいましたが……。
写真右端の山は三ッ峠山、左端は御正体山です。富士山だけでなく、その周辺の山々まで一望できますね。
南側は雲が多いのですが、丹沢の稜線がわかります。写真右側のほうが西丹沢の大室山や檜洞丸、中央が丹沢主脈の蛭ヶ岳や丹沢山、左端の低木に隠されてしまっている三角の山が大山ですね。
大岳山山頂はそこそこの広さがあります。ベンチは少ないので、レジャーシートなどを持参したほうがよさそうです。
山頂中央には三角点がありました。
ということで、この絶景を眺めながらお昼にします。今日のお昼はカップヌードルのシーフード。いつもどおり、持参したお湯を注いで3分でできあがり。今年も、山頂で食べるカップヌードルのおいしいことよ。
食後のコーヒーも。山頂は寒いのかと思ったのですが、風がほとんどなく、日差しがとても暖かいです。ぽかぽかとしていて、途中でザックにしまったフリースを羽織ると暑いくらいです。
お腹が満たされたこともあって、うとうとしてしまうほどの陽気です。
そんな調子で、1時間ほど山頂でのんびりしました。3年前に登ったのも同じような時期でしたが、そのときは山頂は真っ白で何も見えませんでした。今回、無事にリベンジとなりました。
【馬頭刈尾根】アップダウンが多くひたすら長い馬頭刈尾根を瀬音の湯へ
大岳山からの下山は、馬頭刈尾根を下ります。まだ歩いたことがないルートだったのと、歩ききればそこに「瀬音の湯」があるのが選定理由です(笑)。かなり距離がある上に、馬頭刈山まではいくつものピークを通過していくのでアップダウンも多め。侮れないルートでした。
大岳神社・大岳山荘へ
大岳山山頂の道標です。「御岳山・馬頭刈尾根」とあるほうへ下っていきます。山頂の南側を直接馬頭刈尾根方面への道に下るルートもあるようですが、道標がないですね。トイレにも寄りたかったので、御岳山方面へ少し下ります。
山頂直下の急坂を下り終えると、少し雪が増えてきました。チェーンスパイクが必要なほどではありませんが、やや滑りやすいので、注意して下っていきます。
少し下ると、大岳神社がありました。もう雪は全くありません。雪があったのは、大岳山の山頂直下だけですね。山頂は日当たりが良いせいか、全く雪はありませんでした。少しぬかるんではいましたが。
大岳神社の立派な鳥居です。
大岳神社の少し下には、大岳山荘があります。すでに営業を終えて閉鎖されています。山荘の周りに鉄パイプで枠組みが作られていましたが、これは解体中なのでしょうか?
大岳山荘のすぐ横には、立派なトイレがあります。ここでトイレをお借りしました。
トイレの横にはヘリポートもあります。立ち入り禁止となっていました。大岳山荘を解体したあとに、廃材をヘリコプターで下ろすのでしょうか。
緩やかな下りが続く馬頭刈尾根を下って富士見台へ
大岳神社と大岳山荘の間に分岐があります。「馬頭刈尾根」とある方へ進みます。
大岳山の山頂の南側を巻くような道をしばらく歩くと分岐があります。大岳山山頂の手前にあった分岐を「馬頭刈尾根」方面へ行くと、ここに出てくるようです。
しばらくはほぼ平坦な道が続きます。ずっとこんな道ならいいのですが、そうはいかないのですよねぇ……。
先ほどの分岐から15分ほどで、また分岐があります。白倉のバス停に下りることができる分岐です。白倉バス停からは武蔵五日市駅行きのバスに乗れますが、1時間に1本以下しかないので、バスの時刻には注意です。
この先も、バス停に直接下りることのできるエスケープルートがあります。時間的に日没までに下山が厳しくなったら、このエスケープルートを使うことを考えていましたが、まだまだ時間はありそうなので、馬頭刈尾根を下ります。
2分ほどでまた分岐があります。ここは先ほどの分岐とは反対に尾根の北側を下って、大岳鍾乳洞へ出ることができるようです。
分岐はたくさんありますが、道標がしっかりあるので、迷うことはないでしょう。
ベンチが置いてある休憩所がありました。ここは西側が開けているビュースポットですので、少し休憩していきます。
たぶん、真ん中に富士山がドーンと見えるのでしょうけれど、もう完全に雲の中でした。残念……。
最初、ここが「富士見台」かなと思っていたのですが、どうやら違うようです。でも、こちらの方が眺望はよかったですね。
木々のあい間から、先ほどまで山頂でゆっくりしていた大岳山が見えました。いつ見ても特徴的な山ですよねぇ。
富士見台に到着。東屋やベンチがありました。東屋に先客が1名いましたが、休憩することにします。
本来ならば?ここから富士山が見えるようです。でも、先ほどのベンチがあったところほうが広く開けていますね。軽く水分補給をして、先へ進みます。
予想していたよりも巨大な「つづら岩」
ここまではほぼ平坦か緩やかな下り坂の歩きやすい道が続いていましたが、この先は登り返しも増えてきます。ところどころに大きな岩があり、それを超えていったり、回り込んで通過したり……。
北東側が開けているところからは、御岳山が見えました。山頂の建物は武蔵御嶽神社、中腹の建物は宿坊やお土産屋、飲食店かな? 右奥には関東平野も見えました。
基本的に樹林帯の道なので眺望はあまりありませんが、この時期は木に葉っぱがないので、木のあいまから景色を眺めることができますね。
2連続の短いハシゴを登ります。下るのではなく登ります。このあたりから、下っているのか、登っているのか、だんだんわからなくなってきます。
「つづら岩」に到着。富士見台で休憩していたお兄さんに聞いたら、「つづら岩に登ると景色がいいですよ~」と言っていたので、登れるなら登ってみようかと思っていましたが、想像していたよりも10倍は巨大だったのであきらめました(笑)
登っていないので難易度はわかりませんが、登られる方は自己責任で。馬頭刈尾根を歩くだけであれば、つづら岩の下に道が続いているので、登る必要はありません。
つづら岩を超えたところに分岐があります。ここを下ると千足というバス停に下りられるようです。まだ13時半前なので、時間的には問題ありません。先へ進みましょう!
小屋ノ沢山、鶴脚山……アップダウンの多い区間へ
つづら岩を過ぎたあたりから、馬頭刈尾根の上に並ぶ小さなピークが連続する区間になります。ピークの手前は登り、ピークを過ぎると下りという感じで、アップダウンが続きます。
つづら岩のすぐ先にも大きめの岩がありました。一瞬、これを登らないといけないのかと思いましたが、左側から回り込むように登山道が続いていました。よかった……。
すぐに急な登りへ。ここまでも多少のアップダウンはありましたが、本格的に登り返すのはここが初めてですね。
急登を登りきると、そこが「小屋ノ沢山」のピーク。標高は969メートルで、大岳山からは300メートルほど下ってはいますが、あまりそんな感じがしません。
小屋ノ沢山のピークには特に何もないので、先を急ぎます。
小屋ノ沢山の下りは階段がありましたが、濡れた落ち葉が乗っていて、階段が見づらくなっていますし、何より滑りやすい! すごーく慎重に下りました。
尾根道なので、ところどころに飛び出た大きな岩を超えていくところがあります。ここはロープが張られていましたが、特に使わなくても大丈夫でした。
南側が開けたところからは、丹沢の稜線を見渡せました。雲が多めなので、うっすらとではありますが、左端の大山まで見えますね。
しばらく進むと、また急な登り返しへ。ここが一番キツかったですね。もはや、いま下山している途中だということはすっかり忘れています(笑)
急登を登りきって、鶴脚山(つるあしやま)に到着! ここも狭いピークですが、小屋ノ沢山と違って、山頂標柱はありました。
標高は916メートル。小屋ノ沢山から30分も歩いたのに、50メートルしか標高が下がっていませんね。
馬頭刈尾根の名を冠する「馬頭刈山」へ
鶴脚山からは勢いよく下っていきます。通常の下山であれば、どんどん標高が下がるのは良いことですが、この次に馬頭刈山というピークがあることがわかっているので、登り返しがキツくなるのではないかと心配になります。
案の定、長い登り返しが待っていました。まあ、そうですよね……。鶴脚山の手前ほど急ではないにせよ、ここまで来ての登りは疲れます。
14時15分頃、馬頭刈山に到着! 標高は886メートル。木に囲まれているので、眺望はあまりありませんが、立派な山頂標柱とベンチがあります。さすがに馬頭刈尾根の名を冠する山!
何度もアップダウンを繰り返してきて、かなり疲れてしまったので、ここで少し休憩していくことにします。
木々の間から大岳山が見えます。だいぶ遠くなりました。もう大岳山から5km以上歩いているはずですが、標高は400メートル弱しか下がっていませんね……。
軽く行動食を食べ、水分補給をして、この先の下りに備えます。さすがにもう下り……ですよね?
馬頭刈山までやってくると、もうあとは尾根を最後まで下り切るしかありません。この時点で時刻は14時20分。思ったほど計画した時刻から巻けていませんが、YAMAPの予想によると15時45分くらいには瀬音の湯に着くとのことなので一安心。明るいうちに下山できそうです。
高明山を経て一気に下る!
馬頭刈山を過ぎると、これまでのアップダウンが嘘のように、一気に下っていきます。ちょっと落ち葉が多めなので慎重に下っていきます。
しばらく下った後、わずかに登り返すと「高明神社跡」という石碑と小さなお社がありました。ここに神社があったのでしょうね。あとで調べてみると、現在の高明神社は、この先を軍道バス停のほうへ下ったところにあるようです。
このあたりが「高明山」のはずですが、山頂を示す目印のようなものは見当たりませんでした。通り過ぎてしまったかな? この下にある鳥居をくぐって、どんどん下っていきます。
木の階段が整備された歩きやすい道になりました。どんどん下っていきます。
少し下ると、高明神社の立派な鳥居がありました。神社の本体は麓の方へ移ったようですが、神社や小さなお社、石碑などが残されていて、神聖なものを感じますね。地元の方がお手入れをされているのかもしれません。
分岐に出ました。高明神社がある軍道へ下る道と、秋川渓谷や瀬音の湯へ下る道が分かれます。どちらもバス停がありますが、下山したら温泉に入ってビールを呑むまでが登山なので、ここは瀬音の湯へと下ります。
急な斜面を下ってまた登り返し!?
先ほどの分岐から先は、林業の作業道のようなところを下っていきます。山腹に直線的に付けられた細い道で、かなり急です。
崩壊しかけた道標がありましたが、かろうじて「十里木バス停」「瀬音の湯」はわかります。
ここまで来ると、道標も「瀬音の湯」推しです。左にある古い木の道標には瀬音の湯がありませんので、わざわざ立派な道標を建てたのでしょう。「下山したら温泉に入りたいだろ? それならこっちだ」と言われているようです(笑)
しばらく下っていくと、道路を渡る陸橋に出ました。この道標によると、瀬音の湯へは、その橋を渡っていくようです。
立派な橋ですが、下を覗くとかなり高いですね。道路を通した切通しに架けられた橋のようですが、道路に下りる道はないようです。それだけでなく……
橋の向こう側には階段が! もう登山口に着いたのかと思っていましたが、まだだったようです。
眼下には集落が見えるのですが、こちらは登山道が続いています。道路を歩いたほうが早いのでは……と思いつつも、道路に降りる道がないのであれば仕方がありません。
それどころか、登っているではありませんか! 馬頭刈尾根は、最後の最後までアップダウンの多い道ですね……。
登りきったところが「長岳」というピークでした。さすがにあとは下るだけでしょう。水分補給をして先へ進みます。
長岳から10分ほど下ったでしょうか。目の前に広大な駐車場が見えてきて、今度こそ本当に登山口まで下ってきたようです。
そして、この駐車場こそが、「瀬音の湯」の駐車場でした。まだ着かないのかとか、また登り返すのかとか、文句を言いつつ歩いてきましたが、下山したら登山口の目の前が温泉というのは素晴らしすぎます。
日の短い時期のロングコースだったため、暗くなるまでに下山できるかを気にしていましたが、15時45分頃に下山できました。YAMAPの予想時刻どおり!
瀬音の湯で汗を流してビールで乾杯!
早速、瀬音の湯へ。1,000円の入館券を購入して温泉に入ります。
瀬音の湯はph10.1のアルカリ性の温泉。お湯に浸かると肌がつるつるとします。内湯、露天風呂ともにやや熱めでしたので、お湯に入ったり出たりを繰り返して温まりました。
温泉で汗を流し、温まったあとはレストランへ。レストランは17時からということで、30分ほど待ちました。
まずは生ビールで乾杯!
舞茸天せいろを注文しました。蕎麦は普通でしたが、天ぷらは揚げたてサクサクでおいしい! 舞茸の天ぷらはとても美味でした。
平日だったためか、温泉もレストランも空いていました。
十里木バス停から帰宅
帰宅は十里木のバス停から。瀬音の湯にもバス停はありますが、バスの本数が少なく、1時間以上待つ必要があったので、本数が多い十里木のバス停まで移動しました。瀬音の湯からは徒歩8分とありましたが、5分くらいで着きました。
すでに外は真っ暗で、瀬音の湯の敷地内は足元がほとんど見えませんでした。どこが遊歩道かは小さなランプが灯っているのでわかりますが、足元は真っ暗。暗くなってから十里木バス停へ移動する方は注意しましょう。
バスで武蔵五日市駅へ出て、五日市線の電車で帰宅しました。
歩きごたえのあるロングコース! 馬頭刈尾根はアップダウンが多い尾根歩き!
ということで、大岳山に登ってきました。3年前に登った御岳山からのルートに比べると、鋸尾根~大岳山~馬頭刈尾根のルートは、かなり歩きごたえがありました。
標高差が大きいこともありますが、やはり距離が長いですね。その分、急登は少なめではありますが、鋸尾根の鋸山手前や、馬頭刈尾根の小屋ノ沢山~馬頭刈山の間はアップダウンが多く、標高差以上に手強いです。結局、累積標高は、上りが1,565メートル、下りが1,673メートルにもなりました。日帰り登山で1,500メートル越えは久々だったので、疲れました。
今回のルートでは、奥多摩駅近くの愛宕神社から始まり、鋸尾根の途中にある天聖神社奥宮、大岳山山頂直下の大岳神社、馬頭刈尾根にある高明神社跡など、多くの神社や神社跡がありましたし、小さな社殿や石仏が登山道脇にあったりと、集落に近い山ならではの信仰の歴史を感じる登山となりました。
大岳山自体はとても良い山で、山頂からの眺望も素晴らしいです。御岳山とセットで登ることができますし、御岳山~大岳山の間にはロックガーデン、七代の滝や綾広の滝などの見どころもあります。単にピークハントをするだけでなく、山歩き自体を楽しめますね。
最初に登るのであれば御岳山からのルートがおすすめですが、2回目以降は、鋸尾根や馬頭刈尾根をルートに組み込んでみてもよいと思います。ただし、距離が長くなるので、日没までに下山できるように、しっかり計画しておく必要があります。
今回の主な登山装備
- メリノウールの長袖アンダーシャツ(モンベル)
- 化繊の長袖シャツ(ワークマン)
- 厚手のフリース(モンベル)
- ソフトシェル(モンベル)
- トレッキングパンツ(モンベル)
- 登山靴(モンベル アルパインクルーザー2300)
- ザック(グレゴリー ZULU30)
- レインウェア上下 ※利用せず
- 膝サポーター(ザムスト EK-3)
- 飲み物(お湯750ml+ペットボトル500ml×2本)
- お昼ご飯(カップヌードル1個)、行動食
- ファーストエイドキット
- ヘッドライト
1月にしてはやや気温が高めの日でしたが、真冬の登山ということで、いつものメリノウールの長袖アンダーシャツと化繊の長袖シャツの上に、厚手のフリース、さらにソフトシェルを着て歩き始めました。
が、さすがにすぐに暑くなってしまい、フリースをザックの中へ。行動中はずっと3枚で寒くありませんでした。むしろ、登りはこれでも暑いくらいでしたが、さすがにソフトシェルまで脱いでしまうとかなり冷えるので、ずっと着たまま行動しました。ちょっと温度調節が難しい日でしたね。
事前情報で、大岳山山頂直下に少し雪が残っているとあったので、チェーンスパイクを持参しましたが、結果的には不要でした。ただ、凍っていたりしたら、チェーンスパイクを装着したほうがいいかも、と思うような状況でしたので、この時期はザックの中に入れておきたいですね。
以上、「【大岳山】鋸尾根から登り馬頭刈尾根を瀬音の湯まで下るロングコースにチャレンジ!」でした。かなり歩きごたえのあるロングコースでしたが、無事に歩ききることができました。大岳山山頂からの絶景も堪能できましたし、2023年最初の登山は、とても素晴らしいものになりました。
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