奥多摩三山の一つ、三頭山に登ってきました。仲の平バス停から三頭山へ、登頂後は、都民の森方面へ下り、凍った三頭大滝を見てきました。ついでに、浅間尾根を少しだけ歩いて、数馬へ下山。三頭山の周回コースを満喫してきました。
奥多摩三山の最高峰「三頭山」
三頭山は、大岳山、御前山と並ぶ奥多摩三山の一つです。標高は1,531メートルで、奥多摩三山の中では、もっとも高い山です。また、日本三百名山、山梨百名山の一つでもあります。西峰、中央峰、東峰と3つのピークがあるので「三頭山」というそうです。
三頭山の山頂からは、富士山や奥多摩、奥秩父の山々を望むことができます。また、山頂付近には、東京都内では貴重なブナ林が残っています。
三頭山は、奥多摩湖の南側、奥多摩三山の中ではもっとも西に位置します。奥多摩湖側から急登を登るコースもありますが、桧原村にある「都民の森」から登るコースが定番です。
当初、奥多摩湖側から登るコースを考えていたのですが、都民の森の近くにある「三頭大滝」が凍っているということで、これをぜひ見たいと思い、南側から登るコースに変更したのでした。
都民の森へは、武蔵五日市駅からの急行バスと、数馬で乗り換える連絡バスが運行しています。ところが、これらの路線バスは、12月~3月の冬期は運休してしまいます。そこで、今回は、仲の平バス停から槇寄山に登り、槇寄山から三頭山まで笹尾根を歩くコースを選択しました。
三頭山からは、都民の森方面へ下り、途中で三頭大滝を見学。都民の森から数馬までは、沢沿いのコースもあるようなのですが、車道を少し歩いて、浅間尾根を歩きました。
結果的に、数馬(仲の平バス停)から、三頭山をぐるっと周回するようなコースとなりました。
今回の主な行程は、以下のとおりです。
- 08:30 仲の平バス停 出発
- 09:30 西原峠
- 09:35 槇寄山 到着
- 09:50 槇寄山 出発
- 10:30 ハチザス沢ノ頭
- 10:45 大沢山
- 10:50 三頭山避難小屋(トイレあり)
- 11:05 三頭山 西峰 到着
- 11:50 三頭山 西峰 出発
- 11:55 三頭山 中央峰
- 12:05 三頭山 東峰
- 12:45 三頭大滝
- 13:15 都民の森
- 13:40 浅間尾根登山口
- 13:50 御林山
- 14:25 数馬の湯 下山
距離13.5km、累積標高(上り)は1,445メートルでした。
三頭山の主な登山ルートと登山口への公共交通機関へのアクセス
前述のように、三頭山は、奥多摩湖側からも、都民の森からも登ることができます。代表的な登山ルートと、登山口への公共交通機関でのアクセスを紹介します。
南側(都民の森)からの登山ルート
最もお手軽なのは、都民の森から登るルートです。都民の森が標高1,000メートル近くあるため、三頭山山頂との標高差は約500メートルです。
- 登山ルート: 都民の森~三頭山(標高差約500メートル)
- 登山口: 都民の森
- 最寄りバス停: 都民の森
- JR武蔵五日市駅から西東京バスの直通急行バス、または、数馬からの連絡バス(12月~3月は運行なし)
JR武蔵五日市駅から直通の急行バス、または、数馬行きのバスから乗り継げる連絡バスを利用すすることができます。ただし、冬期(12月~3月)は、急行バス、連絡バスともに運休となり、公共交通機関のみでのアクセスはできなくなります。
そんなときは、途中の「仲の平バス停」から笹尾根で登るルートがおすすめです。今回、登りに利用したルートです。
- 登山ルート: 仲の平バス停~槇寄山~三頭山(標高差約850メートル)
- 登山口: 仲の平バス停
- 最寄りバス停: 仲の平バス停
- JR武蔵五日市駅から西東京バスの数馬行きに乗車
仲の平バス停は、数馬の湯(温泉センター)の次のバス停です。標高は約680メートルですので、三頭山との標高差は850メートル。都民の森から登るのに比べると、かなり標高差が大きくなります。
奥多摩湖からの登山ルート
奥多摩湖からの登山ルートの定番は、奥多摩湖にかかるドラム缶橋「麦山の浮橋」を渡って、急登のヌカザス尾根を登るルートです。
- 登山ルート: 小河内神社バス停~麦山の浮橋~ヌカザス山~三頭山(標高差約1,00メートル)
- 登山口: 奥多摩湖南岸(奥多摩周回道路脇)
- 最寄りバス停: 小河内神社バス停
- JR奥多摩駅から西東京バス(丹波行き、留浦行き、小菅の湯行き等)に乗車
奥多摩湖の標高が約550メートルくらいですので、標高差は1,000メートル近くなります。またヌカザス尾根は急登続きですので、健脚向きのルートと言われています。
「麦山の浮橋」は奥多摩湖にかかるドラム缶の橋ですが、強風や水位低下などで、たびたび通行止めになります。「麦山の浮橋」は東京都水道局が管理していますので、通行の可否については、東京都水道局のWebサイトを確認しましょう。
麦山の浮橋が通行止めの場合は、以下のルートが使えます。
- 登山ルート: 深山橋バス停~ムロクボ尾根~ヌカザス山~三頭山(標高差約1,00メートル)
- 登山口: 三頭橋近く
- 最寄りバス停: 深山橋バス停
- JR奥多摩駅から西東京バス(丹波行き、留浦行き、小菅の湯行き等)に乗車
深山橋バス停から、深山橋、三頭橋を渡ったところにある登山口から、こちらも急登のムロクボ尾根を登るルートです。ヌカザス山で、前述のヌカザス尾根を登るルートと合流します。
ここで紹介した路線バスは、すべて「西東京バス」の路線です。時刻表や料金については、西東京バスのWebサイトをご確認ください。
【槇寄山】登山口から笹尾根に登り槇寄山へ
仲の平バス停近くの登山口から、標高差で約500メートル登って、笹尾根に出ます。笹尾根に出ると、すぐに槇寄山の山頂に到着します。
仲の平バス停近くの公衆トイレで支度を済ませて出発!
武蔵五日市駅から数馬行きの路線バスに乗車。武蔵五日市駅近くでは通勤客が、払沢の滝近くでは通学の小学生がそれなりに乗っていましたが、仲の平バス停で下車するときには、乗客は私一人になっていました。
仲の平バス停で下車しました。ここから、車道を2分ほど先へ進んだところに公衆トイレがあります。数台が止められる駐車場もありました。トイレを済ませ、支度をして出発します。
仲の平バス停近くまで戻り、ここを左へ入っていきます。「槇寄山」の道標があるので、それを頼りに歩いていきます。
しばらくはつづら折りになった車道を登っていきます。車道の脇には、ところどころに民家や小さな畑があります。
車道が行き止まりになると、その正面にある民家の脇から、登山道へ続く道が続いています。ここからはようやく登山道になります。
整備された登山道を登り笹尾根へ
それなりに登りますが、登山道はかなりよく整備されているので、ペースを崩さずに登っていくことができます。
登ったり、平らなところを歩いたりの繰り返し。樹林帯がずっと続くので、眺望はあまりありませんが、葉が落ちた木々の間から、数馬の集落が見えています。
メリノウールのアンダー、長袖の化繊シャツ、フリースに、ソフトシェルを羽織って歩き始めましたが、暑くなってきて、ソフトシェルを脱ぎました。気温は低いですが、無風なので、登っているとすぐに暑くなります。
少し開けたところからは、大岳山(写真右側の山)と御前山が見えています。これから登る三頭山とともに、奥多摩三山の山々ですね。それにしても、大岳山はどこからみても目立つ山容です。
しばらく登っていくと、尾根が近づいてきたのか、やや明るい広めの道に出ました。目の前に見えるのが笹尾根の稜線でしょうか。
ここまで、誰ともすれ違っていません。平日ということもありそうですが、やはり、都民の森へのバスが運休しているこの時期に三頭山に登る人は少ないのかもしれません。
全般的に登りやすい登山道なのですが、ところどころ、落ち葉がたくさん積もっているところがありました。登山靴が見えなくなるくらいまで積もっているので、さすがに歩きづらいです。地面がどうなっているかも見えないので、慎重に進んでいきます。
笹尾根に合流して槇寄山へ
出発から1時間ちょっとで、西原峠に到着。ここは、仲の平バス停からの登山道と笹尾根が合流するところです。ここから先は、笹尾根を三頭山まで登っていくことになります。
笹尾根は、東京都と神奈川県の県境に沿った尾根で、北端は三頭山、南端は高尾山まで続いています。何度か歩いたことのある奥高尾縦走路も、広義の笹尾根に含まれるそうです。
西原峠から笹尾根を三頭山のほうへ登ると、すぐに「槇寄山」に到着です。山頂の前後がなだらかなので、そこまで明瞭なピークという感じではないですが、山頂は広場になっていて、ベンチやテーブルもあります。
ずっと登りが続いていたので、ここで小休止します。
山頂広場の脇に、槇寄山の標柱がありました。標高は1,188メートル、仲の平バス停から約500メートル登ってきたことになります。標高差でいえば、三頭山までの約3分の2を登ったことになります。
槇寄山の山頂からは、西側が開けています。この方向に富士山が見えるようなのですが、残念ながら分厚い雲の中。午後からは晴れる予報なので、三頭山からの眺めに期待します。
ベンチに腰かけて、小休止。行動食のカロリーメイトを食べます。西側が開けているせいか、冷たい風が吹いてきて、すぐに冷えてしまいそうです。ソフトシェルを羽織りましたが、この先、まだ長いので、あまり長居をしないほうがよさそうです。
【笹尾根】平坦な道から三頭山山頂への急登へ!
槇寄山からしばらくは平坦で歩きやすい道が続きますが、「クメケタワ」から先は、三頭山山頂に向けての急登が続きます。
広くて歩きやすい笹尾根を歩く
槇寄山の山頂から少し下ると、しばらくは平坦な道が続きます。落ち葉がやや多めですが、登山道は広くて明るいため、とても歩きやすいです。
ずっとこんな道ならいいのですが、そういうわけにはいきません。三頭山の山頂まで、まだ標高差で400メートル近くありますので……。
快適で平坦な道を20分ほど歩くと、「クメケタワ」というところに出ました。「タワ」というのは、峠やコルと同じような意味で、ピークとピークの間の一番低くなっているところです。つまり、ここから登りになるということですね(汗)
連続する急登を登ってハチザス沢ノ頭へ
期待に違わず、いきなりの急登となります。槇寄山までの登りは、それなりに登りつつも、急登というほどではなかったのですが、ここから先の登りはほとんど急登です。
登山道は整備されているので、危険箇所はありませんでしたが、急登がずっと続きます。これまでと同じペースで歩くのは不可能なので、意識的にゆっくり登るように心がけます。
ところどころ、岩がゴツゴツしたところもありますが、特に危険な感じではありませんでした。
急登を25分くらい登ると、「ハチザス沢ノ頭」に到着しました。クメケタワから標高差で200メートルほど登ってきたようです。ベンチがあるので、水分補給の休憩を取ります。
ハチザス沢ノ頭からは、三頭大滝へ続く道が分岐しています。ここから先は都民の森の管理エリアのようです。三頭大滝は下山時に立ち寄る予定なので、ここは三頭山山頂を目指して直進します。
大沢山を経て三頭山避難小屋へ
ハチザス沢ノ頭から先も急登ですが、それほど長くは続きません。仲の平バス停~槇寄山~三頭山のコースでは、クメケタワからハチザス沢ノ頭の急登が一番の難所でした。
急登を登りきると、尾根のような明るい道に出ました。まだ登りは続きますが、傾斜はだいぶ緩やかになります。
三頭山の手前にあるピーク「大沢山」に到着しました。標高は1,432メートル。クメケタワから300メートルくらい登ってきたことになります。
大沢山のピークはそれほど広くはないですが、ベンチがありました。ベンチには先客がいたので、ここは先へ進むことにします。
登山口からここまで、すれ違ったのは3人だけ。平日とはいえ、本当に静かな山歩きです。
大沢山から少し下ると、三頭山の避難小屋があります。新しい避難小屋なのでしょうか、とてもきれいです。この避難小屋にはトイレが設置されています。休憩がてら、トイレをお借りします。
ムシカリ峠から登り返して三頭山西峰へ!
避難小屋から少し下ると、「ムシカリ峠」に出ます。ここからも、三頭大滝方面への道が分岐しています。道標には三頭山へ15分とあります。正面の階段を登っていきます。
このあたりも、都民の森の管理下にあるようで、ベンチがあったり、案内板や道標が充実しています。
ムシカリ峠から三頭山山頂へは、階段が連続しています。ここへきての階段はキツイですが、山頂まで最後の登りなので頑張りましょう!
そして、ついに三頭山の山頂に到着! ここは3つある山頂のうち、最も西側にある「西峰」です。この西峰の山頂が最も広く、眺望も良いですね。ベンチもあって、休憩におすすめです。
【三頭山】西峰で景色を眺めながらのお昼休憩、中央峰・東峰を経て下山へ
三頭山の西峰のベンチで、奥多摩の山々を眺めながらお昼休憩にしました。雲がだいぶとれ、晴れてきて、何とか富士山を拝むこともできました。
三頭山山頂からの眺望、富士山に奥多摩の山々!
三頭山西峰の山頂の様子です。ちょっとした広場になっていて、景色の見えるところにベンチがおいてあります。
山頂に到着した時には、年配の男性が一人だけでしたが、休憩している間に何名か登ってきました。
三頭山西峰は、西側と東側の眺望があります。西側には、先ほどまで雲の中だった富士山が、頭だけですが見えてきました。手前にある雲の上に、冠雪した頂上だけが見える富士山も、趣がありますね。
東側はすっかり雲がとれて晴れてきました。わかりづらいですが、眼下に奥多摩湖があり、そのむこうに石尾根の稜線を一望できます。写真左側の一番高い山が鷹ノ巣山です。
少し視線を左へやると、東京都の最高峰、雲取山が見えました。手前には七ツ石山、その右奥には芋ノ木ドッケも見えています。
芋ノ木ドッケは、雲取山から三峰神社に下山するときに通った山。雲取山荘からかなり登り返したのを覚えていますが、この景色を見ると、なるほどと思ってしまいます。
三頭山山頂で奥多摩の山々を眺めながらのお昼!
奥多摩の山が見える東側に向いたベンチに陣取って、恒例のカップヌードルのお昼です。
冬は、バーナーではなく、サーモボトルにお湯を入れて持ってきています。お湯が沸くまで、寒い中、待たなくて済むのでおすすめです。熱湯をいっぱい入れてくれば、真冬のこの時期でも、お昼にカップヌードルを作れます。
お昼ご飯のあとはコーヒータイム。カップヌードルは、3分待っている間に少しぬるくなってしまいますが、インスタントコーヒーはすぐに飲めるのでアツアツです。
少し風が出てきて寒くなってきたので、再びソフトシェルを着ました。山頂で45分くらい休憩しましたが、そろそろ下山しましょう。
三頭山の山頂巡り、中央峰・東峰へ
西峰の山頂から、都民の森方面へ下山します。
西峰から少し下ると分岐に出ます。右へ行けば、中央峰・東峰を巻いて下山できますが、せっかくなので寄っていくことにします。中央峰へは正面の階段を登っていきます。
中央峰の手前に小さな広場があり、テーブルと椅子がありました。木々に覆われていて眺望はそこまで良くないですが、西峰にはないテーブルがあるので、大勢で休憩するときはこちらのほうが良いかもしれません。
中央峰の山頂です。山頂標識には1,531メートルとあり、西峰の1,524メートル、東峰の1,527メートルよりも高く、ここが本当の意味での山頂のようです。山頂があるところは狭いので、休憩には向かないです。
中央峰のすぐ横に、東峰の山頂がありました。中央峰と東峰は隣接していて、西峰だけが少し離れています。とはいえ、5分ほどで着きますので、三頭山に登ったら3つの山頂すべてを巡ってみましょう。なにせ「三頭山」ですから。
三角点は東峰の山頂にありました。眺望の西峰、最高峰の中央峰、三角点の(?)東峰、と役割があるようです(笑)
東峰の脇には展望台があります。展望台は狭いですが、ベンチがあります。
展望台からは、奥多摩三山の大岳山と御前山が良く見えます。奥多摩湖の南側に並ぶ奥多摩三山ですが、山容はそれぞれですね。
【都民の森】ブナ林を抜けて氷瀑「三頭大滝」へ
三頭山の山頂からは、都内では珍しいブナ林の尾根道を抜けて、三頭大滝へ下っていきます。ほぼ全体が凍った三頭大滝は圧巻! これを見るためにだけに来ても十分に満足できそうです。
貴重なブナ林を眺めながら「ブナの路」を歩く
三頭山の山頂から少し下ると、尾根筋に「ブナの路」が続いています。ブナは落葉広葉樹ですので、この時期、葉はありませんが、特徴的なブナの木を眺めながら歩いていきます。
ブナの木が立ち並ぶ登山道。三頭山山頂から続く尾根筋の道なので、とても明るくて気持ちが良い道です。この道は、新緑か紅葉の時期に歩いてみたいですね。
ブナ林の案内がありました。東京都でブナ林がまとまって残っているのは、この三頭山の山頂付近と、日原川流域の2箇所だけなのだとか。
案内板の横には大きなブナの木。ブナの幹は灰白色で、斑紋があるのが特徴だそうです。この斑紋は、地衣類が作り出すのだそうです。
ブナの路をしばらく歩くと分岐があります。ここを下っていくことにします。
直進すると、鞘口峠を経て浅間尾根へ抜けられます。数馬へ下るのであれば、このルートも魅力的なのですが、今回は三頭大滝を見たいので、ここで尾根道から下っていくことにします。
野鳥観察小屋を経由して三頭大滝へ
しばらく急な斜面を下っていきます。斜面は急ですが、登山道はジグザグにつけられているので、危なくはありません。
しばらく下ると、「野鳥観察小屋」がありました。小屋の中から野鳥を観察することができるのでしょうか。
野鳥観察小屋から少し下ると、沢沿いの道に出ます。ここまでくると、登山道というよりは遊歩道といった感じで、非常に歩きやすいです。都民の森から散策に訪れる人も多いのでしょう。
沢は表面が凍っているところが多かったです。全部凍っているわけではなく、下のほうでは水が流れていて、その音が聞こえます。
表面が凍結した氷瀑「三頭大滝」
しばらく沢沿いの道を歩くと、トイレや休憩所がある広場にの脇に「滝見橋」があります。この滝見橋から三頭大滝を眺めることができます。
が、最初はよくわからず、三頭大滝はどこだろうと探してしまいました。というのも、滝が流れ落ちる音がほとんど聞こえなかったからです。
表面がすべて凍った三頭大滝です。よく見ると、凍っているのは表面だけで、その裏側では水が流れ落ちています。表面の氷に音がかき消されて、滝が流れる音が聞こえにくくなっていたようです。
三頭大滝は、三頭山に源流を発する秋川(南秋川)の上流にかかる滝で、落差は約33メートル。かなり大きな滝です。秋川は、三頭大滝から約30キロ下流の昭島市で多摩川に合流して、東京湾へと流れ下ります。
凍った滝をよく見てみると、芸術作品のような美しさ。自然の造形美というのは素晴らしいものです。
動画でもどうぞ。凍った滝の奥で水が流れ落ちているのがわかるかと思います。
三頭大滝は、都民の森の駐車場から約1km、20分程度で到着します。この氷瀑を見に来られた方も多かったようです。
快適な遊歩道を歩いて都民の森入口へ
三頭大滝からは、ウッドチップが敷かれた快適な遊歩道を歩いて、都民の森入口へ向かいます。この道なら、天気が悪くなければスニーカーでも十分歩けますね。都民の森入口から三頭大滝までは、こんな道が整備されていますので、安心です。
途中、展望台のような開けたところがあります。奥のほうに見えるのは、笹尾根の稜線でしょうか。
都民の森の入口までやってきました。都民の森は臨時休園中ですが、駐車場や登山道は利用できますし、入口近くにある売店は営業していました。(休園日の月曜日は、駐車場・売店も利用できないそうです)
【浅間尾根】浅間尾根を少し歩いて数馬へ下山
都民の森からの路線バスは運休中なので、数馬まで下る必要があります。沢沿いのルートもあるようですが、今回は浅間尾根を経由して数馬に下ることにしました。
車道を歩いて浅間尾根へ
凍った三頭大滝を眺めることができたので、今日の目的はすべて果たせました。ですが、都民の森で待っていてもバスはやってこないので、数馬まで下ります。
数馬へは、沢沿いのルートがあるようなのですが、まだ時間も早いので、浅間尾根を歩いていくことにします。
浅間尾根へは、30分ほど車道を歩いていきます。都民の森の駐車場前から左の車道を登っていきます。
車道からは、大沢山(左側)と三頭山が見えました。このあたりの標高は約1,000メートルあるので、三頭山もそれほど高い山には見えませんね。
途中、車道の左側に、浅間尾根から下ってくると思われる登山道がありました。ロープが張ってあり、かなり急坂のように見えます。
車道の反対側には、浅間尾根の登山道の入口がありました。これが入口なのかよくわからなかったのですが、とりあえず登ってみます。
快適でとても静かな浅間尾根を歩く
車道からしばらくは細くて急な獣道のようでしたが、無事に登山道に出ることができました。いったん登山道に出てしまえば、とても歩きやすい道が続いています。
平日の午後、先ほどまで青空だった空は、再び雲に覆われてきて、登山道は薄暗くてとても静かです。他に誰も歩いていないので、熊鈴を全開にして歩きます。
すぐに御林山への分岐がありました。山頂はすぐそこなので、寄ってみました。山頂には標柱以外特に何もありませんでした。標高は1,078メートルです。
再び浅間尾根の道に戻ってしばらく歩くと、あっという間に仲の平バス停方面へ下る分岐に到着しました。快適な路だったので、もう少し歩きたかったのですが……。
浅間尾根は、登山を始めたばかりのころ、払沢の滝から数馬まで歩いたことがあります。
急坂を下って仲の平バス停へ下山
浅間尾根はとても歩きやすかったのですが、仲の平バス停へ下る道はかなりの急坂。急斜面に真っすぐつけられた道のようで、これを下るのはなかなか骨が折れます。
とにかく、転ばないように気を使いながら下っていきます。足元は落ち葉や砂利で滑りやすいので、注意していないと、すぐにずるっと滑ります。何度か転びそうになりました。
なかなか気の抜けない登山道を下ります。登山道というよりは、林業の方が利用する道を、登山者も利用させてもらっているという感じなのでしょうか。道があるだけありがたいと思わないといけませんね。
無事に転ぶことなく、登山口まで下山しました。登山口は民家の脇にあり、少しわかりづらいです。
そして、この登山口は、仲の平バス停のすぐ近く。今朝、三頭山へ登るときに左側の道を行きましたが、下山は、道路の反対側、民家の脇から戻ってきました。完璧な周回コースです(笑)
数馬の湯で温泉&ビール!
登山口から車道を少し下ると、「桧原温泉センター 数馬の湯」があります。
前述の浅間尾根を歩いた時以来、2年ぶりに数馬の湯に寄っていくことにします。
平日ということもあり、温泉には地元の方が数名。とても空いていて、ゆっくりお湯に浸かることができました。
温泉で汗を流して温まったあとは、食堂へ移動して、ビールで乾杯! ざるそばと舞茸の天ぷらをいただきました。舞茸の天ぷらがおいしくてびっくり! 2個で180円と安いのもうれしいですね。
数馬の湯の目の前にバス停があります。本数は多くないですが、バスの時間に合わせて数馬の湯を出ればよいので問題はありません。武蔵五日市駅行きのバスに乗って帰宅しました。
真冬ならではの景色と氷瀑を楽しむ三頭山周回コース
ということで、三頭山に登ってきました。大岳山、御前山にはすでに登っているので、これで奥多摩三山制覇です。そして、雲取山、鷹ノ巣山、川苔山、御岳山、棒ノ折山とあわせて8つの山に登り、YAMAPの奥多摩ハイカーのバッジをゲットしました。
今回は、三頭山の登頂と凍った三頭大滝を目的としたため、仲の平バス停(数馬)からの周回コースを選択しました。この時期に、公共交通機関利用で三頭山に登るには、このコースは一つの選択肢になると思います。
奥多摩湖から登るコースは急登かつ標高差1,000メートルということで健脚向けですが、仲の平バス停からのコースも登りごたえがありました。槇寄山まではそれほどでもないですが、クメケタワからの急登はなかなかハード。それほど長くはないとはいえ、しっかり登ったという満足感はありました。
そして、なんといっても氷瀑! 全面結氷した三頭大滝は迫力満点でした。この時期にしか見られない氷瀑ですので、このコースを選択してよかったと思います。
三頭山山頂付近のブナ林は、やはり葉がついている時期に歩きたいですね。新緑の時期か、紅葉の時期か、奥多摩湖からの急登も合わせてチャレンジしたいですね。
今回の登山装備
- メリノウールのアンダーウェア(モンベル)
- 化繊の長袖シャツ(ワークマン)
- フリース(モンベル)
- コンパクトダウン(ユニクロ)
- ソフトシェル(モンベル)
- トレッキングパンツ(モンベル)
- メリノウールのタイツ(ワークマン)
- 登山用靴下(FITS)
- 登山靴(AKU)
- ザック(グレゴリー ZULU30)
- レインウェア下 ※利用せず
- 膝サポーター(ザムスト EK-3)
- 飲み物(ペットボトル600ml+サーモボトルのお湯750ml)
- 行動食
- ファーストエイドキット
- ヘッドライト
- チェーンスパイク ※利用せず
行動中は、メリノウールのアンダー、化繊の長袖シャツ、フリースの3枚でちょうどよかったです。休憩中は風が冷たいので、ソフトシェルを着ました。
雪はなさそうでしたが、念のため、この時期はチェーンスパイクをいつもザックに入れています。幸い、今回は使わずに済みました。
以上、「【奥多摩】三頭山・三頭大滝周回コース、山頂からの絶景と氷瀑を眺める山旅!」でした。山頂からの景色だけでなく、この時期ならではの見事な氷瀑を眺めることができて、大満足の山行となりました。
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