奥多摩の御岳山と日の出山に登ってきました。今回は古里駅から丹三郎尾根を登るルートで登りました。御岳山手前の大塚山から御岳山にかけての紅葉が見事! その後は日の出山まで足を延ばして、下山はつるつる温泉へ。ひさびさの低山日帰り登山を満喫しました。
古里駅から丹三郎尾根を登って御岳山へ
奥多摩の御岳山には何度も登っています。定番のケーブルカーを使うルート、ケーブルカーを利用せずに舗装路を歩いて登るルートなどなど。大岳山とあわせると、鋸尾根、馬頭刈尾根、サルギ尾根など、いろいろなルートで登りました。
今回は、まだ歩いたことのない古里駅から丹三郎尾根を登るルートを選択しました。このルートは、4月に大岳山に登った時に、山頂でお話をした方に教えてもらったルートです。実際に登ってみた感想としては、「御岳山にしっかりと歩いて登るには良いルート」でした。ケーブルカーを利用すると登山としては物足りないですし、舗装路を登るのもつまらない。そんな中で、しっかりと山歩きを楽しめるルートでした。駅から歩いて登れるのもうれしいですね。
今回のルートを地図で見ると以下のとおりです。
古里駅から南へ15分くらいのところにある登山口から登り始めます。御岳山の南側に延びる丹三郎尾根を登ります。尾根筋に上がったら、御岳山の北側にある大塚山を経て御岳山へ。武蔵御嶽神社に参拝したあとは、御岳山のすぐ東側にある日の出山まで足を延ばしました。つるつる温泉に下山して、温泉を楽しみました。
距離10.7km、累積標高(上り)は1,000メートルちょっとと、日帰りの山歩きとしては程よい感じだと思います。
【古里駅~大塚山】丹三郎尾根を登って大塚山へ
古里駅から登山口まで車道を歩き、登山口からしばらくは植林帯の斜面を九十九折に登ります。飯盛杉を過ぎて尾根に出ると、比較的明るい道に。やや急な道を登り切れば、御岳山の少し手前にある大塚山に到着です。
古里駅から登山口へ
青梅線の古里駅に午前9時前に到着。駅前で支度をして、午前9時15分頃に出発です。今日は行程が短いので、少し遅めの出発です。
駅前の階段を降りて道路に出ると、すぐにT字路の信号があります。信号を渡り、南側へ延びる車道を歩きます。途中、多摩川にかかる万世橋を渡ります。
万世橋の上からは、多摩川がつくる渓谷の両側に木々を見渡せました。色づいている木も多いですが、くすんだ色の葉が多かったり、すでに葉が落ちてしまっている木も。もう紅葉も終わりなのか、今年の猛暑のせいで色づきがあまりよくないのか……。
万世橋を渡ってしばらく進むと、歩道の右側に「御岳山登山口」の案内がありました。この登山口から登る人はそれほど多くはないと思いますが、それでもしっかりと案内があるのはありがたいですね。
登山口に到着しました。登山口の横には立派な公衆トイレもあります。見た感じ、まだ新しそうですね。
植林の薄暗い森の中を登る
公衆トイレの脇を抜け、墓地を左手に見ながら奥へ入っていくと、猪除けの柵がありました。この柵を開けて登山道へと入っていきます。柵の上の鉄線には電流が流れているので触らないようにとの注意書きも。猪は柵をよじ登るのでしょうかね?
前半は、ひたすら植林帯の斜面をジグザグに登っていきます。奥多摩の低山では見慣れた光景です。
今日は曇り空ですし、北側斜面を登っていくことになるため、登山道はかなり薄暗いです。それでも、道は良く整備されていますし、急登もないので、ペースを保ったまま歩きやすいです。
登山道は斜面にジグザグに付けられているため、同じようなところを何度も通ります。「ここさっき通ったよね?」と思いますが、ちゃんと進んでいるので大丈夫です(笑) 特に迷いそうなところもありませんでした。
登山口から登り始めて30分ちょっとで、林道のような舗装路を横切ります。登山道は、林道を渡った反対側から続いています。
林道から少し登ったところに「飯盛杉」があります。この案内看板にあるように、地域の方々に愛されて保護されてきた杉なのだそうです。
登山道を挟んで、杉の巨木が2本並んでいます。他の杉と比べると明らかに大きいうえに高く、迫力がありました。
色づいた木々を眺めながら丹三郎尾根を登る
飯盛杉から少し登ると、尾根道に出ました。ここから丹三郎山への道が分岐しているのですが、写真奥に見えるようにロープが張ってあり、現在は通行止めになっています。「丹三郎尾根」の名前の由来となっている丹三郎山に登れないのは残念ですが、こればかりは止むを得ません。
尾根道ですので多少のアップダウンは多少ありますが、それほど急なところはなく、歩きやすい道が続きます。先ほどまでのつづら折りの登りがずっと続く登山道よりは、だいぶ歩きやすいです。
落葉広葉樹の自然林も多くなり、ところどころこのように色づいている木々もありました。尾根道ということもありますが、自然林の森になると周囲が明るくなりますね。
赤く色づいた葉もところどころにあり、目を楽しませてくれます。
登山口から1時間ちょっとで、大塚山の分岐に到着しました。左へ行けば大塚山に登らずに御岳山のほうへ行けますが、せっかくですので大塚山にも登っていくことにしましょう。
御岳山手前にある大塚山へ
分岐から大塚山山頂へ向かう道は、これまでと比べるとやや急です。ただ、山頂まではコースタイムで10分ほどですので、たいしたことはありません。
山頂の手前に大きな休憩所がありましたので、ここで少し休憩していくことにしましょう。
持参したお湯でコーヒーを淹れて、行動食を食べました。平日ということもありますが、他には誰もいません。御岳山は登山客だけでなく、観光客も多いですが、少し離れた大塚山まで足を延ばす方は多くないようですね。
休憩所からすぐのところに大塚山の山頂がありました。山頂は広場になっていて、ベンチやテーブルもいくつかありました。こちらで休憩したほうがよかったかもしれませんね。
丹三郎尾根を登る途中で追い抜いたご夫婦は、このあと登ってこられて、山頂で休憩をされていました。
大塚山に登頂です! 標高は920メートルで、御岳山とあまり変わりません。御岳山の山頂は929メートルですが、石段をかなり登ったところにある武蔵御嶽神社の裏にあります。御岳山の山頂付近の集落よりも、大塚山の方が標高が高そうですね。実際、このあと歩いた御岳山への道は下り基調でした。
【御岳山】紅葉が見ごろを迎えていた大塚山~御岳山を歩く
大塚山から御岳山へは、紅葉が見ごろを迎えた遊歩道を歩いていきます。紅葉狩りを楽しみながら、武蔵御嶽神社に参拝しました。
頭上を覆う紅葉を眺めながら御岳山へ
大塚山から御岳山へは、登山道というよりは、遊歩道と言ってよいほど歩きやすい道が続いています。周囲は自然林の森で、色づいた木々もあちこちに見られます。
大塚山から御岳山へ近づいていくと、徐々に色づいた木が増えてきました。真っ赤に色づいたモミジがとても鮮やかです。ちょうど雲の間から日差しが差し込んできて、赤色が一層きれいに見えました。
御岳山の少し手前の分岐の近くは、頭上を紅葉が覆っていて見事でした。御岳山の周辺では、このあたりの紅葉がもっともきれいでした。
この分岐は、ケーブルカーの御岳山駅や、御岳ビジターセンターから10分ほどのところですが、御岳山の観光ルートから少し外れているせいか、ほとんど人がいません。あまり知られていないのでしょうか……。
分岐から10分弱で御岳ビジターセンターの前に出ました。ここまでやってくると、一気に観光客の数が増えますね。
御岳ビジターセンターでトイレをお借りしてから、武蔵御嶽神社へ参拝に向かうことにしましょう。
長い石段を登って武蔵御嶽神社に参拝
ビジターセンターから武蔵御嶽神社へ向かう道の途中にも、ところどころに赤く色づいたモミジの木がありました。
御岳山のシンボル「神代ケヤキ」も橙色に色づいていました。
武蔵御嶽神社は、ひたすら石段を登った先にあります。この石段がなかなかキツイ……。ここまで登ってきた山道と比べると、この石段の方が、よほど「急登」です。
それでも上のほうに行くと、紅葉が迎えてくれます。写真を撮っている観光客の姿が目立ちました。
武蔵御嶽神社に参拝したあと、拝殿の裏にある山頂へ。初めて登った時は、山頂がどこかわかりませんでしたね……。
【日の出山】関東平野のビュースポットでお昼休憩
御岳山から登山道を歩いてお隣の山、日の出山へ。広々とした山頂で景色を眺めながらのランチタイム。関東平野や周囲の山々はやや霞んでしまっていましたが、気持ちの良い山頂での休憩は良いですね。
快適な登山道を歩いて日の出山へ
御岳山の集落を抜けて、日の出山へ続く登山道へ向かいます。集落の中にも、ところどころ赤く色づいたモミジがありますね。
御岳山の集落を抜けて、日の出山への登山道に入りました。登山道といっても、遊歩道のように歩きやすい道が続きます。途中の鳥居があるところまでは、ほぼ平坦な道が続きます。登山装備がなくても、歩きやすい服装と靴であれば、日の出山までは行けそうです。
御岳山と日の出山の中ほどにある鳥居です。奥が御岳山、手前が日の出山になります。この鳥居をくぐると、日の出山への登りが始まります。
山頂への登りといっても険しい道はなく、このような階段が続きます。
山頂下の公衆トイレまでやってきました。この公衆トイレの左側から登れば、山頂はすぐです。
あっという間に日の出山の山頂に到着! 平日ではありますが、お昼時でしたので、山頂にはそれなりに休む人の姿がありました。
日の出山で景色を眺めながらのランチタイム
日の出山の山頂です。この東屋に加えて、ベンチがたくさんありますので、休憩する場所に困ることはないでしょう。
日の出山の山頂標柱です。少しだけ色づいた葉がまだ残っていますが、山頂の紅葉はほぼ終わりかけという感じでした。まあ、標高が高いですからね。
日の出山は関東平野、特に東側の埼玉県~東京都の方向が開けているのですが、今日は残念ながらモヤがかかったように霞んでしまっています。
特徴的な形をした大岳山は、すぐ近くにあるのでよく見えますね。大岳山から伸びる尾根は、馬頭刈尾根かサルギ尾根かな?
それでも、開けていて気持ちの良い山頂で食べるカップヌードルは良いですね。曇り空ではありますが、幸いなことに風がないため、寒くはありませんでした。このあとコーヒーも飲んで、ゆっくりと休憩しました。
真っ赤なモミジを眺めながら下山
ゆっくり休憩できたので、下山することにしましょう。下山は、つるつる温泉へ。日の出山へやってきたら、下山後のつるつる温泉は外せません♨
日の出山の山頂から南東側へ少し下ったあたりに、赤く色づいたモミジがありました。ちょうどよい感じに紅葉していましたね。
日の出山の山頂下はかなり登山道が入り組んでいます。案内の道標はしっかりありますので、間違えないようにつるつる温泉のほうへ下っていきます。
杉の植林の森に入ると、眺望も見るものもなくなるので、黙々と下っていきます。
サクサクと下ってきたので、山頂から1時間もかからずに、登山口まで下山できました。低山の良いところは、山頂から登山口までのコースタイムが短いところですね。それはつまり、山頂から温泉とビールが近いということ。
登山口からは沢沿いの舗装路をしばらく歩きます。車道に出たところを左折すると、すぐに「つるつる温泉」に到着します。
つるつる温泉で温泉とビール!
つるつる温泉に到着しました。山頂からちょうど1時間くらいでした。予定より少し早く到着できたので、バスの時間までゆっくりできそうです。
平日の昼間ですので、さすがに空いていました。露天風呂にゆっくりと浸かり、つるつるになりました(笑)
温泉で温まったあとは、食堂に移動してビールで乾杯!
山頂でカップヌードルを食べたばかりですが、かき揚げざるそばもいただきました。バスの時間までのんびりできました。
古里駅から丹三郎尾根を登るルートはしっかり歩きたい人におすすめ!
というわけで、古里駅から御岳山に登ってきました。冒頭で触れたように、古里駅から丹三郎尾根を登るルートは、しっかり歩いて御岳山に登りたい方におすすめです。
前半の植林帯のつづら折りの登りは少々退屈ではありますが、尾根筋に出ると比較的明るい森の中を歩けます。急登や危険箇所がほとんどなく、歩きやすいのも良いですね。登山口と山頂の標高差は約650メートルほどとそこそこありますが、初心者でも登れると思います。ただ、人が少ない点は注意ですね。
大塚山~御岳山のあたりは紅葉がきれいでしたので、紅葉登山にもおすすめです。紅葉がきれいなところは、春の新緑の時期も美しいので、5月頃も良いかもしれません。
御岳山だけでは物足りない場合には、今回のルートのように日の出山まで歩いても良いですし、大岳山に登ってもよいでしょう。大岳山まで登れば、かなり歩きごたえのあるコースになると思います。
今回の主な登山装備
- ウェア類
- アンダーレイヤ: モンベル ウィックロンの長袖Tシャツ
- ミドルレイヤ: モンベル 化繊 長袖シャツ
- 防寒着: モンベル ライトシェルパーカー(ソフトシェル)
- パンツ: モンベル ライトトレッキングパンツ
- レインウェア上: モンベル レイントレッカージャケット
- レインウェア下: モンベル サンダーパス パンツ
- 靴下: フィッツ メリノウールの登山用靴下
- 登山靴: モンベル マウンテンクルーザー600
- 登山補助: 膝サポータ ザムスト EK-3(両膝)
- 緊急用
- ファーストエイドキット
- ヘッドランプ、予備の電池
- ザック: グレゴリー ズール30 (30リットル)
- 水
- モンベル アルパインサーモボトル(お湯 750ml)
- ペットボトルの水 0.5リットル
行動中は、ウィックロンの長袖Tシャツと長袖シャツ2枚で十分でした。11月中旬ではありましたが、風がなく暖かい日でしたので、寒くはありませんでした。休憩中と行き帰りはソフトシェルを羽織りました。
とはいえ、だいぶ涼しくなってきましたので、アルパインサーモボトルに、自宅で沸かしたお湯を入れて持参しました。お昼のカップヌードルはもちろんですが、休憩中にコーヒーをすぐに飲めるのもありがたいですね。朝、お湯を入れて、お昼にカップヌードルをふつうに作ることができますので、おすすめです。
以上、「【奥多摩】古里駅から丹三郎尾根を登って御岳山~日の出山とつなぐ紅葉山歩き」でした。何度も登っている山ではありますが、別のルートから登ると新鮮な気分で歩けるのも良いですね。紅葉も楽しめて、良い山行となりました。
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