ひさびさに奥武蔵の山を歩いてきました。奥武蔵の中では随一と言われる眺望の丸山に登り、お隣の日向山まで。その後は武甲温泉に下山して、温泉で温まりました。標高1,000メートルに満たない低山ですが、すぐ近くの武甲山や両神山はもちろん、日光連山、赤城山、谷川連峰、浅間山までを望む眺望を楽しめました。
奥武蔵眺望No.1の丸山から日向山へ
今回登ってきた丸山と日向山は、西武秩父線の芦ヶ久保駅の北側に連なる山です。丸山はこの付近の最高峰で、あまり眺望に恵まれない奥武蔵にあって、随一の眺望を誇る山です。山頂にある展望台からの眺めは見事です。
その後、県民の森を通って日向山へ。下山後は車道を横瀬方面へ下って、武甲温泉に入ってから帰途につきました。
今回のコースは以下の地図のとおりです。
芦ヶ久保駅から登山口まで国道を歩き、登山口からは東側の大野峠を目指します。パラググライダーの発着場がある大野峠から尾根を歩いて丸山の山頂へ。眺望を満喫して、軽くお昼を食べたあと、県民の森を下ります。いったん登山口から車道に出たあと、再び登山道から日向山へ。琴平神社まで下山したあとは、ひたすら車道を横瀬方面へ下り、武甲温泉で温泉に入りました。
今回の主な行程は以下のとおりです。
- 08:05 芦ヶ久保駅 出発
- 08:30 登山口
- 09:25 大野峠
- 09:55 丸山 到着
- 10:40 丸山 出発
- 11:45 日向山 到着
- 12:05 日向山 出発
- 12:20 琴平神社(登山口)
- 13:05 武甲温泉
芦ヶ久保駅~登山口と、琴平神社~武甲温泉の車道歩きが多めでしたが、全体では14.3km、累積標高は上り970メートルのコースでした。
丸山・日向山登山口への公共交通機関でのアクセス
丸山・日向山ともに、西武秩父線の芦ヶ久保駅から歩いて登山口までアクセスできます。
- 丸山登山口: 西武秩父線 芦ヶ久保駅から徒歩約30分
- 日向山登山口: 西武秩父線 芦ヶ久保駅から徒歩約45分
上で紹介したように、日向山からは少し距離がありますが、横瀬駅まで1時間ほどで歩くこともできます。車道ですが、かなり急な下りでしたので、上りに使うのはおすすめしません。下りで利用して、横瀬駅への途中にある武甲温泉に立ち寄るのがよいと思います。
なお、今回は立ち寄りませんでしたが、冬季は芦ヶ久保駅のすぐ近くで「あしがくぼの氷柱」を見ることができます。冬季に奥武蔵エリアの山歩きをする際には、「あしがくぼの氷柱」もあわせて訪問するのがおすすめです。
【芦ヶ久保駅~大野峠】薄暗い植林の登山道を登って大野峠へ
芦ヶ久保駅を出発、国道299号線を東へ向けて歩き、登山口から登山道へ入ります。杉の植林が続く薄暗い登山道を1時間ほど登って車道に出ると大野峠に到着です。
冷え込む朝の芦ヶ久保駅を出発して登山口へ
午前8時前に芦ヶ久保駅に到着。2月上旬ということもあり、朝はキリっと冷え込んでいます。トイレを済ませ、支度をして、8時過ぎに出発です。
芦ヶ久保駅前の大きな駐車場がある広場から階段を下って、国道299号線に出ます。しばらく国道299号線の歩道を東へ歩きます。平日の朝という時間帯のせいか、大型トラックやダンプカーがたくさん通過していきます。歩道がしっかりあるので、特に危なくはありません。
20分ほど歩くと、左へ登る分岐があります。ここを登ったところに登山口があります。
登山口は急坂を登りきった住宅街の中にあります。真新しい木のベンチが設置されていて、ここでいったんザックを下ろして、山歩きの準備をします。歩いていると暑くなってきたので、一番上に着ていたソフトシェルを脱いでザックにしまいました。
登山口には、「まむしに注意」「熊さんにお願い」の看板が。「あなたの住んでいる地域に、人が音を出しながら立ち入りますので、どうか襲わないようお願いします」とあります。「音を出しながら」とあるので、熊鈴を装備します。どうか襲わないでください。
薄暗い植林帯を登って大野峠へ
登山道に入ると、ひたすら植林帯が続きます。朝からどんよりとした曇り空ということもあり、登山道はかなり薄暗いです。写真だと明るく見えますが、もっとずっと暗いです。熊さんに遭遇しないように、熊鈴を鳴らしまくって歩きます。たぶん冬眠している時期だとは思いますが……。
最初は山の斜面をトラバース気味に登る道でしたが、少し歩くと沢沿いの道になります。沢といっても、雨が少ないこの時期、流れはごくわずかです。
沢を渡って対岸に渡るところは、登山道がわかりにくくなっていますので、よく確かめながら登っていきます。
沢が見えなくなると、大野峠へ向けての急登です。危険箇所はありませんが、なかなかの登りが続きます。前方が次第に明るくなってきているので、もう少しで大野峠に着きそうです。
前方が開け、車道にぶつかると、そこが大野峠です。道路を渡ったところに東屋があるので、少し休憩していくことにしましょう。
道路脇に「大野峠」の立派な標柱と看板が設置してあります。大野峠の標高は855メートル。芦ヶ久保駅が300メートルちょっとですので、1時間半で550メートルほど登ってきたことになります。低山とはいえ、この序盤でかなりしっかり登った感じです。
東屋で水分補給をして、軽く行動食を食べてから、丸山を目指します。
【丸山】丸山山頂展望台からの眺望を満喫!
大野峠から階段を上がり、見晴らしの良いパラグライダーの滑走場を過ぎ、しばらく尾根を歩きます。最後のひと登りで丸山に到着。山頂にある展望台からの眺望が素晴らしいです。
見晴らしの良いパラグライダーの滑走場へ
大野峠の東屋の横にある階段を登っていきます。この階段を登りきると……
とても見晴らしのよい場所に出ます。パラグライダーの滑走場のようです。東屋ではなく、ここで休憩にした方が良かったかもしれません。ちょっと風が冷たいですが。
左側に見えるのが丸山かなと思いましたが、展望台が見えないので違うようです。丸山は写真のさらに左側のようですね。
あいにくの曇り空ですが、関東平野も一望できます。晴れた日に、ここからパラグライダーで飛び立つと、気持ちがいいのでしょうね。
北側には、よく見ると日光連山がきれいに見えています。男体山がとてもよく目立ちますね。山頂付近が明るく見えているので、どうやら北関東のほうは晴れているようです。
尾根を歩いて丸山山頂へ
どうやら、パラグライダーの滑走場のところで尾根に乗ったらしく、ここから先は尾根伝の道になります。幸い、アップダウンは少なめで、快適に歩けそうです。
こんな感じの歩きやすい道が続きます。
登山口から大野峠まではずっと植林帯でしたが、大野峠から先は落葉広葉樹の森に変わりましたね。相変わらずの曇り空ですが、葉が落ちていて、登山道は明るいです。
少し歩くと分岐がありました。丸山へは左へ。
やや急な短い登りを過ぎると、分岐に出ました。電波塔がすぐ近くにあります。このあたりは、すでに埼玉県の「県民の森」のようです。登山道だけでなく、遊歩道が整備されています。
午前10時前、丸山の山頂に到着! この白い建物が展望台です。この横の広場にあるベンチにザックを置いて、カメラを持って展望台に登ってみましょう!
丸山山頂からの見事な眺望を満喫!
まず目がいくのが、すぐ近くにある武甲山です。石灰石の採掘によって削られてしまった山ですが、秩父のシンボルとして堂々とした山容を見せています。本当にすぐ目の前といった感じですので、迫力がありますね。
そういえば、3年前の春に、武甲山に登ったのでした。近くの大持山~小持山から縦走すると、なかなか歩きごたえのあるコースになります。武甲山山頂からの秩父の街並みの眺めが素晴らしいですね。
左側に武甲山、右側のギザギザした山が両神山、その間に秩父の街並みが広がります。曇り空ではありますが、素晴らしい眺めです。武甲山の奥には雲取山が見えるはずなのですが、雲に隠れてしまっていますね。
こちらは独特の山容の両神山。日本百名山の一座です。以前、西武秩父駅からバスを乗り継いで、日帰りで登りに行きました。
こちらは北東側に見える日光連山。やはり男体山が目立ちます。暖冬とはいえ、さすがに冠雪していますね。
北側に見える山並みは谷川連峰かな? 高い山は雲がかかっているようですね。風が冷たくて寒いのですが、しばらく展望台で景色を楽しんでいました。
丸山山頂の広場で早めのランチ
長い時間、展望台にいて体が冷えてしまったので、早めのランチにします。モンベルのアルパインサーモボトルからお湯を注いで3分。いつものカップヌードルです。温かい食べ物がおいしいですね。
食後のコーヒーでまったり。休んでいる間に、3名ほどが登ってきて、展望台で景色を楽しんでいました。県民の森の駐車場にクルマを停めて登ってくれば、すぐに山頂なんですよね。
山頂広場の様子です。テーブルやベンチがいくつかありますので、お昼休憩にピッタリです。もっとも、この周りは県民の森として整備されていますので、ベンチなどはあちこちにあります。お好きなところで休憩するとよいでしょう。
【県民の森~日向山】県民の森を抜けてお天気が回復した日向山へ
丸山から県民の森の遊歩道を抜けて登山口まで下り、日向山へ登り返します。歩いているうちに雲が晴れ、青空がのぞいてきました。日向山からは目の前に武甲山を眺めることができます。
丸山山頂から県民の森へ
丸山山頂から北西側へ広い登山道を下っていきます。
すぐに細い車道に出ます。目の前に見えるのはトイレですが、冬季は閉鎖されています。すぐ近くにある駐車場のトイレを利用するようにとの張り紙がしてありました。
この車道の手前側を2~3分も歩けば駐車場があります。真冬の平日、しかもこの曇り空ですから、人は少ないですが、それでも誰もいないという感じでもありません。たまにハイカーの方とすれ違います。
先ほどの細い車道を横切り、階段を登ると、登山道が続いています。遊歩道といっても良いくらい、よく整備された歩きやすい道です。しばらく落葉広葉樹の森の中を歩きます。
少し下ると、舗装された遊歩道にぶつかりました。登山道は遊歩道を横切るように続いています。このすぐ近くの遊歩道の脇にもベンチがありました。
県民の森を下って日向山登山口へ
遊歩道から下も歩きやすい道が続きますが、遊歩道を境に下側は針葉樹の森、というか、植林帯に変わります。防火帯を兼ねているのか、道幅がやけに広いです。
しばらく歩くと、分岐に出ました。芦ヶ久保駅へ下るのであれば左側ですが、このあと日向山にも登るので、右側へ下っていきます。
登山道の脇には小さな鳥居とお社。このあたりまでやってくると、地元の方も利用する道なのでしょうね。裏山というか里山というか、生活に溶け込んだ山なのでしょう。
やや狭くなった登山道をどんどん下り、車道に出ました。ここが丸山への登山口のようです。ここから少し車道を下ります。
ぽつぽつと家が建つ車道を下ると、右側に「山の花道 駐車場」があります。ここが日向山の登山口になります。奥に見えている建物はトイレです。
武甲山を望む日向山に登頂
トイレを済ませて、登山口から再び登り始めます。といっても、日向山山頂まではすぐです。
丸山から下ってくる間にすっかりと雲がとれて晴れてきました。武甲山もきれいに見えていますね。
日向山への登山道は階段が整備されていて歩きやすいです。お天気が良い日であれば、登山装備がなくても、駐車場にクルマを停めて、気軽に登ることができそうです。
登山口から10分ちょっとで日向山山頂に到着! 標高は627?633?どちらが正しいのかわかりませんが、それくらいです(笑)
ぽかぽか陽気の日向山山頂で小休止
日向山山頂は南側が開けていて、正面に武甲山がきれいに見えます。時間的に逆光なので、やや白んでしまっていますが、肉眼ではもっときれいにみえています。武甲山の左奥に見えているのが大持山~小持山の稜線かな?
東側には、先ほど登ってきた丸山が見えています。わかりやすい形をしていますね。
日向山山頂の様子です。木の展望台があります。上の写真は、この展望台の上から撮影したものです。
山頂にはベンチなどはありませんが、そこそこの広さがありますので、レジャーシートなどを持参すれば休憩するのにもよさそうです。すっかり晴れてきて、ぽかぽか陽気になり、とても気持ちが良いですね。
【武甲温泉】日向山から武甲温泉へ下り温泉とビールで〆る
日向山から登山口の琴平神社に下ったあとは、車道を横瀬方面へ下っていきます。ひたすら車道を下り、横瀬の町に着くと武甲温泉はすぐです。武甲温泉で汗を流してから帰宅しました。
日向山から登山口の琴平神社へ下る
日向山山頂付近は、気持ちの良い道が続きます。
途中の分岐を左へ折れて、階段を下っていきます。この階段もよく整備されています。
開けているところからは丸山が良く見えました。
再び周囲は針葉樹の森になり、階段を下り切ると鳥居があります。ここが登山口となる琴平神社です。ということで、登山道はここまで。
登山口にはトイレもあります。
ひたすら車道を下って武甲温泉へ
琴平神社からは芦ヶ久保駅のほうが近いのですが、隣の横瀬駅から徒歩10分のところにある武甲温泉に入ってから帰りたいので、武甲温泉まで歩くことにします。距離にして4km程度、1時間ほどの道のりです。
途中、上の写真のように登山道もあるようなのですが、まったく下調べしていなかったので、おとなしく車道を下ることにします。
退屈な車道歩き……かと思いきや、あちこちから横瀬の町とその奥に聳える両神山を眺めることができて、退屈しません。
横瀬の町まで下りてくると、武甲温泉への案内があちこちにあります。このとおりに進んでいけば、迷うことはないでしょう。途中、遊歩道?のようなところも通りました。
武甲温泉で温泉とビール
ということで、無事に武甲温泉に到着しました。奥武蔵エリアの登山のあとは、武甲温泉に立ち寄るのが定番になっています。
温泉で温まったあとは、秩父名物ソースカツ丼と生ビールで乾杯!
武甲温泉で休んでいる間に特急ラビューのチケットをスマホで購入しました。横瀬駅まで歩き、ラビューに乗って帰宅しました。
丸山山頂からの展望は見事! のんびりとした低山歩きにおすすめのコース
ということで、奥武蔵の丸山~日向山を歩いてきました。
芦ヶ久保駅からの周回コースが定番のようで、日向山から芦ヶ久保駅に下ればおそらく10kmちょっとといったところでしょうか。大野峠までの登りはそれなりにキツいですが、大野峠から先は尾根道になるため、のんびりと景色を眺めながら歩けます。
そして、丸山山頂からの眺望は見事! あいにくの曇り空でしたが、それでも武甲山や両神山はもちろん、日光連山や谷川連峰まで見渡すことができました。晴れている日であれば、もっと素晴らしい景色を眺められそうです。
今回は真冬に歩きましたが、標高の高いところは広葉樹の森が主体でしたので、新緑や紅葉の時期もよさそうです。標高が低いので真夏はやめた方がよさそうですが、それ以外の季節であれば、楽しく歩けそうです。
今回の主な登山装備
- 長袖のメリノウールアンダーウェア(モンベル)
- 長袖の化繊ウェア(モンベル)
- フリース(クリマプラス100 ジャケット/モンベル)
- ソフトシェル(モンベル)
- トレッキングパンツ(モンベル)
- 登山靴(マウンテンクルーザー600)
- ザック(グレゴリー ZULE30)
- レインウェア(サンダーパスジャケット モンベル)
- 飲み物(ペットボトルの水500ml×2本、アルパインサーモボトルのお湯700ml)
- 食料(カップヌードル+行動食)
- ファーストエイドキット
- ヘッドライト
真冬の寒い日でしたので、行動開始時はフリースの上にソフトシェルを羽織って歩き始めましたが、登山口まで歩いたところでソフトシェルを脱ぎました。尾根に出たところで風が冷たかったので、再びソフトシェルを着て歩きました。
丸山までは曇っていて寒かったですが、日向山から先は日が差してきて気温も上がってきたので、再びソフトシェルを脱いで行動しました。低山ではありますが、最も寒い時期でしたので、防風+保温の効果のあるソフトシェルが役に立ちました。
以上、「【奥武蔵】奥武蔵随一の眺望を求めて丸山~日向山を歩いて武甲温泉へ」でした。奥武蔵エリアで眺望を求めるなら、丸山を目指してみてはいかがでしょうか。
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