赤岳や権現岳、編笠山といった南八ヶ岳の主要登山口(観音平・富士見高原・天女山・美濃戸口・美し森・県界尾根登山口・横岳登山口)への公共交通機関でのアクセスをまとめました。主に、最寄りの鉄道駅からの路線バス・タクシー、予約制乗合タクシーなどを中心にまとめています。公共交通機関を利用して南八ヶ岳へ登山に行かれる方の参考になれば幸いです。
※本記事の情報は2024年7月28日時点のものです。記事中にバス会社のWebサイト等へのリンクを貼っておりますので、登山の際は最新情報をご確認ください。
南八ヶ岳 主要登山口へのアクセス一覧
この記事で紹介する南八ヶ岳の主要登山口は以下の表のとおりです。登山口名をタップすると、本ページの各登山口の詳細情報に移動します。
登山口 | 主な山 | 最寄駅 | 路線バス | 備考 |
---|---|---|---|---|
観音平 |
編笠山 権現岳 |
小淵沢駅 | 〇 |
予約制乗合 タクシー |
富士見高原 |
西岳 編笠山 |
小淵沢駅 | - | |
天女山 |
編笠山 権現岳 |
甲斐大泉駅 | - | |
美濃戸口 |
赤岳・阿弥陀岳 横岳 硫黄岳 |
茅野駅 | 〇 | |
美し森 |
赤岳 | 清里駅 | 〇 | |
県界尾根登山口 |
赤岳 | 野辺山駅 | - | タクシー |
横岳登山口 |
横岳 | 野辺山駅 | - | タクシー |
なお、夏沢峠より北側の北八ヶ岳の主要登山口へのアクセスについては、以下の記事にまとめていますので、あわせてご覧ください。
観音平(編笠山・権現岳)
「観音平」は、八ヶ岳の最南端にある編笠山や西岳、権現岳への登山口です。観音平へは路線バスはありませんが、JR中央本線の小淵沢駅から「MOUNTAIN TAXI」の予約制乗合タクシーがあります。
- バス路線名: 観音平線
- 運行会社: マウンテンタクシー
- 運行経路: 小淵沢駅~観音平
- 運行期間: 2024年6月15日(土)~11月15日(金) の毎日
- 運賃(最寄駅から): 1500円
- Webサイト: マウンテンタクシー 観音平線
- 概要: マウンテンタクシー 八ヶ岳観音平線は、中央本線の小淵沢駅から観音平登山口までの予約制乗合タクシーです。運行期間は2024年6月15日から11月15日までで、平日の片道運賃は1500円、土日祝日は1800円です。行き便は小淵沢駅を午前9時に出発、帰り便は観音平登山口を16時に出発します。前日までの予約が必要です。
小淵沢駅→観音平の便は朝9時発、観音平→小淵沢駅の便は16時発のそれぞれ1本のみです。小淵沢駅では、朝7時ちょうどに新宿駅を出発する「あずさ1号」に連絡しています。
小淵沢駅~観音平は、通常のタクシーを利用すると3,500円程度かかりますので、「MOUNTAIN TAXI」の1,500円~1,800円という料金はかなりお得です。
観音平から編笠山への登山道の様子については、以下の登山日記をご覧ください。東京の自宅から日帰りで編笠山に登った時の記録です。
富士見高原(西岳・編笠山)
「富士見高原」は西岳や編笠山への登山口です。最初に西岳に登るのであれば、観音平よりも富士見高原のほうが近いです。富士見高原へは路線バスがありませんので、タクシーでアクセスすることになります。
- 登山口: 富士見高原
- アクセス: JR中央本線 小淵沢駅からタクシーで約20分(約3,200円)
小淵沢駅前にはタクシーが常駐していますが、週末などは事前に予約をしておくと安心です。私は、以前、小淵沢駅から富士見高原へタクシーで移動したときには、小淵沢タクシーをあらかじめ予約しておきました。
富士見高原には富士見高原ゴルフ場があり、大きな駐車場があります。登山口は、ゴルフ場の駐車場を少し奥に入ったところにあります。詳しくは、富士見高原から西岳へ登った時の登山日記をご覧ください。
天女山(権現岳・編笠山)
「天女山」は権現岳・編笠山への登山口です。三ツ頭経由で権現岳に登るのに適した登山口です。南北に連なる八ヶ岳連峰の東側(小海線側)から登るルートになります。
天女山の登山口へも路線バスがありませんので、タクシーでアクセスすることになります。
- 登山口: 天女山
- アクセス: JR小海線 甲斐大泉駅からタクシーで約10分(約1,600円)
甲斐大泉駅前にはタクシーは常駐していませんので、あらかじめ予約しておくことをおすすめします。
なお、甲斐大泉駅から徒歩でもアクセスできますが、1時間20分ほど歩くことになります。
美濃戸口(赤岳・阿弥陀岳・硫黄岳・横岳)
「美濃戸口」は、赤岳や権現岳、硫黄岳、横岳などへの登山口です。赤岳鉱泉や行者小屋といった中腹にある山小屋へも、美濃戸口から歩くことになります。
美濃戸口へは、JR中央本線の茅野駅からアルピコ交通の路線バスがあります。
- バス路線名: 美濃戸口線
- 運行会社: アルピコ交通株式会社
- 運行経路: 茅野駅~美濃戸口
- 運行期間: 2024年1月1日~12月31日
- 運賃(最寄駅から): 1700円
- Webサイト: アルピコ交通株式会社 美濃戸口線
- 概要: 赤岳など南八ヶ岳の登山口となる「美濃戸口」へは、茅野駅からアルピコ交通の路線バス「美濃戸口線」に乗車し、約40分の美濃戸口バス停で下車します。運賃は1,700円です。バスの運行期間は、夏季ダイヤでの運行は2024年4月27日から10月27日までで、7月下旬~8月下旬は毎日運行、それ以外の時期は土休日のみの運行です。10月下旬~4月下旬の間は冬季ダイヤでの運行となり、土休日と年末年始のみの運行となります。
7月下旬~8月下旬の夏山シーズンは平日も運転されますが、それ以外の時期は土休日のみの運転となっています。夏山シーズン以外の平日に登山する場合には、路線バスがありませんので、タクシーでアクセスすることになります。
- 登山口: 美濃戸口
- アクセス: JR中央本線 茅野駅からタクシーで約30分(約6,000円)
以前、赤岳鉱泉にテント泊して、硫黄岳~横岳~赤岳を周回したとき、往路は平日だったのでタクシー利用、復路は週末だったのでバス利用でした。アクセスの様子も含めて、以下の登山日記にまとめていますので、ぜひご覧ください。
美し森(赤岳)
「美し森」は、真教寺尾根または県界尾根を経由して赤岳に登る登山口です。いずれのルートもやや上級者向けです。美し森は、JR小海線の清里駅から徒歩40分ほどですので、歩いても良いですが、夏休みと週末を中心にバスも運行されています。
- バス路線名: 清里ピクニックバス
- 運行会社: NPO法人清里観光振興会
- 運行経路: 清里駅~美し森
- 運行期間: 2024年4月27日(土)から11月17日(日)
- 運賃(最寄駅から): 600円
- Webサイト: NPO法人清里観光振興会 清里ピクニックバス
- 概要: 清里ピクニックバスは清里駅を起点とし、南側や北側の観光スポットを巡るバス路線です。運行期間は2024年4月27日から11月17日までで、主要区間の運賃は1日周遊券が大人¥1,200、小人¥600、2日周遊券が大人¥2,000、小人¥1,000、1回乗車が大人¥600、小人¥300です。時刻表はGW・7・8月は毎日運行、9月・紅葉シーズンは金〜月まで運行、その他の期間は土日祝日の運行となっています。
「清里ピクニックバス」は、清里駅と清里周辺の観光地を周回するバスです。「北部周回ルート」のバスに乗車すれば、美し森へアクセスすることができます。
清里駅からタクシーでアクセスすることもできます。登山口までは近いので、タクシーを利用してもそれほど高くはなりません。
- 登山口: 美し森
- アクセス: JR小海線 清里駅からタクシーで約5分(約1,000円)
県界尾根登山口(赤岳)
「県界尾根登山口」は赤岳から東側へ延びる県界尾根を登る登山口です。県界尾根登山口へは路線バスがないため、公共交通利用の場合は野辺山駅からタクシーとなります。
- 登山口: 県界尾根登山口
- アクセス: JR小海線 野辺山駅からタクシー
野辺山駅から歩くこともできなくはありませんが、徒歩で約1時間半となりますので、タクシー利用がおすすめです。また、県界尾根を登って赤岳へ向かうのであれば、前述の「美し森」のほうが駅に近いうえに、周遊バスを利用することもできます。
横岳(杣添尾根)登山口(横岳)
「横岳登山口」は、小海線側から横岳に直接登れる杣添尾根への登山口です。横岳登山口へは路線バスはありませんので、野辺山駅からタクシー利用となります。
- 登山口: 横岳登山口
- アクセス: JR小海線 野辺山駅からタクシーで約20分(約4,000円)
以上、『【南八ヶ岳】南八ヶ岳主要登山口への公共交通機関(路線バス等)アクセスまとめ(2024年版))』でした。南八ヶ岳の登山口で路線バスが運行されているのは、美濃戸口と観音平(マウンテンタクシー)くらいしかありませんが、シャトルバスなども活用して、登山口へアクセスしたいですね。
関連記事
北八ヶ岳の主要登山口への公共交通機関でのアクセスをまとめた記事です。路線バスに加えて、登山口近くの温泉宿の送迎バスを利用するといった方法についても記載しています。北八ヶ岳の登山・トレッキングの際には、ぜひご覧ください。
主要な山域の登山口への公共交通機関へのアクセスをまとめた記事です。電車・バスを利用して登山をする方は、登山計画の際の参考にしていただければと思います。
登山口へのバス情報を手軽に検索できるWebアプリ「登山口バスナビ」を提供しています。以下のURLからご利用ください。
南八ヶ岳のおすすめの山と登山日記の記事をまとめたページです。日帰りが可能で比較的登りやすい編笠山や西岳から、岩稜帯の縦走が楽しい赤岳~硫黄岳など、魅力的な山がたくさんあるエリアです。
コメント