北アルプス北部、主に後立山エリアと立山エリアの主要登山口への公共交通機関でのアクセス方法のまとめです。鉄道駅からの路線バスを中心に、バスの運行がない登山口へはタクシーでの所要時間と運賃を掲載しています。北アルプスの登山計画作成の際に、ご活用いただけましたら幸いです。
※各バスの情報は、2024年夏山シーズンの情報が公開され次第、更新していく予定です。
北アルプス北部 後立山エリア・立山エリア 主要登山口へのアクセス
北アルプス北部の後立山エリア(白馬岳~針ノ木岳)の主要登山口へは、日本海側の糸魚川駅周辺または大糸線の白馬駅・信濃大町駅から路線バスでアクセスできます。また、立山エリアへは、富山県側の立山駅と長野県側の扇沢駅を結ぶ「立山黒部アルペンルート」を中心に、雲ノ平エリアの登山口となる折立へは富山駅からアクセスすることができます。
山域 | 登山口 | 主な山 | 最寄駅 | 路線バス | 備考 |
---|---|---|---|---|---|
後立山エリア |
蓮華温泉 |
白馬岳 朝日岳 |
糸魚川駅 平岩駅 |
〇 | 糸魚川バス |
北又小屋 |
朝日岳 |
黒部宇奈月温泉駅 泊駅 |
- |
タクシー利用 約1時間 15,000円 |
|
栂池自然園 |
白馬岳 朝日岳 |
白馬駅 長野駅 |
〇 | アルピコ交通 | |
猿倉 |
白馬岳 (大雪渓) |
白馬駅 | 〇 | アルピコ交通 | |
八方池山荘 |
唐松岳 | 白馬駅 | 〇 | アルピコ交通 | |
アルプス平 |
五竜岳 | 神城駅 | ※ |
無料 シャトルバス |
|
大谷原登山口 |
鹿島槍ヶ岳 爺ヶ岳 |
信濃大町駅 | - |
タクシー利用 約30分 6,500円 |
|
扇沢 |
爺ヶ岳 針ノ木岳 |
信濃大町駅 | 〇 | アルピコ交通 | |
七倉 |
針ノ木岳 烏帽子岳 |
信濃大町駅 | 〇 | 裏銀座登山バス | |
立山・剱エリア |
室堂ターミナル |
立山 剱岳 |
信濃大町駅 立山駅 富山駅 黒部宇奈月温泉駅 |
〇 立山黒部 アルペンルート |
立山黒部貫光 富山地方鉄道 |
称名滝 |
大日三山 | 立山駅 | 〇 | 立山黒部貫光 | |
折立 |
薬師岳 雲ノ平 |
富山駅 | 〇 | 富山地方鉄道 |
後立山エリアへの公共交通機関でのアクセス
後立山エリア(白馬岳・唐松岳・五竜岳・鹿島槍ヶ岳・爺ヶ岳・針ノ木岳・烏帽子岳)の主要登山口への公共交通機関でのアクセス方法を紹介します。
後立山エリア北部の蓮華温泉、北俣小屋へは日本海側の糸魚川駅や泊駅からのアクセスとなります。
- 糸魚川駅へのアクセス: 北陸新幹線「はくたか」で東京駅から約2時間15分
- 泊駅へのアクセス: 北陸新幹線「はくたか」で東京駅から約2時間15分の糸魚川駅で下車、第三セクター「あいの風とやま鉄道」の普通列車に乗り換えて約30分
蓮華温泉・北又小屋以外の主要な登山口へは、北アルプスの東麓となるJR大糸線の各駅から路線バスや登山バスを利用してのアクセスとなります。白馬エリアはロープウェイやゴンドラリフトなどが充実していて、標高1,800メートル以上まで運んでくれます。
- JR大糸線各駅へのアクセス
- 新宿駅から特急「あずさ」で約2時間40分の松本駅で下車、大糸線の普通列車に乗り換え
- 名古屋駅から特急「しなの」で約2時間10分の松本駅で下車、大糸線の普通列車に乗り換え
なお、特急「あずさ」には1日1本のみ大糸線に直通する列車があります。2024年3月時点のダイヤでは、新宿駅午前8時ちょうどの「あずさ5号」(南小谷行き)で、信濃大町駅(11:16着)、白馬駅(11:42着)へ直通します。
【2024年夏季限定】夜行特急「アルプス」(新宿→松本・信濃大町・白馬)
2024年夏季限定となりますが、7月~9月の一部の金曜日に、新宿発白馬行きの夜行特急「アルプス」が運転されます。
- 列車名: 特急「アルプス」
- 運転日: 7月12日(金), 8月9日(金), 9月13日(金), 20日(金)
- 運転時刻: 新宿 23:58発 → 松本 05:03着 → 信濃大町 05:52着 → 白馬 06:22着
- 使用車両: E257系 9両(全車指定席)
北アルプスの玄関口となる駅としては、松本駅、信濃大町駅、白馬駅に停車します。信濃大町駅からバスに乗り継いで扇沢、アルペンルートを経由して室堂にアクセスできますし、白馬駅からは猿倉へのバスに乗り継いだり、白馬八方からゴンドラリフトを乗り継いで八方池山荘へアクセスできます。
2024年夏に運転される夜行特急「アルプス」については、以下の記事をご覧ください。上高地だけでなく、信濃大町駅からアルペンルートへ、白馬駅から白馬八方や栂池高原へとアクセスすることもできます。
2024年は、バスタ新宿から扇沢へ直通する夜行バス「さわやか信州号」が運転されませんので、代替手段として特急「アルプス」の利用を検討してもよいでしょう。
行特急「アルプス」については、以下の記事をご覧ください。
蓮華温泉(白馬岳・朝日岳)
白馬岳・朝日岳の登山口となる蓮華温泉へは、北陸新幹線の糸魚川駅、大糸線の平岩駅から、登山シーズンに運行される「糸魚川白馬岳登山バス」でアクセスすることができます。
- バス路線名: 糸魚川白馬岳登山バス
- 運行会社: 糸魚川バス
- 運行経路: 糸魚川駅~平岩駅~蓮華温泉
- 運行期間: 2024年7月20日~8月16日の毎日、8月17日~10月6日の土休日
- 運賃(最寄駅から): 1790円
- Webサイト: 糸魚川バス 糸魚川白馬岳登山バス
- 概要: 糸魚川白馬岳登山バスは、北陸新幹線の糸魚川駅、大糸線の平岩駅と、白馬岳や朝日岳の登山口となる蓮華温泉を結ぶ登山バスです。例年7月中旬~10月上旬の運行で、7月中旬~8月中旬は毎日運行、それ以降は土休日のみの運行となります。糸魚川駅から蓮華温泉までの所要時間は約1時間30分、運賃は1,790円です。
蓮華温泉には白馬岳蓮華温泉ロッジがあります。前泊してもよいですし、糸魚川駅を早朝に出るバスに乗れば、蓮華温泉に午前8時前に到着しますので、その日のうちに白馬岳に登頂することもできます。
北又小屋(朝日岳)
朝日岳の西麓にある北又小屋へは、路線バスは運行されていません。マイカーの乗り入れも途中の小川温泉元湯までとなっていますが、タクシーは北又小屋まで入ることができます。
タクシーは、北陸新幹線の黒部宇奈月温泉駅、または、あいの風とやま鉄道の泊駅からとなります。
- 登山口: 北又小屋
- アクセス: あいの風とやま鉄道 泊駅から約1時間、約1万5千円
- 連絡: 黒東タクシー
- 参考: 北又林道のタクシーの運行について
なお、北又小屋は素泊まりのみの山小屋です。食事の提供や飲み物などの販売はありません。テント場がありますので、テント泊は可能です。
栂池自然園(白馬岳)・八方池山荘(唐松岳)
白馬岳の登山口の一つ、栂池自然園へは、栂池高原バス停から「つがいけロープウェイ」でアクセスできます。栂池高原へは、北陸新幹線の長野駅から特急バスが出ているほか、大糸線の白馬駅から路線バスも出ています。
長野駅からの特急バス「長野・白馬線」の概要は以下のとおりです。
- バス路線名: 長野・白馬線(栂池高原)
- 運行会社: アルピコ交通株式会社
- 運行経路: 長野駅~白馬八方BT~栂池高原
- 運行期間: 2024年4月1日(月)~2024年11月30日(土)
- 運賃(最寄駅から): 2700円
- Webサイト: アルピコ交通株式会社 長野・白馬線(栂池高原)
- 概要: アルピコ交通の長野・白馬線は、長野駅~白馬八方バスターミナルを結ぶ特急バスですが、一部の便は栂池高原・白馬乗鞍まで運転されています。栂池高原から「つがいけロープウェイ 」に乗り継げば、栂池自然園から登山をスタートできます。
特急バス「長野・白馬線」は、白馬八方バスターミナル止まりの便と、栂池高原・白馬コルチナ行きの便があります。栂池高原行き、または、白馬コルチナ行きのバスに乗車しましょう。特急バス「長野・白馬線」は、一部の便を除いて予約は不要です。長野駅東口のバス乗り場から乗車できます。
一方、白馬駅から白馬八方バスターミナルを経由して栂池高原を結ぶ路線バス「白馬駅・栂池線」も運行されています。
- バス路線名: 白馬駅・栂池線
- 運行会社: アルピコ交通株式会社
- 運行経路: 白馬駅~白馬八方~栂池高原
- 運行期間: 2024年4月1日~11月30日
- 運賃(最寄駅から): 570円
- Webサイト: アルピコ交通株式会社 白馬駅・栂池線
- 概要: 白馬駅から白馬八方バスターミナルを経由して、栂池高原まで運行されている路線バスです。栂池高原から「つがいけロープウェイ」で栂池自然園に、八方バスターミナルから「八方アルペンライン」で八方池山荘へアクセスできます。白馬駅から栂池高原までの運賃は570円です。
白馬駅周辺や白馬八方に前泊する場合には、白馬駅・栂池線の路線バスを利用するのが良いでしょう。
栂池高原からは「つがいけロープウェイ」のゴンドラリフトとロープウェイを乗り継いで、標高1,900メートルの栂池自然園にアクセスできます。
栂池自然園から、白馬乗鞍岳~白馬大池~小蓮華岳~白馬岳と縦走することができます。
長野駅から特急バスで栂池高原に行き、つがいけロープウェイで栂池自然園から白馬岳に登った時の登山日記です。特急バスでのアクセスや、つがいけロープウェイの予約・乗車方法についても触れていますので、ぜひご覧ください。
猿倉(大雪渓~白馬岳)
大雪渓から白馬岳に登るルートの登山口となる猿倉へは、白馬駅~白馬八方バスターミナル~猿倉を結ぶアルピコ交通の路線バス「猿倉線」が運行しています。
- バス路線名: 猿倉線
- 運行会社: アルピコ交通株式会社
- 運行経路: 白馬駅~白馬八方BT~猿倉
- 運行期間: 2024年7月13日~9月23日の指定日
- 運賃(最寄駅から): 1000円
- Webサイト: アルピコ交通株式会社 猿倉線
- 概要: 「猿倉線」は、白馬駅から白馬八方バスターミナルを経て、白馬岳の大雪渓コースの登山口となる猿倉まで運行されている路線バスです。運行期間は、2024年7月13日~9月23日で、7月13日~8月25日は毎日運行、それ以外は土休日のみの運行となっています。
猿倉はメジャーな登山口の一つですが、「猿倉線」は7月~8月以外は土休日のみの運行となっていますので、ご注意ください。路線バスが運行していない日は、白馬駅や白馬八方バスターミナルなどからタクシーで移動する必要があります。
- 登山口: 猿倉
- アクセス: 大糸線 白馬駅からタクシーで約30分、約5,000円
- タクシー: アルピコ交通 白馬営業所
八方池山荘(唐松岳)
唐松岳の登山口となる八方池山荘へは、白馬八方バスターミナルから「八方アルペンライン」を乗り継いでアクセスすることができます。
白馬八方バスターミナルへは、北陸新幹線の長野駅から特急バス「長野・白馬線」で約1時間15分、運賃は2,800円です。
- バス路線名: 長野・白馬線
- 運行会社: アルピコ交通株式会社
- 運行経路: 長野駅~白馬八方バスターミナル
- 運行期間: 2024年4月1日(月)~2024年11月30日(土)
- 運賃(最寄駅から): 2500円
- Webサイト: アルピコ交通株式会社 長野・白馬線
- 概要: 唐松岳などの登山口「八方池山荘」へは、長野駅からアルピコ交通株式会社の特急バス「長野・白馬線」に乗車し、約90分の所要時間で「白馬八方バスターミナル」バス停で下車します。運賃は2,500円で、バスの運行期間は2024年4月1日(月)~11月30日(土)です。バスを下車後、八方アルペンラインに乗車して、八方池山荘にアクセスできます。
特急バス「長野・白馬線」は(一部の便を除いて)予約不要で、長野駅東口のバス停から直接乗車することができます。北陸新幹線から特急バスに乗り継いで直接移動できるので、とても便利なバスです。
一方、大糸線の白馬駅と白馬八方バスターミナルを結ぶ路線バス「白馬駅・栂池線」も運行されています。
- バス路線名: 白馬駅・栂池線
- 運行会社: アルピコ交通株式会社
- 運行経路: 白馬駅~白馬八方~栂池高原
- 運行期間: 2024年4月1日~11月30日
- 運賃(最寄駅から): 570円
- Webサイト: アルピコ交通株式会社 白馬駅・栂池線
- 概要: 白馬駅から白馬八方バスターミナルを経由して、栂池高原まで運行されている路線バスです。栂池高原から「つがいけロープウェイ」で栂池自然園に、八方バスターミナルから「八方アルペンライン」で八方池山荘へアクセスできます。白馬駅から栂池高原までの運賃は570円です。
白馬八方バスターミナルからは、八方尾根に架けられている「八方アルペンライン」で、標高1,830メートルの八方池山荘まで登ることができます。八方アルペンラインは、八方ゴンドラリフト、アルペンクワッドリフト、グラートクワッドリフトの3つを乗り継ぎます。
詳しくは、八方アルペンラインのWebサイトをご確認ください。
アルプス平(五竜岳)
五竜岳の登山口「アルプス平」へは、長野駅から白馬への特急バス「長野・白馬線」に乗車し、途中の「白馬五竜」バス停で下車します。アルプス平へは「五竜テレキャビン」にアクセスできます。一部の特急バスは白馬五竜バス停に停車しませんので、必ず時刻表を確認して、白馬五竜バス停を経由する便かを確認しましょう。
- バス路線名: 長野・白馬線
- 運行会社: アルピコ交通株式会社
- 運行経路: 長野駅~白馬八方バスターミナル
- 運行期間: 2024年4月1日(月)~2024年11月30日(土)
- 運賃(最寄駅から): 2500円
- Webサイト: アルピコ交通株式会社 長野・白馬線
- 概要: 唐松岳などの登山口「八方池山荘」へは、長野駅からアルピコ交通株式会社の特急バス「長野・白馬線」に乗車し、約90分の所要時間で「白馬八方バスターミナル」バス停で下車します。運賃は2,500円で、バスの運行期間は2024年4月1日(月)~11月30日(土)です。バスを下車後、八方アルペンラインに乗車して、八方池山荘にアクセスできます。
五竜テレキャビンの乗車口となる「白馬五竜高山植物園 エスカルプラザ」までは、白馬五竜バス停からは徒歩25~30分ほどかかります。登山シーズンには、JR大糸線の神城駅から白馬五竜バス停を経由して、白馬五竜高山植物園 エスカルプラザまで運行される「白馬五竜無料シャトルバス」もあります。
- 路線名: 白馬五竜無料シャトルバス
- 登山口: 白馬五竜高山植物園 エスカルプラザ
- 運行期間: 例年6月下旬~9月下旬(7月~8月は毎日運行、それ以外は土休日運行)
白馬五竜無料シャトルバスの運行期間・運行時刻などは、白馬五竜高山植物園のWebサイトをご確認ください。
なお、前述のとおり、JR大糸線の神城駅からも、徒歩または無料シャトルバスでアクセスできます。鉄道で移動する場合や、長野駅経由ではなく松本駅経由でアクセスする場合には、JR大糸線の神城駅からのアクセスも利用できます。
大谷原登山口(鹿島槍ヶ岳・爺ヶ岳)
鹿島槍ヶ岳や爺ヶ岳の登山口となる「大谷原登山口」(おおたんばらとざんぐち)へは路線バスは運行されていませんので、最寄り駅となるJR大糸線の信濃大町駅からタクシー利用となります。
- 登山口: 大谷原登山口
- アクセス: JR大糸線 信濃大町駅からタクシーで約30分、6,000円程度
- タクシー: アルプス第一交通、信州アルピコタクシー
なお、下山時にタクシーを利用する場合には、稜線上にある冷池山荘で予約をしておく必要があります。
扇沢(爺ヶ岳・針ノ木岳)
爺ヶ岳や針ノ木岳、蓮華岳などの登山口となる扇沢へは、JR大糸線の信濃大町駅から、アルピコ交通の路線バス「扇沢線」が出ています。
- バス路線名: 扇沢線
- 運行会社: アルピコ交通株式会社
- 運行経路: 信濃大町駅~扇沢駅
- 運行期間: 2024年4月15日~2024年11月30日
- 運賃(最寄駅から): 1650円
- Webサイト: アルピコ交通株式会社 扇沢線
- 概要: アルピコ交通のバス路線「扇沢線」は、信濃大町駅から立山の玄関口(アルペンルート入口)となる扇沢駅までを結んでいます。運行期間は、2024年4月15日から11月30日までです。信濃大町駅~扇沢駅の運賃は1,650円で、所要時間は約40分です。
「扇沢線」は通年運行ですが、冬季は扇沢までは行きません。扇沢まで運行されるのは、4月中旬~11月末となります。信濃大町駅~扇沢の路線バスは、扇沢から立山黒部アルペンルートに接続するため、アルペンルートの運行期間にあわせて運行されるためです。
七倉(針ノ木岳・烏帽子岳)
針ノ木岳や烏帽子岳の登山口となる「七倉登山口」へは、JR大糸線の信濃大町駅から、夏山シーズンのみ運行する「裏銀座登山バス」を利用することができます。
- バス路線名: 裏銀座登山バス
- 運行会社: 大町市観光課
- 運行経路: 信濃大町駅~七倉登山口
- 運行期間: 2024年7月13日 〜 10月14日
- 運賃(最寄駅から): 1500円
- Webサイト: 大町市観光課 裏銀座登山バス
- 概要: 裏銀座登山バスは、JR大糸線の信濃大町駅から七倉登山口まで運行しているバスです。運行期間は2024年7月13日~10月14日の特定日です。信濃大町駅から七倉登山口までの所要時間は45分、運賃は1,500円です。七倉登山口からさらに先の高瀬ダムへは、特定タクシーが運行されています。
「裏銀座登山バス」は例年7月中旬~10月中旬の週末(7月~9月は平日の運行日もあり)に運行されています。終点となる七倉登山口からは、七倉岳や船窪岳に登ることができます。
また、七倉登山口からさらに奥の「高瀬ダム」へは、登山シーズンのみ「特定タクシー」が運行されています。
- 登山口: 高瀬ダム(烏帽子岳)
- アクセス: 七倉から高瀬ダムまで約15分、2,400円/台(4名まで乗合可能)
- タクシー: 七倉~高瀬ダム 特定タクシー
七倉登山口から高瀬ダムまで歩くと2時間ほどかかります。特定タクシーを利用すれば15分で着きますし、4名で乗車すれば一人あたり600円で済みますので、タクシーを利用したほうが良いでしょう。
立山・剱エリアへの公共交通機関でのアクセス
立山・剱エリアへは、立山黒部アルペンルートの最高所となる「室堂」がベースとなります。立山黒部アルペンルートは、富山県側の立山駅(富山地方鉄道)と長野県側の扇沢を結んでいます。
- 立山駅へのアクセス: 北陸新幹線 富山駅から富山地方鉄道で約1時間10分(運賃1,110円)
- 扇沢駅へのアクセス: JR大糸線 信濃大町駅からアルピコ交通の路線バス「扇沢線」で約40分(運賃1,650円)
立山黒部アルペンルートは、以下の乗り物から構成されています。
(出典)立山黒部アルペンルート
東京など関東からは扇沢のほうが近いのですが、北陸新幹線の開業により、富山県側の立山駅のほうが時間的には早く到着します。また、立山駅からは、立山ケーブルカーと立山高原バスを乗り継ぐだけなのに対して、扇沢からは、関電トンネル電気バス~黒部ケーブルカー~立山ロープウェイ~立山トンネルトロリーバスと4つの乗り物を乗り継ぐ必要があります。
立山黒部アルペンルートについては、「立山黒部アルペンルート」のWebサイトをご確認ください。
以前、登山ではなく旅行で立山黒部アルペンルートを旅した時に、いかに混雑を避けて移動したかを書いた記事です。
室堂(立山・剱岳)
立山エリアのもっともメジャーな登山口が、立山黒部アルペンルートの最高地点となる「室堂」です。立山(雄山、大汝山、富士ノ折立)に加えて、浄土山、別山の立山三山に登ることができるほか、剱岳の登山基地となる剣沢へのルートもあります。
【立山駅から室堂へのアクセス】
- 立山駅 → 美女平: 立山ケーブルカー(所要時間 約27分)
- 美女平 → 室堂: 立山高原バス(所要時間 約50分)
富山県側の立山駅からは、立山ケーブルカーと立山高原バスを乗り継いで室堂まで行くことができます。立山ケーブルカーは輸送力が小さく、繁忙期には乗車待ちが発生します。立山黒部アルペンルートの「WEBきっぷ」を事前予約で購入すると、立山駅を出発する立山ケーブルカーの時刻を指定することができます。
東京駅から朝一番の北陸新幹線「かがやき501号」に乗車すると、以下の乗り継ぎで、室堂には午前11時10分に到着します。
- 東京 06:16発 → 富山 08:23着(北陸新幹線 かがやき501号)
- 電鉄富山 08:43発 → 立山 09:34着/10:00発 → 美女平 10:07着/10:20発 → 室堂 11:10着
※平日は、電鉄富山08:40発→立山09:33着となります。
立山黒部アルペンルートの「WEBきっぷ」については、以下のページをご覧ください。
【富山駅・黒部宇奈月温泉駅から室堂へのアクセス】
夏山シーズン限定ですが、富山駅や黒部宇奈月温泉駅から室堂へ直通するバスも運行されています。
- バス路線名: 夏山バス室堂線
- 運行会社: 富山地方鉄道株式会社
- 運行経路: 富山駅~室堂
- 運行期間: 2024年7月13日~15日、7月20日~8月25日の毎日、8月31日~10月14日の土・日・祝
- 運賃(最寄駅から): 4800円
- Webサイト: 富山地方鉄道株式会社 夏山バス室堂線
- 概要: 夏山バス室堂線は富山駅から室堂までを結ぶバス路線です。運行期間は7月13日~15日、7月20日~8月25日の毎日、8月31日~10月14日の土・日・祝です。大人の往復運賃は9,000円、片道運賃は4,800円です。所要時間は2時間30分で、富山駅前発が6時30分、室堂発が14時30分の1往復のみ運行です。
富山駅~室堂を直通する「夏山バス室堂線」は、所要時間が2時間30分とそれなりにかかりますが、乗り換えなしで直行できるのがメリットです。ただし、室堂着が午前9時となるため、少しでも早い時間に到着したい場合は、立山黒部アルペンルートを乗り継ぐ方が良いです。
2024年のダイヤでは、富山駅を始発列車で出発すると、以下のように午前7時50分、または、午前8時30分に到着できます。
- 電鉄富山 05:21発 → 立山 06:13着/06:40発 → 美女平 06:47着/07:00発 → 室堂 07:50着(特定日のみ)
- 電鉄富山 06:05発 → 立山 07:14着/07:20発 → 美女平 07:27着/07:40発 → 室堂 08:30着(平日ダイヤ ※休日は電鉄富山06:00発)
公共交通機関で室堂でアクセスする場合、少しでも早い時間に到着したいのであれば、富山駅近辺で前泊して、富山地方鉄道の始発列車から乗り継ぐのが一番早いです。
- バス路線名: アルペンライナー(宇奈月-室堂線)
- 運行会社: 富山地方鉄道株式会社
- 運行経路: 宇奈月温泉~黒部宇奈月温泉駅~室堂
- 運行期間: 4月29日~5月26日(日)、7月13日(土)~10月14日(月・祝)の土・日・祝運行
- 運賃(最寄駅から): 5400円
- Webサイト: 富山地方鉄道株式会社 アルペンライナー(宇奈月-室堂線)
- 概要: アルペンライナー(宇奈月-室堂線)の2024年度の運行期間は4月29日から10月14日までの土休日です。ゴールデンウィークとお盆休みは毎日運行となります。黒部宇奈月温泉駅~室堂の運賃は大人5,400円です。アルペンライナー(宇奈月-室堂線)は予約制です。
宇奈月温泉・黒部宇奈月温泉駅~室堂を直通する「アルペンライナー(宇奈月-室堂線)」も、土休日を中心に運行されています。
こちらは、朝の北陸新幹線「はくたか551号」で東京駅(午前6時28分発)を出発して、黒部宇奈月温泉駅で乗り継げるダイヤになっています。室堂到着は11時55分ですので、その日の登山は厳しいですが、室堂や雷鳥沢周辺のホテルや山小屋に宿泊するのに向いています。
前述の富山駅からのアルペンルートの乗り継ぎよりも室堂到着はやや遅くなりますが、乗り換えが少ないメリットはあります。
【扇沢から室堂へのアクセス】
- 扇沢 → 黒部ダム: 関電トンネル電気バス(所要時間 約16分)
- 黒部ダム → 黒部湖: 徒歩
- 黒部湖 → 黒部平: 黒部ケーブルカー(所要時間 約5分)
- 黒部平 → 大観峰: 立山ロープウェイ(所要時間 約7分)
- 立山ロープウェイ → 室堂: 立山トンネルトロリーバス(所要時間 約10分)
長野県側の扇沢からは、4つの乗り物を乗り継いで室堂へアクセスします。それぞれの乗り物の乗車時間は短いですが、乗り継ぎに待ち時間があります。また、繁忙期には乗車待ちが発生しますので、時間に余裕を見ておく必要があります。
扇沢発の場合も、事前に「WEBきっぷ」を購入しておくと、扇沢発の関電トンネル電気バスの予約をすることができます。
称名滝(大日三山)
立山連峰から北西側にのびる山並みに位置する大日三山(奥大日岳・中大日岳・大日岳)へは、称名滝から登ることができます。称名滝へは、立山駅から立山黒部貫光が運行する「称名滝探勝バス」(5月中旬~11月上旬運行)を利用できます。
- バス路線名: 称名滝探勝バス
- 運行会社: 立山黒部貫光
- 運行経路: 立山駅~称名滝
- 運行期間: 2024年5月9日~11月10日
- 運賃(最寄駅から): 500円
- Webサイト: 立山黒部貫光 称名滝探勝バス
- 概要: 富山地方鉄道の立山駅と称名滝を結ぶバスです。立山駅から称名滝までの所要時間は15分、運賃は片道500円です。称名滝からは大日三山へ登ることができます。
折立(薬師岳・雲ノ平)
薬師岳や雲ノ平への玄関口となる登山口「折立」へは、富山駅から、富山地方鉄道が「折立直通バス」を運行しています。
- バス路線名: 折立直通バス
- 運行会社: 富山地方鉄道株式会社
- 運行経路: 富山駅~有峰口駅~折立
- 運行期間: 2024年7月13日~8月25日の毎日、8月31日~9月23日の土・日・祝
- 運賃(最寄駅から): 4500円
- Webサイト: 富山地方鉄道株式会社 折立直通バス
- 概要: 折立直通バスは、富山駅と折立登山口を結ぶ季節運行のバスです(予約制)。2024年度の運行期間は7月13日から8月25日の毎日と、8月31日~9月23日の土休日です。大人の往復運賃は9,000円で、片道運賃は4,800円で、予約制となっています。富山地方鉄道立山線の有峰口駅を発着するバスも運転されていて、富山地方鉄道の電車から乗り継ぐこともできます。
「折立直通バス」は予約なしでも乗車できますが、満員の場合は乗車できなくなってしまいます。事前に予約することもできますので、なるべく予約しておくことをおすすめします。
予約は発車オ~ライネットからできます。
詳しくは、富山地方鉄道のWebサイトをご確認ください。
関連記事
北アルプス南部の主要登山基地となる上高地へのアクセス方法をまとめた記事です。各地からの夜行バス、鉄道と路線バスなど、さまざまなアクセス方法を紹介していますので、ぜひご覧ください。
主要山域への公共交通機関でのアクセス方法のまとめ記事です。この記事で紹介した北アルプス以外に、南アルプスや八ヶ岳、奥秩父なども取り上げています。ぜひご覧ください。
主要登山口への路線バスの情報を手軽に閲覧できるWebアプリ「登山口バスナビ」を提供しています。
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