飯能アルプスの東側、飯能駅から天覧山~多峯主山~天覚山~大高山と縦走し、吾野駅まで歩いてきました。標高100メートル台から500メートル弱までの純然たる低山ですが、小刻みなアップダウンが多いうえに、ピークの手前は急登があり、標高に似合わず歩きごたえたっぷりのルートでした。
飯能アルプス 天覧山~大高山を歩く!
飯能アルプスとは、いったいどこを指すのか? 登る前に調べてみました。
いろいろ調べてみると、一般的には、飯能駅の近くにある天覧山(標高197メートル)から伊豆ヶ岳(標高851メートル)までの山々を指すことが多いようです。広義には、伊豆ヶ岳から先、秩父にある武甲山までを含む場合もあるそうです。
一般的な定義に照らし合わせてみると、今回歩いてきた天覧山~多峯主山~天覚山~大高山は、飯能アルプスの東半分といったところでしょうか。
以前、正丸駅から正丸峠~伊豆ヶ岳~子の権現~吾野駅というルートを歩いたことがあります。
今回歩いてきたコースをあわせると、飯能アルプスの主要なピークには一通り登ったことになりますが、登山道の軌跡という点では、大高山~子の権現の間がつながっていません。また別の機会に歩ければと思っています。
というのはさておき、今回歩いてきたコースを地図上に示すと、以下のようになります。
ご覧いただければわかるとおり、西武池袋線の飯能駅から吾野駅の線路の南側に沿って歩いています。天覧山や多峯主山(とうのすやま)はもちろんのこと、他の山も、このルートどおりに歩くと遠く感じますが、尾根から麓の町までの距離は短く、里山といった雰囲気の山々です。
とはいえ、尾根沿いに歩くとアップダウンが多いですし、天覚山や大高山の山頂前後は急坂になっているので、特に登りは大変です。今回のルートでの最高峰は大高山の標高493メートルで、500メートルにも満たない低山ですが、低山だからといって馬鹿にできないほどの歩きごたえのあるルートでした。
今回の主な行程は以下のとおりです。
- 07:40 飯能駅 出発
- 08:00 天覧山登山口
- 08:20 天覧山山頂 到着
- 08:30 天覧山山頂 出発
- 08:50 多峯主山 到着(小休止)
- 09:05 多峯主山 出発
- 09:35 多峯主山登山口
- 09:40 天覚山登山口
- 10:00 久須美ケルン(展望ポイント) 到着(お昼休憩)
- 10:20 久須美ケルン(展望ポイント) 出発
- 10:30 久須美山
- 11:50 天覚山 到着(休憩)
- 12:15 天覚山 出発
- 13:10 大高山
- 14:05 吾野駅 下山
YAMAPのログによると、距離は15.4km、累積標高(上り)は1,202メートルでした。標高500メートルに満たない山に登るのに、累積標高が1,202メートルですから、アップダウンがいかに多いかがわかると思います。
飯能アルプスへの公共交通機関でのアクセス
今回歩いていない飯能アルプスの西側も含めて、飯能アルプス(天覧山~伊豆ヶ岳)の公共交通機関でのアクセスを紹介します。
といっても、いずれも西武線の駅から徒歩で登山口にアクセスできますので、各山の登山口の最寄り駅を上げておきます。
山名 | 最寄り駅 | 登山口までの 所要時間 |
備考 |
---|---|---|---|
天覧山 | 飯能駅 | 約20分 | |
多峯主山 | 飯能駅 | 約30分 | ※1 |
天覚山 | 東吾野駅 | 約5分 | |
大高山 | 吾野駅 | 約5分 | |
子ノ権現 | 吾野駅 | 約30分 | |
伊豆ヶ岳 | 正丸駅 | 約30分 |
※1: 木立の尾根道入口から登る場合
飯能駅までは池袋駅から直通の電車がありますが、飯能駅から先の各駅へは、基本的に飯能駅で乗り換えとなります。飯能駅から先の駅では、電車の本数がかなり少なくなります。日中時間帯は30~40分に1本くらいですので、注意しましょう。
【天覧山】飯能駅をスタートして40分で山頂へ!
飯能駅をスタートして20分ほどで天覧山の登山口へ。登山口からは中段までが約10分、そこから山頂までがさらに10分ほどで、あっというまに山頂です。標高は低いですが、山頂からの眺めはなかなかです。
飯能駅を出発し天覧山の登山口へ
飯能駅を7時40分頃に出発します。土曜日の朝だったせいか、飯能駅の駅前はとても静かです。バス停には、名栗湖方面へのバスを待っていると思われる登山客がちらほら。
飯能駅前の通りです。歩いている人は少なく、とても静かです。まだ町が活動を始める前の空気感です。
3回ほど道を曲がり、20分ほどで天覧山の登山口に到着しました。YAMAPの地図とにらめっこしながら歩きました。街中は分岐が多いので迷いやすいですね。途中からは「天覧山」の道標が出てきましたので、それに従うのが良いでしょう。
人が少なく静かな天覧山を登って中段へ
天覧山の登山口です。「登り口」という言い回しが面白いですね。
「天覧山」は、昔は「愛宕山」と呼ばれていたそうです。1883年に明治天皇が天覧山を訪れ、近衛兵の演習をご覧になったときに、「天覧山」という名前になったのだそうです。「天覧試合」などの「天覧」と同じ意味なのですね。
登山道ではなく、きれいなアスファルトの道が続いています。途中に「日の入りから日の出まで入山禁止」の張り紙がありました。照明がないので危険でしょうし、町に近く、お寺のすぐ上ということもあって、騒がれても困るからでしょうね。町に近い山ならではの張り紙です。
とても歩きやすい、緩やかな傾斜の道が続いています。
すぐに大きな広場に到着しました。ここは天覧山の「中段」というそうです。東屋やベンチ、トイレまであります。飯能の町から散歩するにはちょうど良いところですね。まだ朝早いので、ほとんど人はいませんでしたが、日中は憩いの場として賑わうのでしょうね。
「岩場」コースで天覧山に登頂!
大きな広場の奥に「天覧山 中段」の看板がありますが、その裏手から山頂への道が続いています。
すぐに分岐になります。どちらからでも山頂に行けるようですが、左側は「岩場を通って山頂へ」とあるので、岩場のコースにチャレンジしてみましょう。
分岐からすぐのところに、石仏が並ぶ場所があります。「十六羅漢像」です。徳川五代将軍綱吉が病にかかった際、天覧山の麓にある能仁寺の和尚の祈願で治ったことを喜んで寄進されたものだそうです。
十六羅漢像を過ぎると、いよいよ岩場があります。といっても、きちんと岩に階段が切ってあって、登りやすいようになっていますので、心配はいりません。
岩場のあとは石の階段を少し登ると、あっという間に山頂です。標高は195メートル。飯能駅の標高が100メートルくらいですので、標高差で言えば100メートルくらい登ってきたことになります。
低山ながら眺望の良い天覧山の山頂
標高は低いですが、山頂からの眺めはなかなか。飯能の市街地を一望できます。逆光でやや霞んでいますが、肉眼で見るともっときれいに見えます。
天覧山の麓の町並みも良く見えますね。低い里山が連なる飯能市は関東平野の西の端にありますが、天覧山から眺めると、平野と山地の境目にある町であることがよくわかります。
西側には奥多摩の山々も良く見えました。一番目立つのは、独特の山容をした大岳山。右側は御前山でしょうか。
やや空気が霞んでいたので、今日は富士山は見えないな、と思っていましたが、よーく見るとうっすらと見えるではありませんか。写真にするとさらにうっすらとなってしまうので、わからないかもしれませんが、肉眼ではぎりぎり見ることができました。
天覧山の山頂はこのような展望台になっています。景色を眺めるのにはぴったりですね。景色を眺めるなら山頂で、休憩するなら中段の広場が良さそうです。
【多峯主山】歩きやすい遊歩道と階段で眺望が素晴らしい多峯主山へ
天覧山からはいったん下ってから多峯主山への登りとなります。階段や遊歩道が整備されて、とても歩きやすい道です。山頂からの眺望は素晴らしく、今回のルートではNo.1の眺望でした。
天覧山から階段を下って谷津の里へ
天覧山の山頂から、登ってきたのとは反対側にある階段を下ります。かなり長い階段で、一気に標高を下げてしまいます。
階段を下り切ったところは、天覧山と多峯主山の間に挟まれた谷になったところで、「谷津の里」として親しまれています。かつての原風景を取り戻すために、整備が進められているとのこと。そんな里の中の遊歩道を歩いていきます。
湿原なのか草原なのかわかりませんが、自然豊かな遊歩道が続いています。この時期は冬枯れで殺風景ですが、春になると緑が美しいのでしょうね。
整備された登山道を歩いて多峯主山へ
遊歩道を5分ほど歩くと、多峯主山の登山口に到着しました。ここから再び登りになります。というよりは、一から登り直しといった感じでしょうか。最初は、緩やかな階段が続きます。
階段を登りきると、しばらくはほぼ平坦な植林帯の道になります。とてもよく整備されていますし、幅も広いので歩きやすいです。植林帯ではありますが、木漏れ日が差し込んできて、良い雰囲気です。
多峯主山の登山口から10分ちょっとで、多峯主山山頂への分岐に到着しました。ここを右に曲がって山頂を目指します。
ここまでは快適な道でしたが、ここから山頂まではずっと階段が続きます。最初は比較的傾斜が緩やかな石の階段が続きます。
山頂が近くなると傾斜が急になり、階段の段差も大きくなります。山頂直下は、上の写真のように道が分かれていて、右側には鎖までありますね。
眺望が素晴らしい多峯主山山頂で休憩
多峯主山の山頂に到着しました。標高は271メートルで、天覧山よりも80メートルほど高いようです。その標高の高さと、天覧山よりも眺望が大きく開けているため、多峯主山の山頂からの眺望は思っていたよりも素晴らしいです。今回のルートではNo.1の眺望でした。
多峯主山は「とうのすやま」と読みますが、難読山名の一つですね。初見で読める方は少ないのではないでしょうか。
まず、視界が大きく開けている西側を見てみると、奥多摩の山々を一望できます。やはり目立つ大岳山と、その隣に御前山。御前山の手前にある低い山並みは高水三山です。こう見てみると、奥多摩は、この奥武蔵から近いのがわかりますね。
山名板の裏側からは北~北西側の眺望がよく、奥武蔵の名峰が見えました。中央やや右よりの三角の特徴的な山が、秩父のシンボル武甲山ですね。その左側は大持山~小持山でしょうか。以前、縦走したことがある山々です。なかなか歩きごたえのあるルートでした。その時の様子は、以下の記事をご覧ください。
そして、その山並みの手前、中央の鉄塔に隠れている山が天覚山のようですね。これから向かうとなると、遠く感じます(笑)
多峯主山の山頂にはベンチやテーブルもあるので、休憩にも良い場所です。景色を眺めながら少し休憩を取りました。天覧山の登山口から多峯主山までは1時間ほどで着きますので、登山装備の方以外にも、地元の年配の方々や、トレランの方も多く見られました。ここまでは市民に親しまれている里山といった感じですね。
【多峯主山~久須美山】天覚山登山口から久須美山へ
多峯主山から先は、いったん車道まで下り、天覚山の登山口から新たに登り直しになります。住宅街の上にある眺望の開けた久須美山に登り、景色の良いところでお昼にしました。
山頂直下の入り組んだ分岐を経て鞍部へ
多峯主山からは、テーブルやベンチが設置されている脇にある登山道へ歩いていきます。山頂直下をジグザグに下りていきます。
多峯主山の山頂下は、各方面への分岐がたくさんあります。道標はありますが、まだ次に目指す「天覚山」は出てこないので、間違えないように進みます。
多峯主山の山頂から少し下ったところに、きれいなバイトトイレが設置されていました。YAMAPの地図ではありませんでしたが、きちんと使えます。ここでトイレをお借りしました。この先、おそらく下山するまでトイレはなさそうですので。
トイレのすぐ近くにも分岐があります。YAMAPの地図を確かめながら、慎重に進むべき道を選びます。とりあえず「御嶽八幡神社」とある方へ行けばいいようです。
またまた分岐です。「久須美坂」とある右側へ進みます。ルート上のピーク名や地名などを頭に入れておくと、迷わなくて良いかもしれませんね。
しばらく登山道を下っていくと、沢というか小川が近くを流れている鞍部に出ました。丸太のベンチには、白い文字で「はんのうアルプス」と書かれていますね。このあとも、随所で木に「はんのうアルプス」と書かれたところがありました。
小ピーク「大黒山」を越えていったん車道へ
この鞍部からの登り返しの道がややわかりづらかったのですが、反対側の斜面にある木の階段を登っていけばOKです。やや急な階段ですが、長くは続きません。
階段を登り切り、少し進んだところに「大黒山」というピークがありました。眺望はないですし、ただの登山道の途中にしか見えませんが、木に「大黒山 220m」という山名を記したものが巻き付けられていました。
しばらく樹林帯の中の緩やかなアップダウンのある道を歩くと、沢筋の道に出ました。この小さな沢沿いに下っていくようです。
すると、すぐに車道に出ました。車道を右へ少し歩いて、別の登山口から天覚山を目指すことになります。要は、いったん下山して、また新たに天覚山に登る、という感じですね。
住宅地を眺めながら眺望の開けた道を歩く
天覚山への登山口は、車道を少し歩いたところの反対側にあります。クルマがそれなりに通るので、気をつけて車道を渡ります。
登山口には「天覚山 久須美坂」という道標があり、ここにきてようやく道標に「天覚山」が出てきます。その横には「竈門山登山口」と書かれた案内もあります。鬼滅の刃の聖地とのことで、新たに追加されたのでしょう。でも、今回は竈門山には行きません。
登山口を入ると、山の斜面を登る木の階段が続きます。この階段を登りきると……
明るい尾根道に出ました。右側が開けたところからは、すぐ下にある住宅街を一望できます。前方に見える山が久須美ケルンで、これから通ります。
住宅街から久須美ケルンに向けて階段が設置されているのが見えます。あれを登るのかな? と思ったら、登山道は樹林帯の中に別にあるようで、住宅地の左側を通っていきます。
いったん住宅街と同じ高さまで下ったあと、住宅街のすぐ脇を通って、久須美ケルンに登り返しになります。それなりの登りが続きますが、それほど長くはありません。
久須美ケルンの展望スポットでお昼休憩!
登りきると、住宅街が見える東側の眺望が開けたところがありました。ベンチもあったので、少し早いですが、ここでお昼にすることにしました。
いつものように、サーモボトルに入れてきたお湯を注いで3分。カップヌードル(シーフード)を食べました。いつもは食後のコーヒーも(インスタントですが)楽しむのですが、今日はまだ先が長いので、このあとの楽しみにとっておくことにします。
久須美ケルンを経由して久須美山へ
先ほどの展望スポットからすぐのところに、「久須美ケルン」がありました。道標の横にあるケルンのことを指しているのでしょうか? 正式には永田山という山のようです。久須美山はこの先に別にあるようですね。
久須美ケルンは眺望がないので、先へ進みます。
久須美ケルンからは、植林帯の道を下っていきます。
少し下ったところに分岐がありました。山の麓にある東光寺というお寺へ抜ける道のようです。里山らしく、地図にない道も多くあります。道標がしっかりしているので間違えることはなさそうです。ここは、このまま直進します。
少し登り返すと、こじんまりとした広場に小さなお社がありました。すぐ横の木に「久須美山 260m」という札がかかっていたので、どうやらここが久須美山の山頂のようです。
植林の杉の木に囲まれていて、眺望はありません。
【久須美山~天覚山】ひたすら続くアップダウンを超えて天覚山へ
久須美山からは、ずっと樹林帯の道を歩いていきます。小刻みなアップダウンが延々と続きます。天覚山への登りは急登で、低山ながらかなり歩きごたえのあるルートです。
植林帯のアップダウンの続く道を延々と……
久須美山からひとしきり下ると、手作り感満載の道標がありました。ここが「久須美坂」のようです。久須美の「美」を抜かしてしまったものをそのまま使うところがオシャレですね。
武蔵横手駅への分岐がありました。町に近い里山らしく、里へと下るルートがたくさんありますね。YAMAPの地図では破線ルートになっている道も多くあります。
さて、久須美山を過ぎたあたりから、小刻みなアップダウンが何度も繰り返されるようになります。急登というほどのところは多くないですし、登りも短いものが多いのですが、ひたすら登って下って登って……と続いていきます。
上の写真のようなところを登ると……
ピークっぽいところに出ますが、特に名前はついていないようです。そして、またすぐに下っていきます。こんな感じのところを何度も通過していきます。
ゴルフ場の脇を通過してゆっくりと標高を上げる
左手が開けたところから景色をみてみると、どうやらすぐ下はゴルフ場のようです。地図を見てみると、飯能グリーンカントリークラブとあります。本当にすぐ近くで、ゴルフを楽しんでいる人たちの声が聞こえてくるほどです。
こちらはひたすら山歩きを楽しみます(笑)
「標高303m」と書かれたピークに到着。小刻みなアップダウンはありつつも、少しずつ標高は上がっているようです。
こんな感じで、下って、すぐにまた登りになるというところがとても多いです。平らな道はあまりないのですよね……。
ところどころ、名もなきピークの手前に急登も出てきます。が、それほど長くは続かず、すぐにピークっぽいところに出ます。
次第に激しくなるアップダウンを超えて東峠へ
小刻みなアップダウンが、次第に大きなアップダウンに変わっていきます。ゴルフ場の脇を過ぎて、少し山深いところへ入ってきたようです。
ちょうど天覚山のほうから歩いてきた方がいたので聞いてみたら、天覚山はもうそれほど遠くはないものの、何度か急な登りがあるそう。心して登りましょう。
大きな高圧線の鉄塔の脇を通過していきます。低山ではよくある光景ですね。
鉄塔を過ぎたあと、少し下ると林道のような道に出ます。ここが「東峠」です。先ほどの鉄塔があるところは標高340mくらいありましたが、どうやら300mを切るところまで下ってきてしまったようです。この先、標高445mの天覚山まで、標高差150m以上の登り返しになりそうですので、覚悟していきましょう。
林道に出たところから左に少し下ると、右側に登山道の入口があります。
何度も続く急登を登りきって天覚山へ!
林道から登山道に入り、沢沿いを少し登っていくと、木が伐採されたところに出ました。ここにも大きな鉄塔がありますが、多峯主山の山頂から見た時に、天覚山の手前にあった鉄塔はこれかもしれませんね。
鉄塔を過ぎたあたりから、急登が始まります。これくらいの急登は低山でもよくありますが、ここまでひたすら小刻みなアップダウンを超えてきて、地味に体力を奪われているので、結構キツいのです。
なかなかの急登! 段差がちゃんとあって歩きやすいのが救いですね。
いったん平坦になったあと、最後の急登が始まります。ここは短めですが、本当に急でした。そして……
12時少し前、ようやく天覚山に到着! 山頂はあまり広くはありませんが、ベンチがいくつかあります。幸い、一つ空いていたので、少し休憩していくことにします。
天覚山山頂でコーヒータイム!
天覚山の山頂は、南側だけが開けています。標高が高いので、天覧山や多峯主山より遠くまで見渡すことができますが、ちょっと霞んでしまっていて、あまり景色を楽しむことはできませんでした。
眺望という点では、いろいろな方角が開けている多峯主山のほうが良いかもしれませんね。
インスタントコーヒーを淹れて、行動食のカロリーメイトを食べながら休憩します。
一応、天覧山、多峯主山、天覚山と、飯能アルプス東側の主要なピークには登ったので、これからどうするかをしばし考えます。山頂で少しお話をした方によると、天覚山から東吾野駅へは1時間もかからずに着くそうです。一方、もともと予定していた大高山~吾野駅のルートだと、おそらく2時間~2時間半の行程です。
いろいろと考えた結果、まだ12時過ぎで時間はたっぷりあるので、吾野駅14時36分の電車を目指して、計画どおり、大高山を経由するルートを歩くことにしました。
天覚山山頂の様子です。丸太で作られた簡易なベンチがいくつかあります。休憩するには十分ですね。
30分ほど休憩したので、再び先へ進みましょう。
【大高山~吾野駅】まだまだ続くアップダウンと急登をクリアして大高山へ
天覚山から先は、これまで以上にアップダウンが激しくなります。最後の急登を登りきってようやく大高山に到着。その後、分岐まで下り、吾野駅へと下山しました。
激下り・急登を繰り返す登山道を歩く
天覚山の山頂からすぐのところに、東吾野駅方面へ下る道と、大高山へ向かう縦走路の分岐があります。東吾野駅へ下りたい気持ちを抑えつつ、先ほど決めたように、大高山へ向かいます。
天覚山の山頂からは、一気に急坂を下っていきます。大高山は天覚山より標高が高いんだけどね、と思いつつ、仕方がないので下ります(笑)
久須美山あたりは小刻みなアップダウンが多かったのですが、ここまでくると、アップダウンもかなり大味になってきます。標高が高くなってきているせいでしょうかねぇ。
こんな痩せ尾根のような道もたまに出てきます。それほど危険は感じませんでしたが、もうだいぶ歩いてきて疲れているので、慎重にクリアします。
何度かアップダウンを繰り返すと、木々の間から大きな山が見えてきました。どうやらあれが大高山のようです。これからあれに登るのか……と思いつつ先に進みます。
標高差100mを登り返して大高山に登頂!
「大岩」という大きな岩がありました。YAMAPを見ると標高は400メートル。大高山は494メートルなので、ここから100メートル以上の登り返しです。
大高山への登りです。幸い、天覚山手前の急登ほどではなく、道幅も広めなので、ジグザグに歩いて登っていきます。
先ほどの大岩からずっと登りが続きます。傾斜はそれほど変わらず、ずっとこんな感じの登りが続きます。
何とか登りきって、大高山の山頂に到着! 山頂には、木と石の山頂標柱がありましたが、他には何もありません。
眺望は、わずかに木の間から見えるだけ。おそらく西のほうが見えているはずですが、逆光になっているうえ、かなり霞んでしまっていたので、何が見えているのかはよくわかりませんでした。
飯能アルプスの東側は、飯能駅から天覚山まで歩いて東吾野駅へ下る方が多いようですが、確かに大高山は眺望目当てで登る山ではないですね。ここにやってくるのは「飯能アルプスを全て歩きたい」という方だけでしょう。
何はともあれ、今回予定していた最後のピークにも登頂できたので、あとは下るだけです。水分補給をして、少し休憩してから下山を開始します。
急坂を下って吾野駅への分岐へ
大高山からの下りはかなり急です。山頂直下はこんな感じの道を下っていきます。
いったん平らになると、痩せ尾根を通過します。
さらにザレた急坂を下ります。ここはとても滑りやすかったので、慎重に下りました。天覚山のほうからの登りのほうがやや緩やかな感じでしたね。こちらから登ると急登続きになりそうです。
しばらく下ると、林道に出ます。登山道はすぐ反対側に続いています。林道とよく交差するのも、低山というか里山ならではです。
林道から少し登り、緩やかなアップダウンを過ぎると、ようやく吾野駅への分岐に到着しました。先へ進むと子の権現へと至るルートですが、今回の飯能アルプスの尾根歩きはここまでにして、下山します。
緩い下り坂で吾野駅へ下山
分岐からは急坂が続くのではないかと思っていましたが、緩い下りがしばらく続きます。こういう里山の登山口と尾根をつなぐ道は、林業の作業道と共用になっていて、かなり急坂が多いイメージだったのですが、ここは違うようですね。
町が見えてくると、やや急な下りになります。それでも、比較的下りやすい道でした。
ようやく登山口まで下山! 登山口は墓地の管理棟の裏側でした。西武線の線路の下をくぐって、吾野駅へ向かいます。
吾野駅に到着したのが14時06分。14時09分の西武秩父行きの電車にギリギリ間にあいました!
このあと、芦ヶ久保駅へ移動して、ちょうどこの週末に見ごろになっている「あしがくぼの氷柱」を見てきました。そのときの様子は、以下の記事をご覧ください。
飯能アルプス、低山ながら歩きごたえのあるルート!
ということで、飯能アルプスの東側、天覧山~多峯主山~天覚山~大高山を歩いてきました。
天覧山~多峯主山は、飯能市民の憩いの場といった感じで、とてもよく整備されていて、地元の方も多く見かけました。天覧山は登山口から20分ほどで登れますし、多峯主山まで歩いても1時間程度。標高は低いながらも、関東平野の端に位置することもあって、眺望はかなり良かったです。
一方、天覚山~大高山は、ひたすら植林帯の中を歩く地味なルート。アップダウンが多く、ピークの手前は決まって急登があり、とても標高400メートル前後の低山とは思えない歩きごたえのあるルートでした。眺望はあまり期待できないので、どちらかというと静かな里山を歩きたい人向けといった感じでしょうか。
軽いハイキングなら天覧山と多峯主山、もう少し本格的に歩きたければ天覚山まで歩いて東吾野駅へ下山、というコースが良さそうです。
今回の主な登山装備
- メリノウールの長袖アンダーシャツ(モンベル)
- 化繊の長袖シャツ(ワークマン)
- 厚手のフリース(モンベル)
- ソフトシェル(モンベル)
- トレッキングパンツ(モンベル)
- 登山靴(AKU)
- ザック(グレゴリー ZULU30)
- レインウェア上下 ※利用せず
- 膝サポーター(ザムスト EK-3)
- 飲み物(お湯750ml+ペットボトル500ml×2本)
- お昼ご飯(カップヌードル1個)、行動食
- ファーストエイドキット
- ヘッドライト
行動中は、メリノウールのアンダーシャツ、化繊の長袖シャツ、ソフトシェルの3枚で行動しました。ソフトシェルはモンベルの「ライトシェルパーカ」を使っていますが、やや厚手のため、気温が上がってくると少し暑くなってきます。かといって、脱いでしまうと寒いので、温度調節が難しかったですね。ファスナーを開けたり、少しうでまくりをしたりして調節しました。
とはいえ、モンベルの「ライトシェルパーカ」、かなり気に入っていて、晩秋~冬の低山登山ではアウターとして大活躍です。夏山の防寒着としても使えるので、とても重宝しています。ただ、もう少し薄手のシェルと使い分けた方がいいかな、と思っています。
以上、「【飯能アルプス】天覧山から大高山までを縦走! 低山ながらアップダウンが多く歩きごたえのある山歩き!」でした。低山ながら侮れない飯能アルプス。駅へ下る道が多く、時間や体力にあわせてプランニングできますので、静かな山歩きを楽しみたい方はぜひ!
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