2021年の初登りは、年末に続いて秀麗富嶽十二景の山へ。今回は、中央本線の南側にある高畑山・倉岳山に登ってきました。冬の空気が透き通った好天に恵まれ、山頂からは迫力のある富士山を眺めることができました。駅から歩いて登れる山で、アクセスも抜群です。
「秀麗富嶽十二景」の高畑山・倉岳山とは?
秀麗富嶽十二景は、大月市が定めた富士山を望むことのできる12の山域です。2020年の年末には、秀麗富嶽十二景の六番「扇山」と七番「百蔵山」に登ってきました。
2021年の初登山は、同じく秀麗富嶽十二景の「高畑山」「倉岳山」に登りました。この二つの山は隣接していて、まとめて秀麗富嶽十二景の九番となっています。
高畑山と倉岳山は、中央本線の南側に位置します。扇山や百蔵山と同様、秀麗富嶽十二景の中では最も東寄りあり、東京からのアクセスが良い山です。
高畑山、倉岳山ともに中央本線の南側に位置します。高畑山は鳥沢駅から、倉岳山は梁川駅から近く、両方とも駅から歩いて登れる山です。
高畑山は標高982メートル、倉岳山は標高990メートルで、1000メートルに満たない低山ですが、富士山に近いこともあって、山頂からの富士山の眺めは素晴らしいです。
鳥沢駅、梁川駅の標高は約300メートルですので、標高差700メートル前後を登ることになります。
今回の行程は以下のとおりです。
- 07:51 鳥沢駅 出発
- 08:23 高畑山登山口
- 10:07 高畑山山頂 到着
- 10:50 高畑山山頂 出発
- 11:15 天神山
- 11:20 穴路峠
- 11:45 倉岳山山頂 到着
- 12:30 倉岳山山頂 出発
- 13:46 倉岳山登山口
- 14:10 梁川駅 到着
高畑山、倉岳山ともに山頂で少し長めに休憩したので、全行程で6時間を超えてしまいました。実際に歩いている時間は5時間以下だと思います。
高畑山・倉岳山への公共交通機関でのアクセス
前述のように、いずれも中央本線の駅から歩いて登れます。
- 高畑山登山口: 鳥沢駅から約30分
- 倉岳山登山口: 梁川駅から約20分
梁川駅、鳥沢駅ともに高尾駅から中央本線の普通列車で25~30分です。新宿方面からは、高尾駅で乗り換えとなります。
両駅とも無人駅で、特急列車は停車しません。普通列車でのアクセスが必要です。
この区間の普通列車は、朝晩は1時間に3~4本、日中時間帯は1時間に2本程度あります。適当に下山しても、30分も待てば電車がやってきます。
鳥沢駅から高畑山登山口へ
午前7時35分に鳥沢駅に到着。年末の扇山・百蔵山登山に続いて、鳥沢駅からのスタートです。
駅前にある公衆トイレで用を出して、準備をしたら出発です。
駅前の国道20号線を右へ。少し歩いて、「高畑山」という標識にしたがって、路地のような狭い道へ入って、中央本線の下をくぐります。
少し線路沿いに歩いて右折。住宅地の中の細い道路を歩きます。何度か曲がりますが、上の写真のように「高畑山・倉岳山」という道標がありますので、それに従って歩けば、迷うことはありません。
住宅地を抜けて、桂川にかかる橋を渡ります。橋の向こうには、これから登る山々が見えてきました。
少し坂を登って、再び住宅地の中を抜けていくと……
行き止まり!? と思いきや、右端に登山者用の扉がありました。自分で扉を開けて、通ったあとで閉めました。
特に明示されていなかったのですが、ここが高畑山の登山口なのでしょうか。
小篠貯水池を過ぎて沢沿いを倉岳山との分岐へ
林道のような道を少し歩いていくと、大きなくぼみのようなものがありました。Googleマップで調べてみると「小篠貯水池」という池だそうですが、水は全くありませんでした。
貯水池の脇を登っていくと、林道のような道が終わり、登山道っぽい道になりました。
沢沿いの登山道を登っていきます。ゆるやかな登りですが、やや荒れ気味で、登山道がわかりづらくなっている箇所がありました。木に結ばれているリボンや、ところどころにある道標を頼りに進んでいきます。
鳥沢駅から約1時間、登山口から30分ほどで、高畑山と倉岳山の分岐点に到着しました。倉岳山へは後ほど登りますが、まずは高畑山方面へ向かいます。
沢沿いの道から離れて、少し急な登りになりそうだったので、ここで5分ほど小休止。行動食を食べて、水分補給をします。
尾根道から山頂直下の急登を登り切って高畑山山頂へ!
高畑山方面へは、斜面につけられたジグザグの登山道を登っていきます。急登というほどではないですが、そこそこの斜度はあって、これまでの沢沿いの道よりは「登っている」感があります。
高畑山の南斜面を登っているので、ところどころから北側の山が見えます。ちょっと木の枝が邪魔ですが、その向こうには、年末に登った扇山がよく見えていました。木々の合間から見える景色は、木に葉っぱがついていない冬季ならではですね。
ジグザグの道を登り終えると、尾根のような明るい道へ。このあたりは日当たりが良いので、落葉広葉樹が多いのでしょうか。ところどころ、登山道が大量の落ち葉で埋まっています。
明るい尾根道を進んでいきます。こういう道は歩いていて気持ちがいいです。が、あまり長くは続きませんでした。
いったん、山の中腹を下っていきます。
下り切ったところに、「高畑山」の道標がありました。ここから、山の斜面を再びジグザグに登っていきます。
先ほどの明るい尾根道とは対照的に、高い木が林立していて、薄暗い斜面を歩いていきます。
斜面のジグザグを登りきると、再び明るい尾根にでました。ここから山頂直下の急登の始まりです。高畑山の斜面を直登するような形になるので、一気に急になります。
ところどころ、落ち葉が多くて、しっかりと踏ん張って登らないと、ずるずると滑ってしまいそうです。一歩一歩、ゆっくりと登るしかありません。
結構長い急登を登り終えると、午前10時過ぎに、ようやく山頂に到着です。
高畑山の山頂を独り占め! 富士山を眺めながらのカップヌードルは最高!
高畑山の山頂は南側が開けていて、富士山がよく見えました。ここまで、ずっと北側の斜面を登ってきたので、山頂に着いて初めて富士山が見えるのです。しかも、目の前にどーんと出てくるので、なかなか感動的です。
やはり、雪をかぶった富士山は絵になります。扇山や百蔵山から見る富士山よりも、やや大きく見える印象です。単純に距離が近いからでしょうか。
高畑山の山頂はそれほど広くはないのですが、山頂には誰もいません。山頂を独り占めして、少し早めのお昼にします。お昼ご飯はもちろんカップヌードル。アルパインサーモボトルに入れてきたお湯を注いで3分で出来あがり!
カップヌードルを食べたあとも、しばらく富士山を眺めていたら、徐々に4名ほどの登山者が登ってきました。みな、山頂に着いた瞬間、目の前に富士山がどーんと現れる様子に、びっくりしつつも感動しているようです。うん、よくわかります(笑)
山頂にも人が増えてきたので、そろそろ出発しましょう。10時50分過ぎに、お隣の山、倉岳山を目指して出発しました。
天神山を経由して倉岳山へ縦走
高畑山から、東隣にある倉岳山への縦走路へ。いきなり急坂を下っていきます。高畑山は、こちらから登ってきても、最後は急登ですね。
落ち葉が多いので、滑らないように慎重に降りていきます。
木々の向こうには、これから登る倉岳山が見えています。こんもりとしたこの形、最後は間違いなく急登ですね。。。
急坂を下りきると、しばらくは快適な尾根を歩きます。
扇山~百蔵山の縦走路は、標高差が300メートル近くあったので、結構しんどかったのですが、高畑山~倉岳山の鞍部は標高約850メートル。標高差は100メートルちょっとなので、そこまでツラくはありません。
少しだけ登り返すと、「天神山」という小さいピークがありました。山頂は狭いですが、高畑山からは眺望の無かった北側が開けています。
鳥沢駅~猿橋駅あたりの町がよく見えます。その向こうにある山は百蔵山ですね。一番向こうに見える山並みは奥多摩でしょうか。
景色を眺めつつ、小休止。
天神山から急な坂を下ると、そこが穴路峠。高畑山に登るときに、倉岳山への分岐がありましたが、あの分岐を倉岳山方面へ向かうと、ここに出てくるようです。
そして、倉岳山山頂直下の急登へ。途中で見えた山容から予想はしていましたが、なかなかの急登。
急ではありますが、木の根っこに足をかけながら登れば、それほど難しくはありません。落ち葉に覆われていた高畑山のほうが苦労しましたね。
倉岳山山頂で富士山を眺めながらの山頂コーヒー!
急登を登り切り、12時ちょっと前に倉岳山の山頂に到着しました。お昼時ということもあってか、大勢の登山客で賑わっています。
そして、富士山もバッチリ! 高畑山から見るのとほぼ同じように見えますね。この日は朝から下山するまで快晴で、富士山には全く雲がかかりませんでした。
富士山が見えるところに陣取って、山頂コーヒータイム! 2月上旬だというのに、ポカポカ陽気。山頂で休んでいても、防寒用に持ってきたダウンがいらないくらいです。
倉岳山の山頂は、北側も少し眺望があります。向こうに見える山々は、黒岳や雁ヶ腹摺山でしょうか。その向こうは大菩薩嶺ですね。
いつまでも休憩していたい気分ですが、そろそろ下山しましょう。
快適な尾根道を歩いて立野峠へ
山頂からは、高畑山とは反対側の東側へ。途中の立野峠というところから、梁川駅方面へ下山するルートです。山頂直下の急坂を慎重に下ります。
いったん下ってしまえば、しばらくは快適な尾根歩き。
北側の眺望が良い場所がありました。奥多摩の山々も見えています。頭部分だけ見えているのが大岳山ですね。
多少のアップダウンはありつつも、快適な山道を歩いて立野峠に到着しました。ここは十字路になっていて、そのまま東へ進めば、さらに尾根を歩いていくことができます。が、今日は十分に歩いたので、ここから下山します。
沢沿いの道をどんどん下って梁川駅へ
立野峠から梁川駅方面へ下り始めると、最初は山腹をジグザグに下る道です。このあたりは登山道がよく整備されていて、快適に歩けます。
しばらく下っていくと、沢にぶつかります。ここからは、この沢に沿って、登山口まで下っていくことになります。
大雨が降ると大量の雨水が流れ下るので、やむを得ないのですが、沢沿いの道は荒れ気味です。危険なところはほとんどないのですが、流木や岩で荒れていると、登山道がわかりにくくなるのですよね。
登山道は、何度も小さな沢を渡ります。この時期は雨が少ないので、沢の水もちょろちょろといった感じですが、増水している時期は危ないかもしれません。
途中、どこが登山道かわかりくく、何度か間違いそうになりましたが、そのたびに地図を見て確認。登山道が不明瞭になったら、少し先まで見渡して、どこに道が続いているかを見極めるとわかりやすいと思います。
しばらく沢沿いの道を下っていくと、木の小さな橋がありました。ここまでくれば、登山口まではあと数分です。
倉岳山の山頂から1時間ちょっとで登山口まで下山。この先は車道を歩いていきますが、梁川駅までは1kmくらしか離れていません。
桂川にかかる橋を渡れば、すぐに梁川駅です。
無人駅の梁川駅ですが、駅舎はちょっと洒落ていますね。
梁川駅に到着して、今日の山行はここまで。このあと、大月駅へ移動して、駅前のお店で乾杯したのでした。
低山ながら富士山の眺めが素晴らしい高畑山・倉岳山
ということで、秀麗富嶽十二景のひとつ、高畑山と倉岳山に登ってきました。
この2つの山の醍醐味は、何といっても山頂からの富士山の眺め。「秀麗富嶽十二景」の名に恥じない、素晴らしい富士山を眺めることができます。
標高も1000メートル弱と、初心者でも十分に登れる山です。特に危険なところもないです。駅から直接歩けるので、公共交通機関でのアクセスも抜群ですね。
とはいえ、山頂直下は急登。足元が滑らないようなトレッキングシューズや登山靴が必要です。また、立野峠~倉岳山登山口の間の沢沿いの道は、若干荒れていて、登山道が不明瞭なところがあります。地図やコンパス、YAMAPなどのスマホアプリを持っていき、道がわからなくなったら、その都度、確認したほうがよいでしょう。
今回の登山装備
- メリノウールのインナー(モンベル)
- 長袖シャツ(ワークマン/Field Core)
- クリマプラス100 ジャケット(モンベル)
- トレッキングパンツ(モンベル)
- メリノウールのタイツ(ワークマン)
- 登山用靴下(FITS)
- 登山靴(モンベル アルパインクルーザー2300)
- ザック(グレゴリー ZULU30)
- レインウェア上下
- ウルトラライトダウンコンパクト(ユニクロ)
- 膝サポーター(ザムスト EK-3)
- トレッキングポール(シナノ)
- チェーンスパイク(モンベル)※使用せず
- スパッツ(モンベル)※使用せず
- お湯を入れたサーモボトル 750ml(モンベル)
- 飲み物(ペットボトル500ml×1本)
今回は、つい先日購入した新しい登山靴、モンベルの「アルパインクルーザー2300」を初めて使いました。夏場のテント泊用に、これまで使っていたトレッキングシューズより、ソールが固めのシューズがほしかったのです。
これまでのトレッキングシューズよりも、片足で100グラム以上重くなっています。最初はそれほど重さを感じませんでしたが、疲れてくると、多少重いな、というのがわかります。
ただ、それ以外は、特に大きなトラブルもなく、登山を終えることができました。登山靴が足に合わないと、いろいろなところが痛くなって悲惨ですが、それは問題なかったようです。
今後、しばらくは、この登山靴を履き慣らしていきたいと思います。
以上、「【秀麗富嶽十二景】 高畑山・倉岳山で迫力のある富士山を眺める!」でした。快晴に恵まれて、素晴らしい、それこそ「秀麗」な富士山を眺めることができました。とにかく、晴れの日を狙って、登ってみてほしい山です。
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