奥武蔵エリアの特徴
奥武蔵エリアは埼玉県西部、おおむね飯能~秩父のあたりの山域です。
標高1,000メートルに満たない低山が多く、眺望はそれほどではありませんが、静かな山歩きやハイキングを楽しめるエリアです。西武線(西武池袋線~秩父線)の駅から直接登れる山も多く、アクセスが良いのも特徴です。
奥多摩と同じく奥秩父の前衛的な立ち位置にある山域ですが、標高1,500メートル前後の名峰が多数存在する奥多摩に比べると、奥秩父は地味な印象をぬぐえません。ただ、そのぶん、週末でも空いていますし、のんびりと山を楽しむことができます。
奥武蔵エリア レベル別おすすめの山
私がこれまでに登ってきた奥武蔵の山で、レベル別におすすめの山を紹介します。
初心者向けのおすすめの山
眺望が地味な奥武蔵の低山の中では、随一の眺望を誇るのが「関八州見晴台」です。「関八州」全てが見えるかはともかく、関東平野の眺望がとても良いのです。
おすすめは、西武秩父線の西吾野駅を出発して、不動三滝~関八州見晴台~高山不動尊と巡り、吾野駅へと下りるコースです。関八州見晴台の眺望だけでなく、見どころが多いコースです。
中級者向けのおすすめの山
秩父のシンボル武甲山です。秩父に観光に行かれたことのある方なら、一度はその姿を見たことがある山だと思います。
武甲山単体で登れば初心者向けと言えますが、少し歩き慣れてきたら、武甲山の隣にある大持山~小持山から縦走するコースが楽しいです。アップダウンがそれなりにありますが、大持山~小持山の間の尾根歩きや、4月~5月に咲くツツジが楽しめます。
それに、秩父の街中からとは反対側から武甲山に登ることになるため、採掘がされていない側から武甲山を眺めることができます。
飯能アルプス
飯能駅近くの天覧山から伊豆ヶ岳まで、西武線の南側に続く山並みが飯能アルプスです。天覧山は標高200メートル弱ですが、伊豆ヶ岳は851メートル。西側へ行くにつれて、標高もアップダウンも多くなります。
ハイキングにおすすめなのは、飯能駅から歩いて行ける天覧山~多峯主山です。天覧山は20分もあれば登れてしまいますし、多峯主山まで歩いても1時間ちょっとです。登山というよりは、お手軽なハイキングスポットという感じです。標高は低いながらも、関東平野の端にある山なので、飯能の市街地から関東平野を一望することができます。
天覧山~多峯主山だけでは少し歩き足りないという場合には、多峯主山のさらに西側にある天覚山まで足を延ばしてみると良いでしょう。天覚山への登山道はそれなりに本格的で、アップダウンや急登も多くなり、歩きごたえもあります。
以下の登山日記は、飯能駅から天覚山~多峯主山~天覚山~大高山と歩いて、吾野駅へ下山したときのものです。大高山まで歩くとかなりの距離になりますが、その手前の天覚山から東吾野駅へ下ることもできます。
一方、飯能アルプスの西側の定番は、正丸駅~正丸峠~伊豆ヶ岳~子の権現~吾野駅というコースです。距離は15km以上、アップダウンも多めなので、低山に歩き慣れてから挑戦したほうがよさそうです。
もちろん、子の権現まで縦走しなくても、伊豆ヶ岳だけを登ることもできます。飯能アルプスは、西武線の駅に近く、エスケープルートも多いので、体力や時間にあわせてプランニングすることができます。
奥武蔵エリアへのアクセス
奥武蔵エリアの山々は、西武池袋線・秩父線の飯能駅~西武秩父駅の沿線に多くあります。今回、ここでご紹介した山は、いずれも西武線の駅から徒歩でアクセスできます。武甲山だけはやや遠いので、横瀬駅からタクシー利用をおすすめします。
飯能アルプスの主な山への登山口の最寄り駅は以下のとおりです。
山名 | 最寄り駅 |
登山口までの 所要時間 |
備考 |
---|---|---|---|
天覧山 | 飯能駅 | 約20分 | |
多峯主山 | 飯能駅 | 約30分 | ※1 |
天覚山 | 東吾野駅 | 約5分 | |
大高山 | 吾野駅 | 約5分 | |
子ノ権現 | 吾野駅 | 約30分 | |
伊豆ヶ岳 | 正丸駅 | 約30分 | |
武甲山 大持山 |
横瀬駅 | 約1時間半 | ※2 |
武甲山 |
秩父鉄道 浦山口駅 |
約20分 |
※1: 木立の尾根道入口から登る場合
※2: 大型ダンプが行き交う道を歩くため横瀬駅からタクシー利用推奨