スポンサーリンク

【パノラマ銀座縦走2】燕岳~蝶ヶ岳を2泊3日の山小屋泊で縦走! ~燕岳から大天井岳、常念小屋への絶景稜線歩き!~

北アルプス
本サイトでは記事内に広告が含まれている場合があります。

パノラマ銀座縦走の2日目は、燕山荘から大天井岳を経て常念小屋までを歩きます。パノラマ銀座コースで最も景色が良い稜線歩きを楽しめる区間です。午前中はお天気に恵まれて、槍・穂高連峰を眺めながら稜線歩きを楽しめました。大天井岳山頂からの絶景も最高! 午後は雲が多くなりましたが、雷鳥に多く会うことができ、楽しい一日となりました。

スポンサーリンク

【燕山荘】燕山荘前で御来光を眺めて出発!

1日目は、中房温泉の登山口からスタートして燕岳に登頂。燕山荘に宿泊しました。そのときの様子は前回の記事をご覧ください。

【パノラマ銀座縦走1】燕岳~蝶ヶ岳を2泊3日の山小屋泊で縦走! ~中房温泉からコマクサ咲き誇る北アルプスの女王 燕岳へ~
憧れのパノラマ銀座を2泊3日の山小屋泊で縦走してきました。中房温泉から入り、燕岳~大天井岳~常念岳~蝶ヶ岳とつなぎ、上高地へと下山するコースです。この記事では、1日目に中房温泉をスタートして燕岳に登り、燕山荘に宿泊する様子をお届けします。

2日目は燕山荘前でご来光を眺めたあと、出発します。

燕山荘前から眺める御来光と槍・穂高のモルゲンロート

2日目は、午前4時過ぎに起床。3時半過ぎくらいから、周りの人たちは起きて支度を始めていたようです。夏山の朝は早いですね。私は、とりあえず簡単に支度を済ませて、4時半頃にカメラを持って外へ出てみます。

燕山荘前から眺める夜明け前の槍ヶ岳

燕山荘前から眺める夜明け前の槍ヶ岳

夜中に一時的に雨が降ったようですが、この時間は良く晴れています。雨のおかげか、昨日よりも空気が澄んでいるようで、槍ヶ岳がくっきりと見えました。

安曇野側の雲の上からの御来光

安曇野側の雲の上からの御来光

日の出は午前4時43分頃のはずでしたが、安曇野側は低いところに雲がかかっていたため、その雲から太陽が出てきたのは4時52分頃でした。

燕山荘に泊まった人たちが大勢で眺める御来光。待っている間は風が冷たくて寒かったですが、素晴らしい日の出を眺めることができました。

朝日を受けて赤く染まる槍ヶ岳と穂高連峰のモルゲンロート

朝日を受けて赤く染まる槍ヶ岳と穂高連峰のモルゲンロート

見事だったのは、槍ヶ岳や穂高連峰、常念山脈のモルゲンロート。うっすらと赤く染まる山並みがとても美しいです。昨年、涸沢カールから眺めた穂高連峰のモルゲンロートも素晴らしかったですが、こちらも負けていませんね。

空気の澄んだ朝、すっきりと見える燕岳

空気の澄んだ朝、すっきりと見える燕岳

昨日は雲がかかりがちだった燕岳も、この時間はきれいに見えました。燕岳のすぐ左側に見えるのは立山。富士ノ折立から雄山の稜線のようです。写真右端、小さく見える双耳峰が鹿島槍ヶ岳、その手前にうっすら見えるのが爺ヶ岳のようです。

素晴らしい御来光と景色に感謝して、燕山荘に戻ります。

お弁当を受け取って出発!

燕山荘のお弁当

燕山荘のお弁当を受け取って出発!

朝食をお弁当に変更してもらったので、受付で受け取ります。どこか景色の良さそうなところで食べようという魂胆です。朝食は、持参した無印良品の不揃いバウムで軽く済ませました。

寝床と荷物を片付けてから燕山荘を出発します。

清々しい朝の燕山荘からの景色

清々しい朝の燕山荘からの景色

午前5時40分頃、燕山荘前で支度をします。燕山荘のテント場、昨夜はテントがぎっしりでしたが、この時間は撤収してもう出発された方が多いようです。テント泊の朝はさらに早いのですね。

燕岳にお別れを告げて燕山荘を出発!

燕岳にお別れを告げて燕山荘を出発!

燕岳ともお別れです。ここから、いよいよパノラマ銀座の稜線歩きが始まります!

スポンサーリンク

【燕山荘~大天井岳】パノラマ銀座屈指の絶景稜線歩き! 大天井岳は槍ヶ岳の展望台!

燕山荘を出発し、常念山脈の稜線を南下します。大天井岳近くまでは、多少のアップダウンはあるものの快適な稜線歩き。槍・穂高の絶景を眺めながら歩けます。大天井岳への登りはなかなかしんどいですが、山頂からは槍ヶ岳が目の前に! 素晴らしい眺望に感動です。

槍ヶ岳を目の前に眺めながらの絶景稜線歩き!

燕山荘から大天井岳方面への登山道入口

燕山荘から大天井岳方面への登山道入口、奥には槍ヶ岳!

午前5時45分頃、燕山荘前を出発します。燕山荘のすぐ下にある「大天井岳・槍ヶ岳・常念岳方面」の標識のある方へ歩いていきます。

槍ヶ岳を眺めながら歩く常念山脈の縦走路

槍ヶ岳を眺めながら歩く常念山脈の縦走路

ハイマツ帯の道を進んでいきます。目の前に槍ヶ岳と穂高連峰を眺めながらの絶景稜線歩きです。左側の山が最初に目指す大天井岳で、右手前から続く稜線を歩いていきます。

ハイマツ帯を歩く快適な縦走路

ハイマツ帯を歩く快適な縦走路

燕山荘からしばらくは、目立ったアップダウンもなく、快適な稜線歩きを楽しめます。どちらを見ても素晴らしい絶景で、まさに「パノラマ銀座」の名にふさわしい道です。

パノラマ銀座縦走路から見える飛騨山脈主脈の山並み

パノラマ銀座縦走路から見える飛騨山脈主脈の山並み

少し目を右側(西側)に向ければ、こんな絶景がどこでも見えるのです。

少しアップダウンが出てきたパノラマ銀座の縦走路

少しアップダウンが出てきたパノラマ銀座の縦走路

このあたりから、少しアップダウンが続くようになります。が、相変わらず目の前に槍ヶ岳を望みながらの絶景稜線歩きが続きます。

絶景を眺めながら蛙岩へ

写真左奥の大天井岳へと続くパノラマ銀座の縦走路

写真左奥の大天井岳へと続くパノラマ銀座の縦走路

手前の稜線に沿って歩き、写真左奥に見える大天井岳を目指します。手前の稜線は少し凸凹しているので、小刻みなアップダウンがあります。

登山道脇の斜面に咲くコマクサの群生

登山道脇の斜面に咲くコマクサの群生

ハイマツ帯が途切れた砂礫地には、コマクサがたくさん咲いています。この時期、この絶景だけでなく、高山植物も楽しめるのがいいですね。

登山道脇に咲くミヤマキンバイ?

登山道脇に咲くミヤマキンバイ?

コマクサだけでなく、登山道脇にはいろいろな高山植物が咲いています。この黄色のお花はミヤマキンバイかキンポウゲかな? 黄色のお花は似ているので見分けるのが難しいです……。

蛙岩(げえろいわ)

蛙岩(げえろいわ)

しばらく稜線沿いに歩くと、目の前に大きな岩が見えてきました。これが蛙岩(げえろいわ)のようです。蛙の形に見えるでしょうか…?

大天井岳へと続く絶景の縦走路

大天井岳へと続く絶景の縦走路、目の前には槍ヶ岳も!

蛙岩を過ぎると、だいぶ大天井岳が近くに見えるようになってきました。といっても、ここからはさらにアップダウンが多くなりそうです。

ここまで1時間弱。景色を眺めながら、写真を撮ったりして、ゆっくりと歩いてきました。この絶景ですから、景色を楽しまないと損ですよね。

色とりどりの高山植物を眺めて「大下りノ頭」へ

振り返ると北アルプス北部の名峰たちも一望

振り返ると北アルプス北部の名峰たちも一望

槍穂の絶景も素晴らしいですが、少し振り返ってみると、北アルプス北部の名峰たちも良く見えます。目の前に見える穂高連峰や槍ヶ岳からずっと続いている飛騨山脈の主稜線です。

パノラマ銀座のルートがある常念山脈は、飛騨山脈の主稜線からは外れていますが、そのおかげで、主稜線の素晴らしい山々を眺めながら歩けるのです。

登山道脇に咲くタカネヤハズハハコ

登山道脇に咲くタカネヤハズハハコ

タカネヤハズハハコかな? このあたりから先は、色とりどりの高山植物が目を楽しませてくれます。

あちこちで見かけたハクサンフウロ

あちこちで見かけたハクサンフウロ

燕岳に登る登山道でも見かけたハクサンフウロ。薄い紫色の花びらがきれいです。たくさん咲いていました。

絶景ポイントの一つ「大下りノ頭」

絶景ポイントの一つ「大下りノ頭」

午前6時45分過ぎ、燕山荘を出発してから約1時間で、「大下りノ頭」に到着しました。目の前に大きな山体の大天井岳がどーんと見え、その背後には槍ヶ岳が見える絶景ポイントです。だいぶ歩いてきた感じがしますが、大天井岳までは3.5km。目の前に見えますが、まだ遠いようです。

「大下りノ頭」の名前のとおり、ここから先は急坂を下っていきます。

急登を超えて大天井岳の目の前へ!

大下りノ頭からの急な下りとその先の稜線

大下りノ頭からの急な下りとその先の稜線

大下りノ頭からは、ややザレ気味の斜面を下ります。といっても、すぐ先にまた稜線の登りが見えています。

登山道脇に咲くウサギギク

登山道脇に咲くウサギギク

ウサギギクの花でしょうか? このコース、絶景と高山植物の両方を楽しめますが、なかなか忙しいです(笑)

白いシャクナゲ、ハクサンシャクナゲ

白いシャクナゲ、ハクサンシャクナゲ

白いシャクナゲも少し残っていました。ハクサンシャクナゲ。

低木の樹林帯の急登

低木の樹林帯の急登

再び登りへ。このあたりから、たまに低木の樹林帯があったりして、少し登山道の雰囲気が変わってきます。この登りはかなり急ですが、長くは続きません。

大天井岳手前の斜面の草地は一面のお花畑!

大天井岳手前の斜面の草地は一面のお花畑!

ちょうど森林限界との境界線なのでしょうか。樹林帯の下の斜面には草原が広がっていて、白、薄紫、黄色の色とりどりの花が咲くお花畑が広がっていました。

花崗岩のザレ気味の登り

花崗岩のザレ気味の登り

低木の樹林帯を抜けると、今度は花崗岩の滑りやすい登りへ。

岩陰に咲くチシマギキョウ

岩陰に咲くチシマギキョウ

岩陰にはチシマギキョウが咲いていました。この花も色鮮やかできれいですね。

大天井岳へと続くハイマツと砂礫の縦走路

大天井岳へと続くハイマツと砂礫の縦走路

樹林帯を抜けて、再び砂礫地とハイマツ帯が交互に続く縦走路へ。

砂礫地に咲くコマクサの花

砂礫地に咲くコマクサの花

砂礫地の斜面には、コマクサが一面に咲いています。いろいろな高山植物を見てきましたが、やはりこの時期の主役はコマクサのようです。咲いている花の数が圧倒的に多いです。

白さがまぶしいイワツメクサ

白さがまぶしいイワツメクサ

シロツメクサ イワツメクサかな? 白色がまぶしいお花です。

目の前に立ちはだかる大天井岳

目の前に立ちはだかる大天井岳

午前7時40分、燕山荘から2時間弱で、大天井岳の目の前までやってきました。大天井岳の山腹に斜めに付けられている登山道を登っていくようです。ここから先は、今日一番の登りです。

スポンサーリンク

【大天井岳】槍ヶ岳を目の前で眺める絶景の展望台、大天井岳へ!

2日目は縦走路を歩くのがメインですが、大天井岳のピークもハイライトの一つ。パノラマ銀座最高峰となる標高2,922メートルの山頂からは、目の前に槍ヶ岳を望む大展望!

いったん下り大天井岳の登りへ

大天井岳の登りの前に行動食を補給

大天井岳の登りの前に行動食を補給!

大天井岳の登りを目の前に、シャリバテ防止にと行動食を軽く食べることにします。あの登りはかなりキツそうなので……。

いったん下って登り返す大天井岳への道

いったん下って登り返す大天井岳への道

大天井岳への登りには、いったんここを下って、木の階段で登り返すことになるようです。地図を見ると「切通岩」というのがありますが、あの木の階段で登るところが切通岩かな? 何となく切通しっぽく見えます。

大天井岳手前の鎖とハシゴ

大天井岳手前の鎖とハシゴ、慎重に下ります

鞍部への下りには、鎖場とハシゴがあります。パノラマ銀座ではあまり鎖場や岩場はありませんが、ここは注意して下ります。

鞍部から大天井岳への登りにかかる木のハシゴ

鞍部から大天井岳への登りにかかる木のハシゴ

ハシゴを降りたところから、木の階段ですぐに登り返しです。ここから大天井岳の山頂まで、標高差200メートル以上の登り返しです。

槍ヶ岳方面との分岐

槍ヶ岳方面との分岐、「常念岳」とある方へ登っていきます

急な木の階段を登りきると、分岐がありました。右へ行くと、大天井岳の山頂を巻いて槍ヶ岳へ向かうようです。ここは写真の奥側へ。写真では見えにくいですが、常念岳と書いてあります。

山腹をひたすら登って大天荘へ

大天井岳山腹の登山道

大天井岳山腹の登山道をひたすら登る!

先ほどの分岐から、大天井岳の山腹に付けられた登山道をひたすら登っていきます。今日一番の登り! それでも、「大天荘まで500メートル」の看板に救われます。この看板、100メートル毎にあるので、これを目安にしながら登っていきましょう。幸いにして、標高差ではなく距離を示しているようです(笑)

ひたすら続く大天井岳への登り

ひたすら続く大天井岳への登り

遠くから見たほど急ではありませんが、大きな岩や石が多めなので、ゆっくりと登っていきます。

大天井岳山腹斜面の草地に広がるチングルマの群生

大天井岳山腹斜面の草地に広がるチングルマの群生

息が切れてきたら、立ち止まって休憩。景色を眺めたり、お花を眺めたり。登山道脇の斜面にはチングルマの群生! たくさんの花を咲かせていました。ここの群生はなかなか見事でした。

大天井岳への登りの途中から眺める燕岳からの稜線

大天井岳への登りの途中から眺める燕岳からの稜線

ここまで歩いてきた稜線も一望! 写真中央やや左が燕岳、その右側に燕山荘がありますが、そこからこの稜線を手前側に向けて歩いてきたわけです。

大天荘まであと少し!

大天荘まであと少し!

果てしない登りに見えましたが、実際には分岐から20分ちょっとで大天荘が見えてきました。あと一息!

大天荘に到着!

大天荘に到着!

大天荘に到着しました。ここから山頂へは10分ほど。ザックをデポして、空身で登る方が多いようですが、山頂でお弁当を食べようと思っていたので、ザックを背負ったまま山頂へ向かいます。

大天井岳山頂からの大展望を眺めながらお弁当!

大天荘から大天井岳山頂に続く緩やかな登山道

大天荘から大天井岳山頂に続く緩やかな登山道

大天荘から大天井岳山頂までは、大きな石や岩が多めですが、比較的緩やかな道を登っていきます。

大天井岳山頂下に咲くに高山植物たち

大天井岳山頂下に咲くに高山植物たち

大天井岳山頂への途中に、チングルマなどの高山植物がたくさん咲いていました。

大天井岳山頂からの絶景

大天井岳山頂に登頂!

午前8時半過ぎ、燕山荘を出発してから3時間弱で、大天井岳の山頂に到着! 目の前には槍ヶ岳、そして、穂高連峰へと続く稜線がバッチリ見えています。今回の縦走では、山頂からの眺望は大天井岳がNo.1ですね。

大天井岳山頂からの大展望!

大天井岳山頂からの大展望!

本当に見事というしかない大展望! 日本の屋根、北アルプスの山々がすべて見えるのではないかという眺望です。

大天井岳山頂からの槍・穂高連峰の迫力のある眺め

大天井岳山頂からの槍・穂高連峰の迫力のある眺め

どの方向も素晴らしい眺望ですが、やはりすぐ近くに見える穂高連峰~槍ヶ岳の迫力がすごいです。写真左側には涸沢カール、その左上から前穂高岳~吊尾根~奥穂高岳が見えています。

手前の稜線は大天井岳から西岳経由で槍ヶ岳を目指す喜作新道。「表銀座コース」は、この尾根を歩き、西岳から東鎌尾根(写真では左側から槍ヶ岳へと登る尾根)を登って槍ヶ岳を目指します。危険箇所のほとんどないパノラマ銀座コースと比べると一段レベルが上の縦走コースですが、いずれ歩いてみたいと思っています。

大天井岳山頂から眺める涸沢カールと穂高連峰

大天井岳山頂から眺める涸沢カールと穂高連峰

まだ雪が多く残る涸沢カールです。カールの下の方に赤い屋根の建物が見えますが、涸沢ヒュッテでしょう。

大天井岳山頂から眺める燕岳からの稜線

大天井岳山頂から眺める燕岳からの稜線

燕岳から大天井岳までの常念山脈の稜線です。安曇野側(写真では右側)からだいぶガスが上がってきてしまいましたが、先ほどまで歩いてきた稜線はまだ見えていました。

大天井岳山頂から眺める常念岳へと続く常念山脈の稜線

大天井岳山頂から眺める常念岳へと続く常念山脈の稜線

このあと歩く予定の稜線です。東大天井岳~横通岳~常念岳と続きます。奥に見える雲が少しかかっている山が常念岳。その常念岳の手前の鞍部にある常念小屋が、今日の目的地です。

大天井岳山頂からの大展望を動画でも撮ってみました。本当に素晴らしい眺望ですので、ぜひ登ってみてほしいと思います。

大天井岳山頂で槍穂高を眺めながらのお弁当タイム!

大天井岳山頂で槍穂高を眺めながらのお弁当タイム!

大天井岳の山頂横のスペースに腰かけて、ちょっと遅い朝食に、燕山荘のお弁当をいただくことにします。この絶景を眺めながら食べるお弁当は最高ですね! おなかがすいていたので、あっという間に食べ終えてしまいました。

スポンサーリンク

【大天井岳~常念小屋】小ピークも踏んで常念小屋へ、雷鳥の親子とも遭遇!

大天井岳から常念山脈をさらに南下し、今日の宿となる常念小屋を目指します。途中の東大天井岳、横通岳のピークにも登頂。午後はガスが出てきてしまいましたが、そのおかげか、雷鳥の親子に三度も出会うことができました。

高山植物と槍穂を眺めながら続く稜線歩き!

大天荘と大天荘前の広場

大天荘で水を補給

大天荘まで戻ってきました。時刻は午前10時過ぎ。大天荘で水を1リットル(200円)補給し、トイレ(200円)をお借りしました。

昨日、燕山荘で食事のときにお話していた方と大天井岳の山頂でお会いして、一緒に大天荘まで下ってきました。燕山荘にもう一泊して明日下山されるそうで、今日はのんびりするとのこと。この絶景ですから、行程に余裕を持って、ぼんやりと景色を眺める時間があるのもいいですね。

大天荘から常念岳方面へ向かう登山道

大天荘から常念岳方面へ向かう登山道

さて、私はもう少し常念山脈の稜線を南へ向けて歩きます。もっとも、今日は予定していたよりも早く燕山荘を出発できたので、行程にはだいぶ余裕があります。急ぐ必要もないので、ゆっくりと常念小屋を目指すことにしましょう。

大天井岳と大天荘

大天井岳と大天荘、すごく良い山でした!

大天井岳と大天荘。大天荘の手前の広場はテント場のようですが、今日は何度もヘリでの荷揚げがあったので、テントはすでに撤収済みのようです。大天井岳山頂にいるときにも、何度もヘリが飛んできていました。

大天井岳、とても良い山だったので、今度はテント泊もしてみたいですね。まあ、それには中房温泉からテントを担いで登る体力が必要になるわけですが……。

登山道脇に咲くチシマギキョウ

登山道脇に咲くチシマギキョウ

稜線の登山道脇には、たくさんの高山植物が咲いています。チシマギキョウもあちこちで見られました。

まとまって咲いていたタカネツメクサの花

まとまって咲いていたタカネツメクサの花

タカネツメクサかな? まとまってたくさん咲いていました。

安曇野側からのガスが迫ってくる常念山脈の縦走路

安曇野側からのガスが迫ってくる常念山脈の縦走路

やはりお昼近くになってくると、安曇野側からガスが上がってきますね。まだ稜線はガスに覆われていませんが、そのうち覆われそうな勢いです。

今日はここまで燕山荘から大天井岳までの絶景稜線歩きと、大天井岳山頂からの大展望を楽しむことができたので、もうだいぶ満足しました。あとは雨さえ降らなければいい、という気分です。

黄色の斑点がかわいらしいミヤマコゴメグサ

黄色の斑点がかわいらしいミヤマコゴメグサ

黄色の斑点がかわいらしいお花。ミヤマコゴメグサでしょうか? 小さなお花なのに、とても存在感があります。

雷鳥の親子に遭遇!

常念岳への縦走路から眺める槍・穂高連峰の絶景

常念岳への縦走路から眺める槍・穂高連峰の絶景

ガスのかかっていない西側には、ずっと槍ヶ岳と穂高連峰が見えています。やはり、素晴らしい縦走路ですね。

ハイマツ帯にひょっこりと現れた雷鳥の親子

ハイマツ帯にひょっこりと現れた雷鳥の親子

ふと、小さな鳥が登山道を横切ったなぁと思ってよく見てみると、雷鳥のヒナでした。近くには親鳥。周りを見てみると、ヒナも5~6羽いました。親鳥は周囲を警戒しながら、子どもたちを遊ばせているようです。

動画でも撮影してみました。ちょこちょこと動き回る雷鳥のヒナがかわいいですね。ヒナはだいぶ大きくなっているようでした。

岩の上で警戒する雷鳥の親鳥

岩の上で警戒する雷鳥の親鳥

その後、雷鳥の母鳥はお立ち台へ。雷鳥の親鳥は高いことろから周囲を警戒するらしいですが、まさにそれをリアルで見ることができたのでした。ヒナたちは、この岩の下の草むらを駆け回っていました。

とても絵になる雷鳥の親鳥

とても絵になる雷鳥の親鳥

とても絵になる雷鳥さんです。しばらく眺めていましたが、なかなか逃げないので、ゆっくりと脇を通過して、先へ進むことにします。

ここまでの行程で絶景を満喫できたので、あとは雷鳥を見たいな~、と思っていた矢先でした。ラッキーでした。

東大天井岳に登頂!

東大天井岳

東大天井岳

そうこうしているうちに、次のピーク、東大天井岳が近づいてきました。縦走路は山腹を巻く形でつけられていますが、この写真からの位置関係でいうと奥のなだらかな斜面から山頂に上がることができます。

縦走路と東大天井岳山頂への分岐

縦走路と東大天井岳山頂への分岐

ここが縦走路と東大天井岳山頂への分岐となっているところ。雲で覆われていたらスルーしようと思っていましたが、下からは山頂が見えているので、行ってみることにします。ザックをデポし、カメラだけ持っていきます。

東大天井岳への登り

東大天井岳への登り

先ほどの分岐から東大天井岳山頂への道です。このなだらかな斜面をジグザグに、10分ほど登っていきます。

東大天井岳の山頂

東大天井岳の山頂に到着!

10分弱で山頂に到着。小さな板切れのような山名版が置かれていました。安曇野側はガスで真っ白でしたが、槍ヶ岳のほうはまだよく見えていました。

ひんやりとした風が心地よい山頂で少し休憩してから、先ほどの分岐まで戻りました。

ハイマツ帯を抜けて横通岳に登頂!

先ほどの分岐まで戻り、デポしたザックを回収して先を目指します。

東大天井岳分岐近くに咲くチングルマの群生

東大天井岳分岐近くに咲くチングルマの群生

分岐のすぐ下、ハイマツ帯の登山道に入る手前には、チングルマの群生がありました。きれいに花を咲かせています。だいぶガスが上がってきてしまいましたが、この時期は景色だけでなく、高山植物も楽しめるので、飽きることがありませんね。

横通岳へと続くハイマツ帯の道

横通岳へと続くハイマツ帯の道

横通岳までは、このようななだらかなハイマツ帯の道を歩いていきます。大天井岳から常念小屋の手前までは、全般的になだらかというか、おおらかな道が続きます。歩いていて、とても気持ちの良い道です。

少しガスがかかる横通岳と常念岳

少しガスがかかる横通岳と常念岳

少し雲がかかっていますが、右奥が常念岳、左手前の山が横通岳です。少し下ったあと、横通岳の山腹の緩い坂を登っていくようです。

巻道と横通岳山頂への分岐

巻道と横通岳山頂への分岐、山頂を経由していくことにします

横通岳の手前、山頂を通る道と巻道の分岐にやってきました。何も目印がないので、山頂を目指したい場合は、通り過ぎないように注意が必要です。

まだ12時半ですので、横通岳にも登ってみることにします。今のところ、ここからは山頂は見えていますし。

横通岳山頂への道

横通岳山頂への道

山腹のジグザグ道を超えると、その奥にまだ登りが続いていました。この奥に見えるところが山頂のようです。

横通岳の山頂

横通岳の山頂

横通岳の山頂直下までやってきました。ガスで真っ白ですが、人が立っているところが山頂です。

横通岳山頂から眺める安曇野の街並み

横通岳山頂から眺める安曇野の街並み

13時少し前に横通岳の山頂に到着! 山頂には何もありません(笑) 到着直後は真っ白で何も見えませんでしたが、少しガスが晴れると、眼下に安曇野の町を見渡すことができました。

山頂にいらっしゃった方と少しお話。今日は常念小屋でテント泊だそうです。横通岳山頂でお昼を食べてから常念小屋へ戻るとのことでした。

再び雷鳥に遭遇! 急坂を下って常念小屋に到着!

横通岳から下ります。先ほど登ってきた道を戻る必要はなく、巻道と合流するところまで下っていくことができます。

巻道との合流点で遭遇した雷鳥

巻道との合流点で遭遇した雷鳥

横通岳の山腹を巻く道との合流地点で、再び雷鳥に遭遇しました。写真には写っていませんが、やはりヒナを連れていました。今日はよく雷鳥に会いますね。以前、蝶ヶ岳に登った時には全く会えなかったのですが。季節的なものか、天候的なものか、ただの運なのか……。

常念小屋と常念岳

常念小屋と常念岳

巻道との合流点から10分ほどで、常念小屋が見えてきました。その奥には常念岳がそびえています。常念岳の大きさにびっくり! 常念小屋は、ここから急坂を下ったところの鞍部に建っています。

常念小屋への急な下り

常念小屋への急な下り

少し下ったところで振り返って撮ってみましたが、横通岳から常念小屋までの下りはかなり急。ザレやガレも目立ちます。あと少しというところですが、気を引き締めて、慎重に下っていきます。

常念小屋と雲に覆われる常念岳

常念小屋と雲に覆われる常念岳

だいぶ下ってきて、常念小屋が近くなってきました。手前にはテント場も見えますね。早く到着したら、今日、常念岳に登ってもいいかなと思っていたのですが、雲がかかっていますし、これを登り返すのはしんどそうなので、明日にすることにしました。

常念小屋のテント場

常念小屋のテント場、テントは少なめ

最後は樹林帯の中を下って、テント場に出ました。テント場は広々としていますが、この日はテントはまばらでした。

赤い屋根が特徴的な常念小屋

赤い屋根が特徴的な常念小屋に到着!

13時半過ぎ、今日の宿、常念小屋に到着しました。比較的ゆっくりと、休憩も多めに取りつつ歩いてきましたが、燕山荘から約8時間の山歩きでした。

スポンサーリンク

パノラマ銀座のハイライト! 絶景稜線歩きと大天井岳山頂からの大展望!

絶景が続く燕山荘~大天井岳の縦走路

絶景が続く燕山荘~大天井岳の縦走路

2日目は、パノラマ銀座のハイライトともいうべき山歩きでした。

前半は、槍ヶ岳・穂高連峰の絶景を眺めながらの稜線歩き。大天井岳の手前は小刻みなアップダウンもありましたが、朝早い、清々しい時間帯に歩くことができたので非常に快適でした。

今回のコースでの最高峰、大天井岳の山頂からの大展望は必見! 槍ヶ岳や穂高連峰の迫力のある山並み、ここまで歩いてきた燕岳からの素晴らしい稜線、遠く立山や白馬など北アルプス北部まで続く稜線など、素晴らしい眺望でした。

大天井岳から先は、ややガスが多くなってきてしまいましたが、高山植物を眺めつつ、雷鳥との何度も遭遇することができたので、退屈せずに歩くことができました。

ここ数日の天気の傾向で、午前10時前くらいになるとガスが上がってきてしまうので、その前に景色を眺めたいポイントを通過できるような行程になっていたのが幸いでした。

常念小屋での宿泊の様子と、3日目の常念岳~蝶ヶ岳~上高地の山行の様子は、以下の記事をご覧ください。

【パノラマ銀座縦走3】燕岳~蝶ヶ岳を2泊3日の山小屋泊で縦走! ~絶景の常念岳から蝶ヶ岳を経由して上高地へ~
パノラマ銀座縦走の最終日(3日目)は、常念小屋を出発して、常念岳に登頂したあと、蝶槍~蝶ヶ岳へと縦走。蝶ヶ岳から徳沢を経由して上高地へと下山しました。常念岳山頂からの大展望は見事! 蝶ヶ岳のあたりではガスってしまいましたが、何とか雨に降られる前に下山できました。

以上、「【パノラマ銀座縦走2】燕岳~蝶ヶ岳を2泊3日の山小屋泊で縦走! ~燕岳から大天井岳、常念小屋への絶景稜線歩き!~」でした。パノラマ銀座縦走のハイライトとなる区間でしたが、絶景も、高山植物も、雷鳥も、すべて楽しむことができました。

スポンサーリンク

関連記事

北アルプスの登山記録のまとめページです。蝶ヶ岳、涸沢カール~奥穂高岳、白馬岳などの記事があります。

北アルプス
北アルプスは3000メートル級の険しい山が聳えるエリア。南部の槍・穂高連峰、北部の剱岳などをはじめとして、日本を代表する名山が多い山域です。北アルプスのレベル別おすすめの山と、主要登山口へのアクセス方法などを紹介します。 筆者の北アルプス登山歴はまだまだ少ないですが、それでも、他の山域とは違うアルペン的な山岳風景を眺めることができます。北アルプス南部は上高地の観光やキャンプとあわせて楽しむことができますし、北部エリアではアルペンルートを利用すれば容易にひょこう2,500メートル近くまでアクセスできます。上級者向けの山だけでなく、中級レベルでも十分に楽しむことのエリアです。

2022年夏に涸沢にテント泊して、奥穂高岳に登った時の記録です。

【北アルプス】涸沢にテント泊して奥穂高岳に挑戦する山旅! ~涸沢テント泊編~
上高地から涸沢に入り、テント泊して奥穂高岳に登ってきました。初の3000メートル峰、そして、初の穂高連峰への挑戦です。不安定なお天気でしたが、奥穂高岳にアタックした日はお天気がもってくれて、無事に登頂できました。この記事では、上高地~涸沢の...
【北アルプス】涸沢にテント泊して奥穂高岳に挑戦する山旅! ~奥穂高岳登頂編~
涸沢でテント泊をして、奥穂高岳に登ってきました。ザイテングラートを登り、穂高岳山荘を経て、奥穂高岳の山頂へ! 山頂は雲が多めでしたが、それでも素晴らしい景色を眺めることができました。初の穂高連峰、そして、初の3000メートル峰の山頂に、無事...

コメント

  1. シロツメクサではなく、イワツメクサですね。

    • ひさ ひさ より:

      ご指摘ありがとうございます。
      外見が全然違う花でしたね。修正しておきました。

      • よし より:

        ブログ楽しく拝見しました。
        私も7月に全く同じルートで縦走しました。
        初日は大天荘まで2日目は蝶ヶ岳ヒュッテで小屋泊しました。
        ザックも同じものを使っているので親近感が湧いてコメントさせていただきました。
        写真の撮りかたもも参考になりました!

        • ひさ ひさ より:

          よしさん、コメントありがとうございます。
          すごく景色の良い、楽しい縦走ルートでしたね。
          また歩いてみたいルートなので、今度は、大天荘、蝶ヶ岳ヒュッテにも泊まってみたいと思います!

タイトルとURLをコピーしました