山中湖北岸の大平山~石割山を歩いた翌日、南岸の三国山ハイキングコースを歩いてきました。鉄砲木ノ頭から眺める山中湖と富士山の絶景は素晴らしいですし、樹林帯の三国山ハイキングコースは静かな山歩きを楽しめました。
山中湖南岸、鉄砲木ノ頭~三国山ハイキングコース
山中湖の東岸から鉄砲木ノ頭(てっぽうぎのあたま)に登り、三国峠にいったん下ったあと、三国山に登り返して、南岸の山を歩くコースです。
鉄砲木ノ頭の山頂は開けていて、山中湖と富士山の絶景ビューポイントになっています。三国山からのハイキングコースは、樹林帯ですので、眺望はあまりないですが、静かな山歩きを楽しむことができます。
山中湖東岸の「山中湖交流プラザきらら」から、パノラマ台を経由して、鉄砲木ノ頭へ直登。鉄砲木ノ頭からは、三国峠まで一気に下り、道路をまたいで登り返すと三国山です。三国山から山中湖南岸の山を縦走します。小ピークがいくつかありますが、登山道は広く、ハイキングにはぴったりのコースです。
途中、夏にはフジアザミが咲き乱れるという「アザミ平」を経由して、籠坂峠に下山します。籠坂峠には、御殿場駅~河口湖駅を結ぶ路線バスが走っていますので、これで山中湖や河口湖、あるいは御殿場駅へと出ることができます。
今回の行程は以下のとおりです。
- 08:00 山中湖平野バス停 出発
- 08:25 三国山ハイキングコース入口バス停
- 09:15 鉄砲木ノ頭 到着
- 09:25 鉄砲木ノ頭 出発
- 09:35 三国峠
- 09:50 三国山
- 10:15 楢木山
- 10:40 大洞山
- 11:35 籠坂峠バス停 下山
距離は約11km、累積標高は登り700メートルでした。山中湖の湖畔から鉄砲木ノ頭への登りと、三国峠から三国山への登り返しがつらいですが、それ以外は快適に歩くことができます。
なお、前日に歩いてきた山中湖北岸の大平山~石割山の様子については、以下の記事をご覧ください。こちらも、山中湖と富士山の景色が素晴らしいコースです。
三国山ハイキングコース 登山口への公共交通機関でのアクセス
三国山ハイキングコースの登山口へは、山中湖方面への路線バスや高速バスを利用することができます。
- 鉄砲木ノ頭・三国山 登山口へのアクセス
- 三国山ハイキングコース入口バス停(富士急行バス ふじっ湖号)
- 山中湖平野バス停(富士急行バス・京王バス 高速バス 新宿~富士五湖線)
- 籠坂峠へのアクセス
- 籠坂峠バス停(富士急行バス 路線バス 御殿場駅~河口湖駅)
鉄砲木ノ頭、三国山へは、いずれも「三国山ハイキングコース入口」バス停が最寄りです。河口湖~山中湖を周回する「ふじっ湖号」を利用するのであれば、このバス停が便利です。トイレ等がある「山中湖交流プラザきらら」も通ります。
また、バスタ新宿から河口湖・山中湖方面への高速バスのうち、山中湖平野行きのバスに乗り、終点の山中湖平野バス停で下車したあと、登山口まで徒歩でアクセスすることもできます。山中湖平野バス停から三国山ハイキングコース入口までは、徒歩で約15分ほどです。
一方、籠坂峠には「ふじっ湖号」が通っていませんが、御殿場駅~河口湖駅を結ぶ路線バスが1時間に1本くらいあります。山中湖西岸の主要なバス停も経由します。
詳しくは富士急行バスのWebサイトをご確認ください。
【鉄砲木ノ頭】山頂から山中湖と富士山の絶景を眺める!
山中湖湖畔からパノラマ台を経由して、鉄砲木ノ頭へ。山頂からは、山中湖と富士山を一望することができます。
山中湖湖畔を歩いて山中湖交流プラザきららへ
山中湖平野バス停の近くの宿を午前8時前にチェックアウトして、山中湖の湖畔へ。今朝の最低気温はマイナス13℃とかなり冷え込んだこともあって、山中湖の湖岸だけでなく、かなり沖のほうまで氷が張っていました。そして、その向こうには富士山。山に登る前から、素晴らしい景色を眺めることができました。
湖畔からは、昨日、歩いてきた大平山~石割山の稜線もきれいに見渡すことができました。
徒歩10分ほどで、山中湖交流プラザきららに到着。
山中湖交流プラザきららから眺める山中湖と富士山も素晴らしいです。
山中湖交流プラザきららでトイレをお借りして、登山の支度をします。メリノウールのアンダーに、長袖の化繊シャツ、フリース、薄めのダウン、ソフトシェルとかなり着込んできましたが、さすがに暑くなり、ダウンを脱いで出発します。
登山口から緩やかな道を登ってパノラマ台へ
山中湖交流プラザきららの前の道路を渡ると、三国山ハイキングコースの入口への道標があります。
少し車道を登ると、登山道への入口があります。ここを左へ入っていきます。少しわかりにくいのですが、道標を見落とさなければ大丈夫です。
最初は緩やかな坂を登っていきます。
しばらく登っていくと、車道に出ます、登山道は、車道の反対側から続いています。ここからパノラマ台へはすぐですが、傾斜の急な細い道でした。
パノラマ台に到着! 「パノラマ台」というだけあって、ここからの景色は素晴らしいです。パノラマ台には車道が通じていて、駐車場もあります。すでに何台か車が止まっていて、景色を撮影している方がいました。
ここまで登ってきて、さらに暑くなってきたので、ソフトシェルも脱いでザックへ。水分補給をして、鉄砲木ノ頭への登りに備えます。
だんだんと傾斜を増す鉄砲木ノ頭への直登ルート!
パノラマ台から先は、ススキの中に一直線に山頂までつけられた道を登っていきます。つまり、直登ルートです。
湖畔から見るとわかりますが、鉄砲木ノ頭は山全体がススキに覆われています。木々に覆われた他の山と明らかに違うので、一目でわかります。
最初はそれほどでもなかったのですが、山頂に近づくにつれて傾斜が増してきます。岩や木の根っこなどがほとんどなく、足をかけるところがないので、踏ん張って登っていかないと、ずるずると滑り落ちてしまいそうです。
ところどころ、このようにえぐれたところもあります。危ないことはないですが、ちょっと歩きにくいです。
とはいえ、鉄砲木ノ頭の山頂まではパノラマ台から30分も登らずに着きます。
鉄砲木ノ頭は山中湖と富士山の絶景ポイント!
前方が開けてくると、鉄砲木ノ頭に到着です。山頂はススキのない砂礫が広がっていて、広々としています。
山頂には、山中諏訪神社の奥宮があります。何もない山頂にぽつんと建っている感じです。
そして、この絶景! 山中湖と、その南岸に広がる樹林帯の向こうに、大きな富士山がどーんと見えます。このバランスが絶妙ですね。北岸の大平山や石割山からの景色も良かったですが、個人的にはこっちの景色のほうが気に入りました。
山中湖の向こうには南アルプスの高峰がずらり。空気が澄んでいて、くっきり見えますね。
いつまでも眺めていたいのですが、山頂は風が冷たくて寒いのです。15分ほど景色を眺めたり、写真を撮ったりして、次へ向かうことにしました。
【三国山~大洞山】冬の明るく静かな樹林帯を歩くハイキング!
三国峠から三国山へ登り返したあとは、山中湖の南岸に連なる山を縦走していきます。縦走といっても、整備された歩きやすい道を歩く、快適なハイキングです。
三国峠へ急坂を一気に下る!
鉄砲木ノ頭の山頂からは、三国峠側へ下ります。ちなみに、鉄砲木ノ頭は、別名「明神山」というそうです。明神山のほうが呼びやすそうですが……。
鉄砲木ノ頭から三国峠へは、こちらも直登ルート。ここを恐る恐る下っていきます。山中湖畔からの直登ルートよりも幅は広いですが、やはり土だけの道で、足をかけるところがありません。小さな歩幅でちょこちょこと下りていくしかありませんでした。トレッキングポールがあると、バランスを取りやすいと思います。
途中で、ここを登ってくる方と何回かすれ違いました。三国峠に駐車場があるので、そこに車を止めて、鉄砲木ノ頭からの絶景を眺めに行くのでしょう。
鉄砲木ノ頭から15分ほどで三国峠まで下りました。道路を挟んで反対側に三国山への登山道が続いています。
雪の残る登山道を登って三国山へ
ススキで覆われた鉄砲木ノ頭とはまったく違い、三国山の登山道は樹林帯です。北斜面のせいか、雪があちこちに残っていました。峠を挟んで向かい合う山なのに、雰囲気の違いにびっくり!
斜面にジグザグにつけられた登山道を登ります。ところどころ、雪が凍っているところがありましたが、そこを避ければ問題ないレベル。
三国峠から15分ほど登ると、三国山の山頂に到着! 広場になっていますが、木々に覆われていて、眺望はそれほど良くありません。
写真の木々の向こう側は、御殿場です。三国山まで登ってくると、これまで見えなかった御殿場側が見えるようになります。
ちなみに、三国山の名前のとおり、この山は3県の県境になっています。南側が静岡県、北側・西側が山梨県、そして、東側が神奈川県です。
三国山の山頂にはこんな看板も。ここが「丹沢」と言われてもピンと来ないのですが、地図を見ると納得。西丹沢からさらに西へと続く山塊の端っこが、この三国山なのです。
冬の樹林帯を快適ハイキング!
三国山の山頂で小休止。水分と行動食を少しだけ補給して、出発です。
三国山からは、山中湖南岸に連なる山の尾根を歩いていきます。こんな感じの広くて歩きやすい、そして平坦な道が続きますので、ハイキングにぴったりです。
楢木山に到着。いくつか小ピークがあり、その前後は多少のアップダウンはありますが、長い登りはありません。もっとも、ピークといっても、こんな山名板があるだけで、他には何もありません。
大洞山への登りは、このルートで最も雪が残っていました。ただ、凍っているわけではないので、滑り止めは不要でした。
大洞山の山頂に到着。このルートの中では比較的明瞭なピークです。
大洞山の山頂には比較的立派な標柱があります。木々の向こうには富士山が大きく見えていますね。すっきりと見えるところは少ないですが、樹林帯からも富士山が見えるのは、木に葉っぱがついていないこの時期ならではです。
【アザミ平~籠坂峠】アザミ平を経由して籠坂峠へ下山
大洞山から先は、籠坂峠へ向けての下りになります。途中、夏にはアザミが咲き乱れるというアザミ平を経由して、籠坂峠へと下っていきます。
アザミ平に向けての下りへ
大洞山から籠坂峠へは、基本的に下りになります。アザミ平への下りの道は、このような深くえぐれたところを通っていきます。それなりに幅はあるので、歩きにくいことはありません。
アザミ平が近づいてくると、道の両側にロープが張られたところが多くなってきます。植生を保護しているのでしょうか。正面には、富士山が大きく見えています。
御殿場側の東富士演習場のあたりからは煙が上がっていました。演習をしているのでしょうか、それとも、野焼きでしょうか? その奥の山は愛鷹山です。
アザミ平に到着しました。登山道の右側に広がっている平坦なところに、フジアザミが咲き乱れるのでしょう。この時期は、もちろんただの原っぱですが、アザミの花も見てみたいですね。
籠坂峠への分岐です。左へ行くと須走のほうへも下りられるようです。今日は籠坂峠へ向かいます。
アザミ平から籠坂峠へ、凍った道をゆっくり下山
アザミ平の分岐で小休止したあと、バスの時間を確認してから下山を開始します。籠坂峠への登山道は、最初は緩やかな道。ここも北斜面にあたるので、雪は多めです。
次第に道が狭くなると、凍っているところが増えてきます。チェーンスパイクをつけるほどではないですが、凍っているところに乗らないように注意して下っていきます。何度か滑りそうになりましたが、何とか凍っている下りをクリア。
途中から広々とした道に出ます。ここまでくれば、雪も少なくなり、傾斜も緩やかになるので、もう心配はありません。
無事に籠坂峠の広場まで下山しました。この広場には墓地がありました。公園墓地として整備されているようですね。駐車場もあります。
路線バスで「紅富士の湯」へ
先ほどの広場から少し下ると国道138号線に出ます。「籠坂峠」の標識のすぐ後ろにバス停があります。前述の御殿場駅~河口湖駅を結ぶ路線バスが走っています。
途中、少し頑張って速足で下ってきたので、予定したバスよりも1本早いバスに乗れました。
「花の都公園入口」のバス停で下車して、徒歩5分くらいで、日帰り温泉施設「紅富士の湯」へ。
とても広々とした日帰り温泉施設ですが、時間が早かったせいもあって、空いていました。汗を流して、ゆっくりと温まることができました。
温泉のあとはお楽しみのビール。今日は朝早く出て、途中でお昼を食べなかったので、唐揚げ定食も注文。ゆっくりとランチタイムを楽しみました。
その後、「ふじっ湖号」で富士山駅へ出て、特急「富士回遊号」で帰宅しました。
鉄砲木ノ頭からの絶景は必見! 三国山ハイキングコースは快適なトレッキングが楽しめる!
ということで、山中湖南岸の鉄砲木ノ頭~三国山のハイキングコースを歩いてきました。
鉄砲木ノ頭からの山中湖と富士山、それに南アルプスの絶景は必見です。山中湖北岸の大平山や石割山からの景色も素晴らしいですが、鉄砲木ノ頭からの景色も、それに勝るとも劣らない絶景です。鉄砲木ノ頭から景色を楽しむなら、空気が澄んで、晴れる日が多い冬がおすすめです。
一方、三国山~籠坂峠のハイキングコースは、快適なトレイルを歩くことができるコースです。こちらは、新緑や紅葉の時期もよさそうに思いました。
今回歩いたコースは、コースタイムでも4~5時間くらいです。高速バスなどを利用すれば、都心からの日帰りも可能です。が、夕暮れや朝の山中湖湖畔からの富士山の眺めは素晴らしいので、時間が許せば湖畔に宿泊することをおすすめします。
今回の登山装備
- メリノウールのアンダーウェア(モンベル)
- 化繊の長袖シャツ(ワークマン)
- フリース(モンベル)
- コンパクトダウン(ユニクロ)
- ソフトシェル(モンベル)
- トレッキングパンツ(モンベル)
- メリノウールのタイツ(ワークマン)
- 登山用靴下(FITS)
- 登山靴(モンベル アルパインクルーザー2300)
- ザック(グレゴリー ZULU30)
- レインウェア上下 ※利用せず
- 膝サポーター(ザムスト EK-3)
- 飲み物(ペットボトル600ml+350ml)
- 行動食
- ファーストエイドキット
- ヘッドライト
- チェーンスパイク ※利用せず
朝の最低気温がマイナス13℃、宿を出発した時点でマイナス8℃くらいでしたので、ダウンやソフトシェルを着込みましたが、すぐに暑くなりました。歩いているうちに気温も上昇し、下山するときにはプラス4℃くらいまで上がっていたようです。
この時期、富士五湖周辺は最低気温と最高気温の差がとても大きいので、いつにもまして、レイヤリングで調節できるウェア選びが重要だと感じました。
ザックに忍ばせておいたチェーンスパイクは、今回は出番がありませんでした。ただ、晴れの日が続いたあとでも、北斜面を中心に雪が残っているところがあったので、この時期に歩かれるなら、チェーンスパイクを持参したほうがよいと思います。
以上、「【富士五湖】鉄砲木の頭から山中湖をと富士山の絶景を眺め、静かな三国山ハイキングコースを歩く山旅!」でした。山中湖・富士山の絶景と、静かな山歩きの両方を楽しめるお得なコースです。
コメント
またまためちゃ晴天ですね!
石割山〜大平山は私も去年歩きまして、向こう側(鉄砲木ノ頭)も眺望が良さそうだなーと気になっていました!ハイキングコースならとても歩きやすそうです。石割山直下のような急坂はありましたか?
私が歩いた日は霜溶けだったのか?石割山直下は泥々の下りで(ひささんと逆で石割山から登ったので下りになりました)転んだら悲惨な状態でした。このへんの山はこんな地質のところが多いのかなと思いまして。
MMさん、コメントありがとうございます。
石割山~大平山を歩かれたのですね。
鉄砲木ノ頭からの眺望も素晴らしかったです。
パノラマ台から鉄砲木ノ頭へは直登なので、山頂直下が傾斜が急でした。あまり足をかけるところがなかったので、少し登りづらいかもしれません。ただ、山頂まではすぐなので、時間をかければ問題ないと思います。
私が登った時は、登山道は乾いていましたね。しばらく雨や雪が降らなかったからだと思いますが、登山道の脇にはところどころ雪があったので、雪の後はどろどろになるかもれません。
お天気の良い日に、ぜひ登ってみてください!
ひささん、ご回答ありがとうございます!
雨・雪後でなければ泥々地獄はなさそうですね。安心しました!
今週木曜は雪予報なので積もってしまうと3連休の登山は難しそうですね…折角の連休なのに残念過ぎます。