2021年11月下旬に歩いてきた丹沢主稜縦走の後編です。蛭ヶ岳山荘に宿泊して、素晴らしい夕陽や夜景、日の出を満喫したあとは、アップダウンのきつい丹沢主稜を縦走。檜洞丸を経て、西丹沢ビジターセンターへと下山しました。
【蛭ヶ岳山荘】眺望抜群の山頂から夕陽・夜景・日の出を堪能!
蛭ヶ岳に登頂後は、山頂にある山小屋「蛭ヶ岳山荘」に宿泊します。この山小屋に泊る醍醐味は、夕陽や夜景、日の出を、眺望抜群の山頂から眺めることができること! 宿泊した日は好天に恵まれて、本当に素晴らしい景色を眺めることができました。
蛭ヶ岳山荘で宿泊の手続きをしてビールで乾杯!
朝7時半頃に大倉バス停を出発して、塔ノ岳、丹沢山を経て、15時前に蛭ヶ岳山頂に到着しました。大倉~蛭ヶ岳の山行の様子は、前回(前編)の記事をご覧ください。
蛭ヶ岳山頂からの景色をひととおり眺めたあとは、蛭ヶ岳山荘で宿泊の手続きをします。2日前に、蛭ヶ岳山荘のWebサイトから、メールで予約をしておきました。
蛭ヶ岳山荘の入口は、山頂の広場の横にあります。この勝手口のようなドアから入ります。
山荘に入ると、すぐに受付のカウンターがあります。小屋番さんに料金を支払って、受付の上に設置されたディスプレイで山荘の説明の動画を見ます。
動画を見終わると、小屋番さんが寝室に案内してくれます。寝室は、1階と2階の大部屋がありますが、この日は宿泊客が少なめだったためか、1階だけが利用されていました。
一人一組の布団のスペースが確保されていますが、バックパックなどの荷物を置く場所は特にありません。寝る前は布団の上の枕元に、寝るときには、足元の通路のところに置いておきました。
隣の布団との間には、頭のほうだけ仕切りがあるので、隣の人をそれほど気にすることはありませんでした。(先客がいたので、寝室の写真を撮るのは遠慮しておきました)
荷物を置いて、食堂兼談話室となっている大広間へ。クリスマスの飾り付けがされていました。
蛭ヶ岳山荘はとてもシンプルな構造で、この大広間と、先ほどの寝室、それに、大広間の横に自炊室があるだけです。定員(=布団の数)は45名だそうですが、現在は感染症対策のために30名に制限しているそうです。
大広間にある売店でビールを購入。持参したおつまみを開けて乾杯! 外は寒いので、ストーブのある大広間で飲んでいました。ちなみに、寝室以外なら、どこで飲んでも構わないとのこと。
私が到着したときには、先客が3~4名ほどいましたが、15時~16時の間に続々と到着。最終的には16名ほどになりました。
ソロの方が多かったので、どのルートで登ってきたのかとか、どんな山に登っているのかなど、自然と登山談義が始まります。ソロで山小屋泊だと退屈するかと思いましたが、全くそんなことはなく、山荘での滞在中、とても楽しく過ごすことができました。
ちなみに、皆さん一様に「キツかった」と仰っていたのが印象的です。
赤く染まる丹沢の山々、富士山のすそ野に沈む夕陽!
この日の日没は16時30分頃。その10分ほど前に、カメラを持って外へ出ました。
関東平野を眺めると、大きな三角の影ができていました。きれいな三角形をした影なので、これは富士山の影なのでしょうか。たまたま蛭ヶ岳の影が三角に見えているだけかな?
南東側を見ると、今日歩いてきた丹沢の山々が、夕陽に照らされて赤く染まっています。こんなに赤くなるものなんですね。
そして、いよいよ日没。富士山のすそ野へと夕陽が沈んでいきます。素晴らしいひと時です。
相模湾のほうも焼けています。伊豆諸島の島々が夕焼けの中に浮かんでいるようで、幻想的な光景でした。
富士山の肩に沈んでいく夕陽。沈み始めると、あっという間に富士山の影に隠れてしまいました。
日没後の蛭ヶ岳山頂の様子です。富士山の右側には、南アルプスの峰々のシルエットが、夕焼けの中にくっきりと浮かんでいました。
ここまで、わずか15分ほどの出来事。刻一刻と変化していく空の色や、あっという間に沈んでいく太陽を眺めていると、まるで短いショーを見ているような気分になります。
夕食は念願の「ひるカレー」
夕陽鑑賞を終えて、冷えた体を大広間のストーブで温めていると、17時半、夕食の時間になりました。
蛭ヶ岳山荘の夕食は、おでんかカレーのどちらかだそうですが、この日はカレー。最近は「ひるカレー」で有名になった蛭ヶ岳山荘のカレーです。
ランチタイムにも出しているそうですが、提供時間は10時30分~13時30分と短め。どの登山口からも6~8時間かかる蛭ヶ岳に、公共交通機関利用で、このお昼の時間帯に到着するのは困難なので、夕食で食べることができてラッキーでした。
カレーは、わずかに辛めでコクがあり、ご飯との相性がぴったり! ご飯はお代わり自由とのことだったので、カレーを少し残しておいて、ご飯をお代わりしました。シンプルな夕食ですが、思わずおいしいカレーを食べることができて満足でした。
見事な関東平野・都心の夜景を鑑賞
夕食を食べ終えても、まだ18時。消灯の20時まではまだ時間がありますが、それまでのお楽しみが、関東平野の夜景観賞です。
蛭ヶ岳山荘の東側、関東平野を見渡せる場所へ、カメラとミニ三脚を持っていきました。
ご覧のとおり、素晴らしい夜景です。写真の右側のほうが都心、中央から左側は埼玉方面です。実際には、この写真の2倍以上の視野で夜景が広がっています。以前、塔ノ岳から眺めた夜景もきれいでしたが、関東平野のすべてを見渡せる蛭ヶ岳山頂からの夜景は圧巻の一言です。
ちなみに、上の写真は、夕食前、17時15分頃に撮影しました。
横浜や東京湾の方向の夜景です。中央の黒くなっているところが東京湾ですが、対岸の千葉の夜景まで見えています。こちらの写真は18時30分頃に撮影したものです。
いつまでも眺めていたいほど素晴らしい夜景なのですが、風が少し出てきて、山頂はとても寒い! 寒くて空気が澄んでいるからこその、この素晴らしい夜景なのですが、長時間見ているのがツラいです。
何枚か写真を撮影して、肉眼でもしっかり目に焼き付けたあと、山荘に戻りました。
消灯時間まではストーブの周りで談笑。20時前に荷物を整理して、寝室へ。山小屋の寝室には暖房がないので寒いものですが、この時期の蛭ヶ岳山荘の寝室はかなり寒いです。布団は温かいのですが、それでもなるべく多く着込んで寝ることにしました。
朝食後に素晴らしい御来光を鑑賞
夜中に何度か目が覚めつつも、疲れもあって、それなりに休むことができました。
翌朝は午前5時過ぎに起床。朝食は、ご飯、味噌汁に、自由によそえるお惣菜が数品。とてもシンプルな朝食ですが、十分です。温かい味噌汁がおいしい!
すでに東の空が赤く染まってきていたので、早々に朝食を終えて、カメラを持って外へ。
朝焼けの中、街の明かりがだんだんと消えていきます。地平線(水平線?)の近くには雲がありますが、これくらいなら問題なく御来光を拝めそうです。
あまりに寒くて、山荘に戻って暖を取り、また外に出て、というのを繰り返しました。
6時25分頃、東京湾、房総半島の向こうから太陽が顔を出してきました。写真右側、山の向こうに見えるのは相模湾と江の島です。
5分もすれば、すっかり地平線から太陽が出てきました。
日の出を迎えた蛭ヶ岳山頂です。みなさん、寒さに耐えながら、日の出を眺めていました。山小屋に泊る醍醐味の一つがこれですからね。
朝陽に照らされて赤く染まる富士山と西丹沢の山々。丹沢の山でも、こんなに美しいモルゲンロートを眺めることができるのです。
眺めているうちに、どんどん空の色や、周囲の景色が変わっていくのがこの時間。お天気に恵まれて、本当に素晴らしい眺めを堪能することができました。
【蛭ヶ岳~檜洞丸】鎖場・岩場・アップダウンが続く丹沢最難関を歩く!
蛭ヶ岳山荘を出発して、檜洞丸を目指します。蛭ヶ岳山頂直下の鎖場や岩場、何度も続くアップダウンなど、丹沢の一般的なルートでは最難関の区間を歩きます。
蛭ヶ岳直下の鎖場をクリアしてミカゲ沢の頭へ
午前7時半頃、蛭ヶ岳山荘を出発します。風が強くて寒かったのと、しばらく下りで体がなかなか温まらないだろうと思い、フリースの上にアウター代わりのレインウェアを着ました。
蛭ヶ岳から檜洞丸へのルートは「丹沢主稜」と呼ばれているエリアです。東西に延びる尾根を、蛭ヶ岳から西の方へ向かって歩いていく形になります。
富士山の手前、ここからは正面に見えるのが檜洞丸です。真っすぐには道がないので、左側の尾根筋を歩いていくことになるようです。足元の急な木段には霜がびっしりと付いているので、富士山に見とれて滑らないよう、気をつけて下っていきます。
蛭ヶ岳から檜洞丸までは4.6kmの道のり。距離だけみるとたいしたことはなさそうですが、アップダウンばかりなので、実際に歩いてみると、ずっと長く感じます。
蛭ヶ岳山頂直下の木段が終わると、ザレた急斜面へ。逆ルートの場合は、これを登ることになるので、かなりキツそうです。そういえば、西丹沢のほうから登られていた方が、蛭ヶ岳の最後の登りがキツかったと言っていたのを思い出しました。
しばらくすると、鎖場が連続する区間に入ります。このルートで一番の難所でしょう。ただ、一つ一つの鎖はそこまで長くないので、ゆっくりと降りていけば問題ありませんでした。この時期、鎖がとても冷たいですし、朝露で濡れているので、滑りにくいグローブは必須です。
蛭ヶ岳~檜洞丸のルートは、いくつもやせ尾根のようなところを通りますが、ここは崩落しかかっていました。幸い、右側に迂回路が設けられていましたので、そちらを通ります。
ひとしきり下って、わずかに登り返すと、「ミカゲ沢ノ頭」に到着です。このあたりは、道が平らになっていて、比較的広いので、少し休憩しました。
標高を下げると風があたらなくなってきて、暑くなってきたので、レインウェアを脱ぎました。
休憩中に、年配の方があとから追いついてこられましたが、蛭ヶ岳から檜洞丸まで、途中であったのはこの方だけでした。大倉~塔ノ岳の賑わいからは想像もできないほど、静かな山歩きを楽しめます。
臼ヶ岳を過ぎて標高1,250メートルまで一気に下る!
ミカゲ沢ノ頭から、次のピークの臼ヶ岳付近までは、このルートでは珍しく、大きなアップダウンがない区間です。快適な尾根歩きが続きます。
少しだけ登り返すと、臼ヶ岳へ。実際の山頂はコースから外れているようです。臼ヶ岳の手前で振り返ってみると、蛭ヶ岳が大きく見えました。
霜柱をサクサク踏みしめながら歩きます。昨日歩いた塔ノ岳~蛭ヶ岳のルートでは、登山道がぬかるんでいるところがかなり多かったのですが、この時間、まだ溶けていないようです。
臼ヶ岳のピーク付近を過ぎると、急な下りが始まります。木の階段が整備されているので、歩きにくくはありませんが、どこまで下るの? と心配になるほど、どんどんと下っていきます。
下りきったところが「神ノ川乗越」です。YAMAPで標高を見てみると、1,250メートルくらい。臼ヶ岳のピーク付近から200メートル、蛭ヶ岳山頂からは400メートルも下ってしまいました。檜洞丸の山頂は1,601メートルなので、350メートルもの登り返しが待っています。
アップダウンを繰り返してようやく檜洞丸への登りへ
神ノ川乗越を過ぎると、早速登りが始まります。350メートルも登り返すのかー、と思っていると、実はもっとキツいことにあとから気がつくのです(笑)
鞍部にはハシゴや急な階段がありました。小刻みに登ったり下ったりが続きます。
少し登り返したところが「金山谷乗越」(金山谷ノ頭)です。まだ標高は1,300メートルそこそこです。
檜洞丸の姿が、目の前に見えるようになってきました。こちらから見ると、こんもりとした丸っこい山ですね。山頂まで、あまり急登ではなさそうに見えますが、標高差はかなりありそうです。
檜洞丸本体に取りつく前に、いくつかやせ尾根を超えていきます。ここには木道が整備されていました。
階段が続く最後の登りをクリアして檜洞丸へ
ようやく、檜洞丸山頂への最後の登りが始まります。標高は1,300メートルそこそこ。神ノ川乗越から350メートルの登り返しでゴールかと思っていましたが、ここまでかなりアップダウンがあったにもかかわらず、標高は50メートルしか上がっていません。ここから300メートルの登りが始まるのです。
木の急な階段が続きます。階段地獄といえば大倉尾根ですが、大倉の階段よりも段差が大きいので、体力を削られますし、足への負担も大きいです。
木の階段とザレた急登が繰り返し出てきます。ここまで歩いてきてだいぶ疲れているので、適度に立ち止まって、息を整えながら登ります。
30分ちょっと登ると、傾斜が緩やかになり、周りの木々も少なくなってきます。山頂に近づいてきたようです。
うしろを振り返ると、蛭ヶ岳から歩いてきた丹沢主稜の稜線がずっと見渡せます。その向こうには、塔ノ岳~蛭ヶ岳の丹沢主脈の山々も。雲が出てきて、山頂にかかってきてしまいました。
10時15分頃、檜洞丸の山頂下にある山小屋「青ヶ岳山荘」に到着しました。トイレだけお借りして、まずは山頂を目指します。
【檜洞丸】ガスに覆われた檜洞丸山頂を眺め、青ヶ岳山荘で休憩
檜洞丸の山頂は、残念ながらガスに覆われていて眺望はゼロ。風が強くて寒かったので、青ヶ岳山荘まで戻って休憩させていただきました。
真っ白な檜洞丸山頂に登頂!
青ヶ岳山荘から、木の階段を5分ほど登れば、檜洞丸の山頂に到着! 山頂はちょっとした広場になっていますが、山頂付近だけガスに覆われてしまって、眺望はありませんでした。
檜洞丸の山頂には誰もいませんでした。風が強いうえに、ガスで日差しが遮られてしまっているので、とても寒いです。
西丹沢ビジターセンターのバスは14時40分までないので、山頂で時間調整も兼ねてのんびりしようかと思っていましたが、あまりの寒さに、急遽、青ヶ岳山荘へ。
青ヶ岳山荘の中で休憩。ホットコーヒーを注文し、持参したランチパックを食べました。
青ヶ岳山荘は通年営業ですが、小屋番が常駐するのは週末が中心とのこと。今日は月曜日でしたが、小屋番の女将さんが下山される前だったので、営業していました。
山小屋の外にあるテーブルは100円で利用できるのですが、寒いので小屋の中を使わせていただきました。休憩は30分500円ですが、コーヒーを注文したので、300円に割り引かれました。
他に誰もいなかったので、女将さん、掃除をしながら話し相手になってくれました。青ヶ岳山荘にはこたつがあって、宿泊すればこたつで温まりながら休めるそうです。週末でもそれほど混んでいることはないそうで、ゆったりと山小屋に泊りたい場合にはよさそうだなと思いました。
木道のあとは急坂を下って展望台へ
11時まで青ヶ岳山荘で休憩したあと、再び檜洞丸の山頂へ。相変わらずガスに包まれていたので、早々に下山します。
檜洞丸山頂から西丹沢ビジターセンターまでは5.3km。2時間半くらい見ておけば大丈夫でしょう。
この登山道は「ツツジ新道」というそうです。その名前のとおり、初夏にはシロヤシオの花が咲き乱れるそうです。
山頂のすぐ下は、このような木道が敷かれたゆるい下り坂です。ガスってしまったのが残念ですが、晴れていれば気持ちよく歩けそうですね。
比較的長い木道が終わると、今度は急な階段を下っていきます。階段はきれいに整備されているので歩きやすいですが、かなり急なので、登ってくるのは大変そうです。
階段が終わると、ザレた急坂になります。ところどころ、短い鎖やハシゴも出てきますが、特に難所と言えるようなところはなかったと思います。
とはいえ、ずっと急坂が続くので、滑らないように慎重に下っていきます。これを登るとなると、急登続きになるので、かなりキツそうです。
展望台で休憩してゴーラ沢へ
檜洞丸山頂から距離的に3分の1ほど下ったところに「展望台」なる場所があり、ベンチがあったので、ここで休憩します。このままのペースで下ると、下山後にバスの時間まで1時間半以上も待ちそうだったので。
「展望台」というくらいですから、景色が見えます。おそらく、こちらの方角に富士山が見えるのではないかと思いますが、残念ながら雲の中でした。
お湯を沸かしてコーヒーを入れました。持参したSOYJOYを食べながら、コーヒーで一息。
月曜日ということもありますが、檜洞丸も静かな山ですね。山頂からここまで、すれ違ったのは5名ほど。30分ほどの休憩の間に、展望台を通過していった人は誰もいませんでした。
展望台から下も、ところどころに鎖場やハシゴがあります。鎖場は、足をかけるところがしっかりあるので、鎖にそれほど頼らなくても下ることができました。
標高を下げていくと、だんだん沢の音が聞こえるようになります。展望台から30分ちょっとで、「ゴーラ沢出合」に到着。
河原に白い石や岩が広がります。沢の流れに比べて、ずいぶん河原が広いように感じましたが、雨が降ると水量が一気に増すのでしょうね。
ルートは対岸へと続いているので、徒渉が必要です。今日は水量が少なめなのか、全く問題なく渡れましたが、雨のあとは渡れないことや、靴を脱いで渡らないといけないこともあるんだとか。
沢沿いの道を歩いて西丹沢ビジターセンターに下山
徒渉したところの先は、人口の滝になっていました。
ゴーラ沢出合から先は、沢沿いの斜面に付けられた緩やかな道を歩きます。道は非常に歩きやすいです。途中、赤く紅葉した木々が目を楽しませてくれました。
沢の対岸にこんもりとした山が見えました。沢の向こうにある権現山でしょうか。
分岐です。登山道は直進ですが、でかでかと「西丹沢ビジターセンター方面 ←」とあるので、そちらへ。ウェルキャンプ場の敷地内を通って、西丹沢ビジターセンターに出られるようです。
先ほどの分岐からつづら折りに沢へと下っていきます。途中、紅葉が見事でした。
沢に降りたあたりから、道がわかりにくくなりました。沢の対岸に道が続いているように見えるのでそちらへ。
沢沿いを歩いているときにシカに遭遇! ずっとこちらを見ていたので、写真を撮ってみましたが、それでもずっとこちらを見ていました。
他にも、沢沿いの山の斜面に数頭のシカがいました。丹沢といえばシカなんですよね。
沢沿いはだだっ広くて、道がわかりにくいのです。再び沢を渡って、それっぽい道を下っていくと、ウェルキャンプ場に到着しました。キャンプ場の奥から出てきた感じですね。
道がわかりにくいうえに、それほど近道という感じでもなかったので、あえてこのルートを選ぶ必要はなさそうです。先ほどの分岐を、登山道のコース通りに進んだ方がよかったかもしれません。
13時40分頃、西丹沢ビジターセンターに無事に下山! 檜洞丸の山頂からは、ほぼ下りのみでしたので、問題なく下ってくることができました。
路線バスとロマンスカーで帰宅
バスの時間まで1時間近くありましたが、登山靴を洗ったり、トイレにいったり、ザックの中を整理したりしていたら、あっという間にバスがやってきました。
新松田駅までは、富士急湘南バスの路線バスで約70分。西丹沢ビジターセンターで乗車したのは私を含めて4名でしたが、途中の丹沢湖で、年配のハイカーの団体さんが乗ってきて、座席は7~8割ほど埋まりました。
今日は月曜日なので、バスの経路の途中にある中川温泉「ぶなの湯」は残念ながら定休日。バスが通る山北駅にも温泉がありましたが、疲れていたので、温泉をあきらめて帰宅することにしました。
途中、少し渋滞もあり、新松田駅には5分遅れで到着。新松田駅から秦野駅までは、快速急行で移動します。
秦野駅からロマンスカーに乗車。新松田駅前のコンビニで購入したビールとおつまみで、ささやかな乾杯をして、帰宅したのでした。
稜線歩きと静かな山歩きを楽しめる丹沢主稜縦走
ということで、蛭ヶ岳山荘に宿泊して、大倉から西丹沢ビジターセンターへと、丹沢主稜を縦走してきました。
塔ノ岳~丹沢山~蛭ヶ岳の丹沢主脈では、景色が良く、快適な稜線歩きを楽しめました。丹沢山~蛭ヶ岳はアップダウンが多いので、だいぶ疲れましたが。
一方、蛭ヶ岳~檜洞丸の丹沢主稜は、丹沢の山深いエリアを歩くコース。平日ということもありますが、ほとんど人とすれ違うことなく、静かな山歩きを楽しめました。塔ノ岳~蛭ヶ岳の丹沢主脈に比べると、アップダウンが多く、鎖場やハシゴもありますし、登山道が細いところも多いので、コースのレベルとしては一段上かなと感じます。
そして、何と言っても、蛭ヶ岳山頂からの眺望! 関東平野から東京湾、相模湾、箱根の山々や富士山、南アルプスや丹沢の主だった山々など、ほぼ360度を見渡すことができます。この記事でも紹介したように、夕陽や御来光が素晴らしいですし、関東平野の夜景は必見です。
蛭ヶ岳は、距離的に大倉~西丹沢ビジターセンターの中間地点にあるので、蛭ヶ岳山荘に宿泊する行程を立てやすいのもいいですね。
丹沢のいろいろな面を一度に楽しめるコース、そんな印象を持ちました。
今回の登山装備
- メリノウールの長袖アンダーシャツ
- 化繊の長袖シャツ
- やや厚手のフリース(モンベル)
- コンパクトダウン(ユニクロ)
- ダウンパンツ(モンベル) ※使用せず
- トレッキングパンツ(モンベル)
- 登山用靴下(FITS)
- 登山靴(モンベル アルパインクルーザー2300)
- ザック(ミレー サースフェー40+5)
- グローブ
- チェーンスパイク ※使用せず
- レインウェア上下(モンベル)
- 膝サポーター(ザムスト EK-3)
- トレッキングポール(シナノ)
- バーナー・クッカー類一式
- 飲み物(ナルゲンボトル1L+ペットボトル1本)
- 行動食
- 食料(マルタイ棒ラーメン、ランチパック1個)
- ファーストエイドキット
- ヘッドライト
今回は、ちょうど寒波が来ていたこともあり、防寒着を多めに持っていきました。行動中は、メリノウールのアンダーシャツと化繊の長袖シャツ、それに、フリースの3枚で歩き始めましたが、1日目の大倉~蛭ヶ岳の間では、フリースを脱いだり着たりという感じ。歩いているときは脱いでいることの方が多かったです。
蛭ヶ岳の山頂は、夕方から急激に寒くなり、夕陽や夜景、日の出を見るときには、コンパクトダウンを来てもまだ寒いくらいでした。山荘の中も、大広間のストーブの近く以外は寒いので、ずっとダウンを来ていました。
2日目の行動開始時は、気温が氷点下で風もあったので、フリースの上に、風よけの意味でレインウェアを着て歩き始めました。が、蛭ヶ岳山頂からひとしきり下って樹林帯に入ると、風がなくなって暑くなったので、レインウェアをしまいました。そのあとは、フリース含めて3枚で問題なかったです。
今回、小屋泊用に購入したミレーのバックパック「サースフェー 40+5」を初めて使いました。背負い心地がとてもよく、縦長のスリムな形状が気に入りました。今回のようにザックが満杯にならないときには、ザックを絞ることで、背中側に重心が近くなるので、ザックに振られることなく歩くことができます。
自宅を出るときは、水・食料込みで10.5kgくらいと、いつもの日帰り登山に比べると2~3kgほど重かったのですが、その違いをほとんど感じることはなく、いつもどおりに歩くことができました。
日帰り登山用のザックは、グレゴリーのZULE30(28リットル)を使っているのですが、これだと、防寒着やチェーンスパイクを入れるとパンパンになってしまうのですよね。「サースフェー 40+5」であれば、まだだいぶ余裕がありました。今後も、小屋泊用には、「サースフェー 40+5」を使っていきたいと思います。
以上、「【丹沢】蛭ヶ岳山荘に泊まって絶景を眺めながら丹沢主稜を縦走する山旅 ~蛭ヶ岳山荘宿泊・丹沢主稜縦走編~」でした。アップダウンには苦しめられましたが、山深いエリアで静かな山歩きを楽しむことができました。蛭ヶ岳山頂からの夕陽、夜景、御来光は必見ですよ。
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