2021年8月下旬、2泊3日で赤岳鉱泉にテント泊して、硫黄岳、横岳、赤岳に登ってきました。硫黄岳の緩やかな稜線歩きから、岩峰が続く横岳の稜線、そして、最高峰赤岳へと、変化にとんだ登山を満喫することができました。
南八ヶ岳の3峰、硫黄岳・横岳・赤岳を巡る周回コースに挑戦!
今回、2泊3日で赤岳鉱泉にテント泊をしましたが、中日の2日目に、硫黄岳~赤岳の登山に行ってきました。
南北に連なる八ヶ岳の南側、「南八ヶ岳」と呼ばれている山域ですが、北側から「硫黄岳」(2,760メートル)、「横岳」(奥の院 2,830メートル)、そして八ヶ岳の最高峰「赤岳」(2,899メートル)と並んでいます。稜線が登山道になっているため、この3峰を一度に登ることができるわけです。
硫黄岳~赤岳の稜線は、距離にするとわずか5km程度。それなのに、穏やかな山容の硫黄岳、ゴツゴツした岩峰が続く横岳、赤茶けた山肌で存在感抜群の赤岳と、様相の異なる3つの山を楽しむことができます。それに、稜線を歩くので、終始、絶景を眺めながらの山行になります。
この記事では、赤岳鉱泉から硫黄岳、横岳、赤岳と稜線を歩き、赤岳鉱泉に戻ってくる周回コースを登山した様子をご紹介します。
登山口から赤岳鉱泉までの様子と、赤岳鉱泉でのテント泊の様子は、以下の記事で紹介していますので、こちらもぜひご覧ください。
南八ヶ岳周回コースの行程
今回歩いたコース(登山口~赤岳鉱泉の往復を含む)は以下の地図のとおりです。
地図の右側のループ状になっているところが、赤岳鉱泉から南八ヶ岳の稜線を歩き、再び赤岳鉱泉に戻ってくる周回コースです。
稜線を硫黄岳から赤岳へと南下する時計回りのコースと、稜線を北上する反時計回りのコースのどちらでも歩くことができますが、今回は、時計回りのコースを選択しました。
主な行程は以下のとおりです。
- 06:40 赤岳鉱泉 出発
- 07:50 赤岩の頭(10分休憩)
- 08:10 硫黄岳
- 08:40 硫黄岳山荘(30分休憩)
- 09:40 横岳 奥の院(20分休憩)
- 10:05 横岳 三叉峰(15分休憩)
- 11:00 地蔵の頭
- 11:05 赤岳天望荘(30分休憩)
- 12:00 赤岳 到着(45分休憩)
- 12:45 赤岳 出発
- 14:00 行者小屋(15分休憩)
- 14:45 赤岳鉱泉 到着
振り返ってみると、休憩してばかりですね(笑)。
山と高原の地図のコースタイムでは約7時間のコースですが、休憩込みで8時間ちょっとほどで歩くことができました。
とても天気が良く、ありとあらゆるピークで休憩して、景色を眺めていた感じです。赤岳鉱泉で2泊する行程にしたことで、稜線歩きや休憩して景色を眺める時間をたっぷり確保することができました。
このコース、通常は1泊2日で歩けるのですが、その場合には、赤岳鉱泉に下山後、テントを撤収して、さらに登山口までの2時間が追加されます。距離的にも時間的にもかなり厳しくなってしまうので、今回は2泊の行程にしたわけです。
ということで、終始、天気に恵まれた南八ヶ岳の登山記をどうぞ!
【硫黄岳】穏やかな山容と対照的な爆裂火口の景色に釘付け!
赤岳鉱泉を出発したら、樹林帯の登山道を登って、まずは硫黄岳へと向かいます。
薄暗い樹林帯の登山道を登り絶景の稜線へ!
この日は午前5時前に起床。赤岳鉱泉のテーブルで簡単な朝食を作って食べ、登山の支度をします。レインウェアや水、防寒用のソフトシェルなどをアタックザックに詰めて、午前6時半過ぎに出発です。
すでに日の出を迎えていて、赤岳の山頂には朝日があたり始めていますが、赤岳鉱泉は稜線の西側にあるため、まだ薄暗かったです。
赤岳鉱泉の建物の横にある登山道へ。多くの人が行者小屋方面へと出発していったようで、赤岳鉱泉から硫黄岳へ向かうのは少数派のようです。赤岳だけを目指すのであれば、行者小屋方面からのほうが近いですからね。
薄暗い樹林帯の登山道を登っていきます。最初のうちは傾斜は緩やかです。
次第に傾斜が急になっていきますが、急登といえるようなところはほどんどなく、比較的登りやすいコースだと思います。等高線が密になっているところは、直登ではなく、ジグザグに登山道がつけられていました。
次第に視界が開けてきて、稜線に出ると、「赤岩の頭」に到着。赤岳鉱泉から1時間15分ほどで到着しました。
ここまで薄暗い登山道を歩いてきたので、この稜線の開けた景色と青い空がまぶしいです。
絶景を眺めながら硫黄岳の山頂へ!
赤岩の頭からは、硫黄岳の北西側の斜面をトラバースするように登っていきます。
登山道からは北~西側の眺望が開けていて、絶景続き! 北側には、北八ヶ岳の天狗岳や蓼科山が間近に見えました。
硫黄岳から40分ほど下ったところにある夏沢峠が、南八ヶ岳と北八ヶ岳を分ける峠なのだそうです。
西~北側を眺めると、西側(写真の左側)から御嶽山、乗鞍岳、そして、北アルプスの山々を一望できます。
本当に素晴らしい眺めです。あまりに景色が良すぎて、なかなか足が進みません(笑)
絶景を眺めながら、赤岩の頭から20分ほど登ると、岩がゴロゴロした広場のような場所に出ました。ここが硫黄岳の山頂です。
午前8時10分、南八ヶ岳縦走の1峰目、硫黄岳(標高2,760メートル)に登頂しました!
ものすごく天気が良いのですが、西風が強く、ドライレイヤーと長袖のTシャツ1枚では寒いくらいです。だだっ広い山頂は、休憩には最適なはずですが、強風と寒さのせいか、座って休んでいる人はあまり見かけませんでした。
ケルンの向こうには北八ヶ岳の山々。硫黄岳の山頂から、硫黄岳と横岳の鞍部にある硫黄岳山荘の近くまでは、このような大きなケルンが並んでいます。山頂が広く、ガスが出てくると道迷いが発生するため、このケルンを頼りに歩けるようにしているようです。
大迫力の爆裂火口を眺めて硫黄岳山荘へ
山頂で休憩して、もう少し景色を見ていたいところですが、強風で寒いので、先へ進むことにします。
……が、硫黄岳の北側にある爆裂火口を眺めるために寄り道。硫黄岳の山頂から、爆裂火口を眺められる場所まで、火口の縁に沿って歩ける道があります。往復しても数分なので、寄ってみました。
硫黄岳山頂の北側には、こんな大迫力の爆裂火口があります。南側からみると、とても穏やかな山容の山なのですが、反対側はこんな断崖絶壁になっているのです。「爆裂火口」というとおり、噴火によって、山体が吹き飛ばされてできた火口ですね。
爆裂火口を眺めたところで、先へ進みます。硫黄岳山頂から南側には、これから歩く横岳~赤岳の稜線がきれいに見えていました。まずは、硫黄岳と横岳の鞍部にある山小屋「硫黄岳山荘」を目指します。
少し下ったところで振り返ってみると、硫黄岳山頂から緩やかな稜線が続いています。この反対側が先ほどの爆裂火口なのですが、この対比が面白いです。
8時40分、硫黄岳山荘に到着しました。この先の横岳から赤岳までは、岩場や鎖場が続く気の抜けないエリアになるので、ここで一休みしていきます。
トイレをお借りして、ココア(500円)を注文。強風で冷えた体を温めつつ、糖分・水分補給です。
硫黄岳山荘は、稜線上にある山小屋ですが、温水シャワーを浴びることができるようです。トイレもウォッシュレットが完備されていました。水が豊富に手に入るところであれば、ウォッシュレットにしたほうが、下界におろさなくてはならないトイレットペーパーの消費量が減るので、理に叶っているのかもしれません。
小屋泊で八ヶ岳を歩くのであれば、稜線上の山小屋に泊まってみたいですね。
【横岳】ゴツゴツした岩峰が続く岩山
硫黄岳の次は、横岳に挑戦します。硫黄岳までの樹林帯と緩やかな稜線の道とは異なり、岩場や鎖場が続く気の抜けないエリアになります。
絶景で足が進まない横岳への稜線歩き
9時10分頃、硫黄岳山荘を出発。横岳への取りつきは、岩がゴロゴロした登りからです。
このあたりから、すれ違う登山客が増えてきました。赤岳天望荘に宿泊した人たちか、早朝に赤岳から登って稜線を北上している人たちでしょうか。
少し登ったところで振り返ると、硫黄岳を一望できます。横岳や赤岳とは異なる、丸い穏やかな山容の山に見えますが、この裏側は爆裂火口なんですよね。
北アルプスのほうを良く見てみると、穂高連峰に槍ヶ岳までくっきりと見えました。稜線を歩いていくので、こんな絶景をいつも眺めることができます。登り疲れて、ふと足を止めたら、目の前には絶景! こんな山歩きが続きます。
難所「カニの横ばい」をクリアして横岳最高峰「奥の院」へ
景色に見とれてばかりいるとなかなか先に進まないので、目を前に向けてみましょう。すると、これから登る横岳の横には、雲海から頭を出した富士山が! やはり、景色に見とれてしまうのでした(笑)
ここから先は、いよいよ岩場や鎖場が続く岩稜帯。アタックザックに入らないので、赤岳鉱泉を出るときからヘルメットをかぶってきましたが、ここでクライミング用のグローブを装着。ザックに付けている一眼レフカメラは危ないので、ザックにしまいました。
目の前に見えるのが、横岳のピークの一つ「奥の院」。横岳の最高峰でもあります。あの尖がった岩の上まで登っていかないといけません。
一番スリルがあったのが、この「カニの横ばい」と呼ばれるところ。カニのように横歩きをしないと進めないところです。
足を置ける場所はあるものの、その下は断崖絶壁。それほど技術が必要なところではありませんが、踏み外したら一巻の終わりという緊張感はあります。それに、断崖絶壁ですので、かなりの高度感です。
カニの横ばいをクリアして、最後の鎖場を登りきると、横岳の一番のピーク「奥の院」に到着です! 山頂はそれほど広くはないですが、たくさんの人が休んでいました。
北側を見ると、硫黄岳からここまで歩いてきた稜線を一望できます。
西側は、雲がほとんどなく晴れ渡っていて、素晴らしい景色です。眼下に見える街並みは中央本線沿線、富士見、茅野あたりでしょうか。
あまりの絶景だったので、山頂で20分ほど休憩して、ずっと景色を眺めていました。
横岳のいくつものピークを経由して赤岳へ
10時ちょっと前に横岳「奥の院」を出発。目の前には、これから歩く稜線が見えています。ゴツゴツとした横岳の稜線と、その先には存在感のある赤岳。あの赤岳まで、この稜線を歩いていく予定です。
ここから先も、岩場、鎖場が連続する岩稜帯が続きます。横岳のたくさんのピークは岩峰になっているため、こんなハシゴもあちこちにありました。
10時05分頃、横岳のピークの一つ「三叉峰」(さんじゃほう)に到着。ここでも少し休憩しました。
北側を眺めると、赤岳がだいぶ近くなってきたのがわかります。
稜線の東側には、少し雲が湧いていました。この時期、稜線の西側よりも、東側のほうが雲が湧きやすいようですね。西側は夕方までずっと晴れていました。
三叉峰のピークから、東側に少し降りたところに分岐がありました。稜線の東側から「杣添尾根」(そまぞえおね)を登ってくる登山道です。
稜線の東側は、西側に比べると緩やかな山並みが続いているようです。杣添尾根の先は、高原野菜と電波望遠鏡で有名な野辺山高原です。
この先も、ハシゴや鎖場が続きます。ハシゴを降りる方向になるため、慎重に下っていきます。
「石尊峰」という、これまた横岳のピークの一つに到着。歩いてきた北側を振り返ってみると、岩峰が連なる横岳の姿が良くわかります。
ここまでいくつもの横岳のピークを超えてきましたが、この石尊峰が最後のようです。ここから先、赤岳との鞍部まで、急な岩場を一気に下っていきます。
斜面をトラバースするような登山道。鎖を頼りに慎重に進んでいきます。
こんな急斜面も。三点支持を徹底して、慎重に下りました。
横岳から赤岳への下りが、今回のコースでは、岩場や鎖場が連続する核心部だったように思います。
地蔵の頭を経て赤岳天望荘へ
ひとしきり岩場を下りおえると、「地蔵の頭」に到着。行者小屋から地蔵尾根を登ってくると、この地蔵の頭に出ます。
「地蔵の頭」の名前のとおり、お地蔵さんが鎮座していました。地蔵尾根の方向を向いているので、下界を見守っている感じに見えました。
地蔵の頭を過ぎると、すぐに赤岳天望荘に到着です。
時刻は11時過ぎ。ガスが出ないうちに赤岳の山頂を目指したいと思いましたが、山頂までの急登を目の当たりにして、無理をせずに、休憩をとることにしました。
赤岳天望荘で何か食べようと思いましたが、外のベンチが気持ちよさそうだったので、持ってきた行動食のカロリーメイトを食べました。標高差のせいで、カロリーメイトの袋がパンパンです。
ベンチの隣に座られていた年配のソロの男性と話をしながら休憩。登山を始められたばかりとのことでしたが、今日は美濃戸口から赤岳に日帰りとのことでした。長野県の方のようで、「近所の山」の一つが八ヶ岳なんだとか。うらやましい!
【赤岳】八ヶ岳最高峰で存在感抜群!
いよいよ3峰縦走の最後、そして、八ヶ岳最高峰の「赤岳」に登ります。
急登を登って赤岳山頂へ!
赤岳天望荘でトイレをお借りして、身支度を整えて、最後の登りに取り掛かります。赤岳天望荘の目の前に赤岳の存在感のある姿がどーんと見えていますが、山頂までの登りは見るからに急登!
大小の岩がゴロゴロした登山道を登っていきます。最初のうちは、それほど傾斜は急ではありません。5分ほどで、稜線の東側から赤岳へと至る県界尾根ルートとの分岐に到着。
前方を見上げてみると、山頂直下の登りがかなりの急登になりそうです。
半分くらい登ったところで一休み。振り返ってみると、眼下に先ほどまで休憩していた赤岳天望荘が見えました。その向こうには横岳の雄姿。その左奥に硫黄岳までを望むことができます。
そして、山頂直下の急登へ! 岩場とかではないのですが、とにかく傾斜が急です。鎖を頼りにしつつ、少しずつ登っていきます。今回の登山ルートでは、間違いなく一番の急登です。
赤岳天望荘から約30分で、赤岳頂上山荘に到着。(写真は赤岳山頂から振り返って撮影したものです)
赤岳頂上山荘は、残念ながら昨年から休業中。それにしても、すごいところに山小屋を建てたものです。赤岳頂上山荘の近くに「赤岳北峰」とありますが、最高峰は少し南側にある赤岳神社があるところです。
赤岳山頂からの絶景を満喫!
そして、12時頃、赤岳の山頂に到着! 天気の良い土曜日ということもあって、赤岳の山頂は賑わっていました。
腰を掛けられるスペースを見つけ、ザックをおろして、赤岳山頂からの絶景を満喫します。
南側には、八ヶ岳の主稜線が続いています。赤岳の南側のピークは権現岳ですが、赤岳と権現岳の間にはキレットがあります。標高差が500メートルもあり、岩場・鎖場も多いので、上級者向けコースとなっています。いずれ歩いてみたいコースの一つです。
真ん中に双耳峰のように見える2つのピークのうち、左側が権現岳、右側がギボシでしょうか。その右奥の丸い山容の山は、昨年、日帰りで登った編笠山ですね。八ヶ岳の山並みの向こう側には、南アルプスも良く見えていました。
南東方向には、富士山も見えていました。八ヶ岳の稜線の東側は、雲が若干出ていましたが、富士山は山頂まで隠れることなく、常に見えていましたね。富士山の左側には奥武蔵の山々。
赤岳山頂には「赤岳神社」があります。下山するまでの登山の無事を祈ります。
急な岩場を下って文三郎尾根へ
あまりの絶景の素晴らしさに、赤岳山頂に50分ほども居座ってしまいました。下山するのももったいないのですが、あまり遅くなってもいけないので、そろそろ下山しましょう。
下山ルートは、文三郎尾根経由で行者小屋へ。文三郎尾根が階段が多いと聞いていましたが……。
山頂直下は、いきなり岩場・鎖場・ハシゴが連続します。慎重に下っていきます。ひたすら急なだけの赤岳天望荘側の登山道とは対照的です。
下山する人ばかりでなく、これから登ってくる方もいるようで、あちこちで道を譲りながらの下山となります。これから登ってくる人たちは、赤岳天望荘に泊まるのでしょうか。
それなりに長くて急な岩場が多いですが、足をかけるところはちゃんとあるので、慎重におりていけば、問題ありませんでした。
ひとしきり岩場を下りきったところで、赤岳を見上げます。こちら側はこんな岩山になっているのですね。山頂直下の急な岩場も納得です。
岩場エリアを抜けると、階段が続きます。眼下には行者小屋の赤い屋根が見えてきました。ここまでくれば一安心、と思いきや、階段の上に石がたくさんのっかっていたり、ザレた急斜面があったりと、なかなか気を抜けません。何度かズルっと転びそうになりました。岩場・鎖場よりも、ここの下りが一番気を使いました。
下山中に見上げると、今日、歩いてきた硫黄岳~横岳の稜線がきれいに見えました。
ゴツゴツとした荒々しい山容の赤岳も! こちら側の斜面は、断崖絶壁ですね。
行者小屋を経由して赤岳鉱泉へ下山!
どんどん下っていきます。だいぶ歩きやすい階段が増えてきましたが、階段の斜度が急ですね。登りにこのルートを使うと、かなり大変そうです。
先ほどからずっと行者小屋が見えているのに、なかなか着きません(笑) まあ、時間的には余裕があるので、のんびり行きましょう。
14時少し前、赤岳山頂から1時間10分くらいで、ようやく行者小屋まで下りてきました。行者小屋のテント場はご覧のとおりぎっしり! 好天の土曜日ですからね。
行者小屋でCCレモンを購入して一休み。小屋の前のテーブルも、多くの登山客で賑わっていました。赤岳鉱泉よりも、こちらの行者小屋のほうが赤岳に近いので、人気があるのかもしれません。
のんびりしたいところですが、テントを張ってある赤岳鉱泉まで、あと40分ほど歩く必要があります。テントに帰ってからくつろぐことにして、先に進みます。
行者小屋から赤岳鉱泉へは、樹林帯の登山道を歩いていきます。とても歩きやすい道です。途中の中山乗越というところまでは緩い登り、そこから先は下りです。
赤岳鉱泉で温泉・ビールを堪能!
14時45分頃、赤岳鉱泉のテント場に戻ってきました。
赤岳鉱泉のテント場も、朝、出発するときに比べると、テントの数が3倍くらいに増えていてびっくり! 私のテントの周りも、他の方のテントで囲まれていました。
温泉に入って、売店で生ビールとモツ煮を注文。たくさんのテントを眺めながら、今日の山行の無事に感謝して、乾杯!
硫黄岳~赤岳、絶景を眺めながらの変化にとんだ稜線歩き!
ということで、赤岳鉱泉から硫黄岳、横岳、赤岳へ、そして赤岳鉱泉に戻る周回コースを歩くことができました。
朝から下山するまで、ずっと天気に恵まれて、最高の登山になりました。稜線には全くガスがかからず、周囲の山にもほとんど雲がかかることはありませんでした。
このコースの醍醐味は、中部日本の名峰をすべて眺められる眺望と、変化にとんだ稜線歩きですね。
眺望はこの登山記でも写真でお伝えしたとおりですが、硫黄岳から赤岳へのコースは、緩やかな稜線があったり、ゴツゴツした岩場が続いたりと、かなり変化に富んでいます。特に、横岳は、鎖場やハシゴが続いて気の抜けないところもありますが、難所を一つクリアすると、絶景を眺められるピークに出る、といったことの繰り返しで、楽しかったです。
赤岳鉱泉に2泊する行程にしたことで、スケジュールに余裕ができたのも良かったです。あらゆるピークでザックを下ろして休憩して、そこでしか見られない景色を楽しむことができましたので。スケジュールに余裕がないと、どんどん先へ、と気がせいてしまうので、ゆっくりと絶景を楽しむことができなかったかもしれません。
今回の登山装備
今回の主な装備は以下のとおりです。(消耗品、食料、細かな備品等は除く)
- ウェア類
- ドライレイヤ: ミレー ドライナミックメッシュ NSクルー
- アンダーレイヤ: モンベル ウィックロン 長袖Tシャツ
- 防寒着: モンベル ライトシェルパーカー
- パンツ: モンベル トレッキングパンツ
- レインウェア上下
- 靴下: モンベル ウィックロンの登山用靴下
- その他、着替え類
- 登山靴: モンベル アルパインクルーザー2300
- 登山補助
- 膝サポータ: ザムスト EK-3(両膝)
- トレッキングポール: シナノ フォールダーTWIST 125
- クライミング用グローブ
- ヘルメット
- 日焼け止め
- 緊急用
- ファーストエイドキット
- ヘッドランプ、予備の電池
- エマージェンシーシート
- ザック
- テント泊用: オスプレー イーサーAG60 60L
- アタックザック: イーサーAG60の雨蓋部分
- テント類
- テント: モンベル ステラリッジテント2型
- シュラフ・マット
- シュラフ: モンベル ダウンハガー800 #2
- マット: サーマレスト ZライトソルR
- 水
- ナルゲンボトル 1L
- プラティパス 2L(使用せず)
- 調理器具
- クッカーセット
- バーナー、ガス缶
- ステンレスマグカップ
2回目のテント泊。なるべく不要なものを持っていかないようにしたつもりですが、結局、ザックや水、食料込で15kgくらいになってしまいました。
美濃戸口から赤岳鉱泉までは約3時間。標高差で700~800メートルですが、林道や緩やかな登りが多かったので、何とかなりました。ただ、これを背負って、稜線を歩くのは、私の体力ではあまり現実的ではないなと思います。軽量化を検討しつつ、当面は、今回のようなベースキャンプ型のテント泊を楽しもうと思います。
この記事で紹介した硫黄岳~赤岳の周回には、アタックザックに必要なもの(レインウェア上下、ソフトシェル、水、ファーストエイドキット、グローブ、カメラ等)だけを詰めて登りました。ふだんの日帰り登山よりも軽かったので、楽に歩くことができました。
以上、「【八ヶ岳】南八ヶ岳(硫黄岳・横岳・赤岳)を縦走する山旅 ~硫黄岳→赤岳縦走編~」でした。好天に恵まれて最高の山行になりました。行程に余裕を持たせたおかけで、稜線での景色を満喫することもできましたし、赤岳鉱泉でのテント泊でもゆっくりすることができました。八ヶ岳には何度でも足を運びたいですね。
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赤岳鉱泉でのテント泊の様子を中心に書いた記事です。赤岳鉱泉のテント場、お風呂(温泉)、ステーキの夕食の様子なども紹介していますので、ぜひご覧ください。
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